いつも彼氏といたいけど、面倒くさがられるから彼氏べったりの自分をなんとかしたい。
誰かの役に立っていないと不安だから、自分の体を壊しても人の役に立たないと気がすまない。
食べ物やアルコールを口にしていないと落ち着かなくなる。
今回のテーマは依存体質です。
“それ”がなくなると不安に駆られたり、
“それ”を保つために自分を犠牲にしたりする自分を見て、
依存体質だ、これは直さなければと考えるかもしれません。
しかし、それを「依存」だと言って、無理して依存を捨てようとしないでください。
何かに頼って安心を得ることもいいし、
もし依存を手放す場合も、そのアプローチ方法は全然違います。
そもそも何かに依存したくしたくなるのは、それが必要だからであり、
無理に自分から引き剥がしてしまったら、それは不安になるだろうし自分がかわいそうです。
だから、依存体質な自分をどうこうしなくていいのです。
ただ、もし、それで現状が自分の思ったような幸せなものになっていない場合は、
そのもたれ掛かっているモノを自然に手放してみるのもいいと思います。
そのアプローチは、決して捨てよう捨てようと思ってするものではなく、
「もういらないから、捨てていいか」という穏やかなものです。
イメージで言うと、海で溺れそうだから藁(わら)にすがっているとして、
その状態では藁を絶対に手放したくないと思います。
しかし、自分が泳ぎが得意だった、自分は魚だったということに気づいたとき、
その藁は特段いらないものとなるというようなイメージです。
ぜひ、本文を読み進めながら、
「依存」なんて言葉に縛られず、自分を安心させてくれるモノを大事にしていくのか、
目の前のモノに振り回されているのが嫌だから、手放すアプローチをしていくのか、
今のご自身の気持ちに寄り添いながら決めてもらえたらと思います。
どちらがいいということではなく、どちらが自分にとって楽しく幸せかということです。
自分が幸せな方を選んでみてくださいね。
1.「依存」なんて言葉に振り回されなくていい
まず、依存体質な自分を何とかしなければと思っている方に向けて、
別に今のままでいいよということをお伝えしていこうと思います。
その前に少し脱線するのですが、
「依存」という言葉が個人的には好きではありません。
それは「依存」だけに限らず、「メンヘラ」や「愛着障害」などの言葉も同様です。
何というか、その状態を何か異常なものだと決め付けて、
カテゴライズするような、そんな感覚を覚えるんですよね。
別に、その状態が悪いわけでもなく直さなければいけないわけでもなく、
ただの状態だったりするわけです。
人と比べたら、何かがないと不安だったり愛情を欲していたりするだけです。
そこに名前を付けて、「ダメなこと」「直さなければいけないもの」みたいな流れにする言葉というのが好きではありません。
要は、「依存」なんてのは「ただの言葉」だということを覚えておいてください。
それはダメなことだとしなくていいし、直さなくてもいいということです。
(ただ、この記事では便宜的に依存という言葉を使っていきます)
もっと言うと、何かに依存していない人はいません。
成功・成長・家族・健康志向・社会のルール・人からの評価・自分の価値観。
人は様々なものに身を預けながら生きています。
その中で、漠然とした社会の考え方に合わないものに「依存」という言葉を使っているだけです。
だから、そんな形のない「依存」という言葉に振り回されなくていいし、
もちろん、そんな自分を責める必要もありません。
それがあったら安心するのだから、それを持っていたらいいだけの話です。
その安心材料を無理やり引き剥がさないであげてください。
2.依存を手放す大方針
ただ、今、それに固執しすぎてうまくいかなかったり、
いつも、不安と戦っていて幸せではないと感じたりするのであれば、
その安心材料を自然と手放していくのもいいと思います。
冒頭で少し書きましたが、それがなくても自分は大丈夫だということに気づいていくということです。
それがあっても安心、なくても安心。
こんな心の状態になると、その安心材料はあってもなくても良いものになります。
すると、固執しすぎる状態がなくなるし、不安と戦っていなくても良くなります。
要は、いつも自分が心地いいところを選べるのです。
3.依存を手放す具体的なアプローチ
3-1.依存の仕組み
それでは、具体的に依存を手放していくアプローチを説明する前に、
依存の仕組みについて説明していきます。
依存の仕組みは大きく二つに分けることができます。
- ダメな自分や嫌な自分から遠ざかろうとするパターン
- ストレスをいなそうするパターン
例えば、「自分は必要とされていない人」だと自分のことを捉えていたとして、
その必要とされない人が自分にとって受け入れがたい場合、
「必要とされない人を」直視したくないがために、仕事を頑張ったり自分を必要とする彼氏を作ったりします。
ストレスについては、何かで感じたストレスをいなすために、
食べ物を食べたりアルコールを飲んだりします。
このそれぞれのパターンについて、依存から抜ける仕組みを説明していきます。
3-2.ダメな自分や嫌な自分から遠ざかろうとするパターンから抜ける
ダメな自分から遠ざかろうとするパターンから説明していきます。
3-2-1.「自分をどういう人だと認識しているか」を知る
まず、どんな自分を「ダメな自分」や「嫌な自分」として捉えているか洗い出していきます。
以下の質問に答えてみてください。
【質問】
今手元に安心材料があることによって自分はどういう人だと自分のことを思うことができますか?
<安心材料によって得る認識>
- 必要とされる人
- 役に立つ人
- ここにいてもいい人
この答えによって、その依存する対象に何を求めているかがわかるとともに、
自分をどういう人だと認識しているか、ということがわかります。
安心材料によってそれを得たいと思うということは、ありのままの自分はそれがない人間だと思っているということです。
上記例で言うと、ありのままの自分のことを、
- 必要とされない人
- 役にたたない人
- ここにいてはいけない人
と、捉えているということです。
そして、そのありのままの自分から離れたり抜け出したりするために、
彼氏や仕事、誰かへの貢献に依存しているということです。
また、逆に、その安心材料がないと自分はどういう存在だと突きつけられている気がするか考えてみてください。
<安心材料がないことによって突きつけられること>
- 自分には価値がない
- 誰からも必要とされない
- 周りから嫌われている
この質問も同様に自分をどう捉えているかがわかる質問になっています。
ありのままの自分は、この突きつけられている人物像だと感じているということです。
3-2-2.その人物像だと自分のことを捉えているのはなぜかを探ってみる
そして、その人物像だと自分のことを捉えているのはなぜかを考えてみてください。
【質問】
あなたが自分に価値がなく、誰からも必要とされていなくて、嫌われて、
ここにいてはいけない人だと感じるのは、自分に何がないからですか?
自分に何があったら、価値があって周りから好かれると感じますか?
- 魅力や容姿
- 能力(コミュニケーション能力、仕事や勉強の出来)
- 好かれる性格
ここまでで、全てを変えていく材料の洗い出しが終わりました。
3-2-3.自分という人間の捉え直しをする
3-2-1の質問で直視したくない「自分という人間」が見えてきたでしょうか?
あなたは、意識しているか意識していないかは別として自分をそんな風に捉えています。
ですが、先に結論を書いてしまうと、それは勘違いであり思い込みです。
価値がない人、必要とされていない人、嫌われる人、ここにいてはいけない人なんていうのは、
全て勘違いであり、あなたが思い込んでいるだけなのです。
ただ、勘違いではあるのですが、あなたがそうだと思い込んでいる限り、
それは、あなたにとっての真実です。
外から、あなたには価値があると言ったところで、
あなたが自分には価値がないと思っているのであれば、
あなたにとっての真実は、「自分には価値がない」ということになります。
その逆も然りです。
だから、何をしたらいいかと言うと、自分に対する認識や思い込みを変えていけばいいということです。
あなたが自分に価値があると思えば、価値があることがあなたにとって真実だし、
自分は姫だと思えば、姫であることがあなたにとって真実だし、
自分は神だと思えば、それがあなたにとっての真実です。
だから、自分に対する認識を変えていったらいいだけです。
そして、認識を自然に変えていく方法は以下となります。
- 自分がダメだと思っているところを受け入れる
- 自分にダメなところがあることと価値がないなどの人物像とを分離する
- ダメな自分や嫌な人物像の真逆な人だという「ことにする」
1.自分がダメだと思っているところを受け入れる
まず、3-2-2で考えてもらった自分がダメだと思っている部分を受け入れてしまってください。
そこに咎めがあると、3-2-1の人物像と絡めたくなってきます。
そもそも、3-2-2のダメな部分があるから、3-2-1の人物なんだということにはなりません。
例えば、能力がないから自分には価値がないなんてことはありません。
ここを分離しながら、自分がダメだと思っている部分が自分にあることを許してみてください。
できないことがあってもそれでいいし、そこに問題は何もありません。
改善しなければいけないというわけではありません。
できないことはできないでいいし、そういう性格はそういう性格なだけです。
それに対して親や周りはどうこう言ってきたかもしれませんが、
それは、親や周りの人自身がそれを受け入れられていないだけです。
自分のダメだと思うところをそれでもいいやと受け入れてみてください。
自分を受け入れていく具体的な方法は、自己受容を習慣化する方法を参考にしてください。
2.自分にダメなところがあることと価値がないなどの人物像とを分離する
また、そのダメなところがある自分は、
価値がないや必要とされていない、ここにいてはいけないなど、結び付けないでみてくださいね。
それとこれとは全く関係がありません。
3.ダメな自分や嫌な人物像の真逆な人だという「ことにする」
そして、ダメだと思っている部分を受け入れてきたら、
ダメな自分や嫌な人物像の真逆な人だ「ということ」にしてみてください。
- 嫌われる人だと思っているのなら、好かれる人だということにする
- 必要とされていない人だと思っているのなら、みんなから必要とされている人ということにする
- ここにいちゃいけない人だと思っているのなら、ここにいてほしいと思われている人ということにする
「ということにする」ことで、その証拠というか確認材料が目につくようになっていきます。
まずは、「ということにする」という仮決めをあなたの中でしてみてください。
すると、自分はダメなところがあってもいいし、
それでもなお、好かれる人物だし、必要とされているし、価値があるということに気づいてきます。
その状態になると、嫌われる人や必要とされない人、価値がない人を埋める何かや補う何かが不要になるのです。
依存を無理なんとかしようとするのではなく、
依存の奥にある仕組みへとアプローチすることによって、依存の対象があってもいいしなくてもいいという状態になります。
あとは、その時の気分でそれを選んでもいいし選ばなくてもいいし、好きにしてもらえたらと思います。
依存してはいけないと強く思うと、依存しないことに依存しているみたいな変な状態となります。
自分の幸せを考えるのであれば、選んでもいいし選ばなくてもいいという状態の方が、フラットだし自然です。
ぜひ、そんな自由を選べるように自分への認識を変えてみてください。
あなたは何がなくても、大事な存在だし必要とされているし、もちろんそこにいていい人です。
3-3.ストレスをいなそうするパターンから抜ける
3-3-1.依存を大いに楽しむ
次に、ストレスをいなそうとして何かに頼っているパターンです。
ストレスをいなそうとしている場合は、よりその頼っている”何か”を意識的にやめようとしないでください。
活火山のエネルギーが溜まっていて、今その”何か”によって、定期的にエネルギーを放出している状態です。
これを放出しちゃダメだと出口を閉じると、エネルギーに圧がかかりどこかで大きく爆発します。
ストレスを逃がすことを無理に辞めることで余計にストレスがかかってしまうということです。
だから、そのはけ口が何であれ、それをしていいと自分に対して許してあげてください。
「これはいけないことなんだけどな」と思いながらしても、そこまで心地良くありません。
食べ物を食べるにしてもお酒を飲むにしてもセックスするにしても、
罪悪感や咎めの気持ちを感じるのではなく、その時の楽しさや喜びを目一杯感じてみてください。
3-3-2.ストレスをいなすための依存から抜け出す方法
先ほどの話もそうですが、アプローチするのは目の前の依存ではなくその奥にある本丸です。
ここからは、依存の奥にあるストレス源へのアプローチについて説明していきます。
まず、ストレスとは何かというと「我慢」です。
人は我慢しなければ、ストレスなんて溜まりません。
だから、方向性としては自分がしている我慢を一つ一つ辞めていくということになります。
ただ、我慢を辞めると聞いたときに、それをすることの怖さやためらいを感じたかもしれません。
それほど、我々は自分に対して我慢を当たり前に強いているということです。
では、なぜ我々がそんなに我慢しているのでしょうか。
それは、私たちには”当たり前に思っていること”が存在しているからです。
- 人に嫌な気分をさせてはいけない
- 人に迷惑をかけてはいけない
- 人に批判されてはいけない
- 言われた通りにしなければいけない、わがままを言ってはいけない
- 自分だけ得をしてはいけない
- 周りと足並みを揃えなくてはいけない
この「当たり前」を優先するために、自分のやりたいことをやらなかったり、
自分のやりたくないことをやっていたりするのです。
しかし、自由に幸せに生きたいのであれば、
この「当たり前」と自分の気持ちの優先順位を変えてみることをオススメします。
今、自分の気持ちより「当たり前」を優先することが当然になっています。
これを、自分の気持ちの方を優先していくのです。
波風がたっても人に迷惑がかかっても、わがままであろうと、
自分がやりたいならやりたいでいいし、やりたくなければやりたくないでいいのです。
その上で、人とぶつかることや人に嫌われることを受け入れてみてください。
あなたが懲りずに、そのスタンスを続けて行くと近いうちに「あなたはそういう人」と思われるようになります。
周りに気を遣う人から、周りから気を遣われる人や大事に思われる人になります。
こう書くと、腫れ物みたいに感じるかもしれませんが、あなたが思っているより、周りの人は優しいし器量があります。
それを見くびって、これ以上は迷惑をかけられない、あの人も嫌なはずだと
たかをくくっているのは自分だけということが往々にしてあるのです。
ぶつかる前に我慢して自分の思いを閉じ込めてしまうのではなく、
ぶつかってでも自分の気持ちを伝えたり、行動してみてください。
自分が必要以上に我慢してきたことがわかるし、誰もそこまで強要していないことに気づきます。
嫌なものは嫌でいいし、好きなものは好きでいいのです。
そうやって、他人やこの世界、そして自分に対する認識が変わっていくことで、
我慢が必要なかったことを実感するとともに、ストレスが自然となくなっていきます。
いつもしないことをしてみるというのは勇気がいることですが、ぜひ、そこは頑張ってチャレンジしてみてください。
ストレスがなくなることでそのはけ口も必要でなくなり、
いつの間にかストレスのはけ口に依存していない自分に気づいているはずです。
また、我慢について詳しく書いている我慢してるのにうまくいかない理由と解決策も参考にしてみてください。
4.まとめ
今回は、依存体質をテーマに、
依存に対する捉え方と依存を自然と手放す方法についてパターンごとに説明しました。
要は、依存という表現で邪魔者扱いしても、それが必要だから無意識にそこに手が伸びるわけです。
溺れそうだから藁につかまりたいのにその藁を自分から手放してしまったら、それは余計不安になります。
ストレスのはけ口を自ら絶ってしまったら、それは余計にストレスになります。
必要なのだから、それをすることをまず許してあげてください。
そして、もし、その状態が幸せではなくもうやめたいなと感じるのであれば、
目の前の安心材料を自分から取り上げてしまうのでなく、
その奥にある本当の原因の方へアプローチしてみてください。
シンプルな話、必要だから欲するわけで、いらなくなったらどうでも良くなります。
ぜひ、仕組みを理解した上で、自分に対して無理強いをするのではなく、
自分が心地よい流れに自然と持っていってもらえたらと思います。
依存というテーマは、満たされない気持ちや虚無感ともリンクするところがあるので、
満たされない理由と虚無感を生む「心の穴」の埋め方も読んでみてくださいね。