仕事や人間関係に疲弊する時、自分を大切にできていないことに気づくことがありますよね。
逆に、自分を大切にできているととても心が満たされて周りから大事に扱われるようになります。
この記事では、自分を大切にすることとは何なのか、どうしたら自分を大切にしていくことができるのかについて話をしていきます。
ぜひ、自分を大切にしながら毎日清々しい気分で過ごしてもらえたらと思います。
1.なぜ自分を大切にすることが重要なのか
自分を大切にする方法を説明する前に、そもそもなぜ自分を大切にすることが重要なのかについて話をしていきます。
1-1.自分責めが終わる
私は心理カウンセラーという仕事柄、たくさんの人の悩みを聞くのですが、相談される方の多くは自分を責めていることが多いです。
この自分を責めるという行為は想像以上に自分の幸せ度を下げます。
四六時中、自分の一挙手一投足を見張っている監視員がいて、ルールから少しでもはみ出すたびに否定してくるようなイメージです。
逆に、自分を責めることさえなくなればとても自由に気分よく生きていくことができます。
私のクライアントの方も、「ただ生きてるだけで温泉つかってるみたいにほっこり幸せ」と言うくらい世界は変わります。
そして、自分責めを終わらせることは自分を大切にすることによって実現できます。
1-2.辛い環境から離れられる
また、自分を大切にすることによって辛い環境から離れていくことができます。
自分をぞんざいに扱っていると、辛いことや嫌なこと、理不尽なことに対してどんどん鈍感になっていきます。
「それぐらいがちょうどいい」という感覚になっていくんですよね。
そうなると、辛くて苦しいんだけどそこから離れようという発想がどんどんなくなっていきます。
「そういうもん」「私が悪い」「私が我慢すればいい」と自己説得し始めます。
この自己説得はとても怖いことです。
逆に、自分を大切にすることで、その辛い環境や理不尽な環境に違和感を持つことができます。
すると、「そこから離れよう」「そこにいる必要はない」と感じることができ離れていくことができます。
1-3.周りから大事にされる
また、自分を大切にすると周りから大事にされます。
少しイメージしてほしいのですが、自分がペンを持っていて、そのペンを自分が「なんか書きづらいし買い替えたいんだよね」とあなたが言うと周りの人は「そんなに大切なペンじゃないんだ」と認識しそれなりの扱いをします。
逆に、あなたが「このペンは大事な人にもらった世界で一本だけのペンなんだよね」と言うと周りも「そんな大切なペンなんだな」と認識し相手もそのペンを大事に扱います。
このペンが自分自身だという言うことです。
自分を大切にすると相手もあなたのことを大切にしようと感じ、自分をぞんざいに扱うと相手もあなたのことをぞんざいに扱っていいと無意識レベルで感じるようになります。
以上の理由から自分を大切に扱ったらいいのですが、こう見てくると自分を大切に扱うことがすべてだと思ってもらえるのではないでしょうか。
実は、自分を大切にする以上に大事なことはないのです。
ぜひ、このことを忘れずに覚えておいてください。
2.自分を大切にするとは何か
2-1.自分の気持ちを優先させる
と、ここまで自分を大切にする必要性を話してきましたが、そもそも自分を大切にするとは一体どういうことなのかという話をここでしていきます。
一言で言うと、自分を大切にするとは「自分の気持ちを優先させていく」と言うことです。
私たちは今に至るまでに様々な経験をし、そこから「こうしたら怒られない」「こうしたら波風が立たない」などうまくやっていく処世術を身に着けていきます。
それは自分が怒られたり嫌われたりすることを避け自分を守るために身に着けていくものです。
しかし、いつからかうまくやるという処世術の優先度がとても高くなり、自分の気持ちが後回しになっていくのです。
すると、「波風は立たないんだけど自分が犠牲になっている」という状況になります。
この状況こそが「自分を大切にしていない」と言うことなのです。
表現を変えると「うまくやることに傾き過ぎている」と言い変えることができます。
このうまくやることに偏ったものを「自分の気持ち」に寄せていくことが自分を大切にすることです。
そもそも、処世術は本来、自分が嫌な気持ちにならないため、ひいては自分を守るために身に着けてきたものです。
それが行き過ぎて今自分を守れていない状況になっています。
なので、このバランスを変えていくことが必要になっているのです。
2-2.「自分の気持ち」の注意点
ただ、「自分の気持ちを優先にする」と言っても注意点があります。
それは、承認欲求や愛されたいというのはここで言う「自分の気持ち」には含めないということです。
確かに、認められたいという気持ちも愛されたいという気持ちも紛れなく自分の気持ちなのですが、認められるためにできるように頑張ったり愛されるためにいい人でいたりするとそれは結局他人が中心になって自分を大切にすることにはつながらないからです。
つまり、他人から何かが欲しいという欲求は「自分の気持ち」に含めず、自発的なこれがしたい、したくない、好き嫌いの気持ちを「自分の気持ち」と言います。
ここをごちゃ混ぜにしてしまうと、自分を大切にしようとアクションしているのに結果的に自分をないがしろにしてしまうことにつなるので注意してください。
また、少し脱線しますが、認められたい愛されたいといった他人から欲しいものは他人からもらうことでは解決しません。
実際に他人から認められようが愛されようがもっともっとと求めて際限がなく、求める度合いも強くなっていくためいつも「認められていない」「愛されていない」と言った不満や怒りを感じることになります。
認められたい愛されたいと感じる時、実は自分が自分を認めていないし愛していないということです。
だから、自分が自分を認め、愛することでその悩みは終わります。
詳しくは、承認欲求の仕組み!満たされない承認欲求はこうやって消える(リンク)にまとめているので気になった方は見てみてください。
3.自分を大切にする方法
上記の通り、自分を大切にするとは自分の気持ちを優先していくということですが、具体的に何をしていったらいいのかについて話をしていきます。
3-1.自分の気持ちを見つける
まず必要になるのが、自分の気持ちを見つけるということです。
先ほども触れた通り、自発的な「やりたい」「やりたくない」「好き」「嫌い」の気持ちを見つけていきます。
そして、ポイントになるのは、その気持ちを見つけるのは大きな出来事ではなく小さな出来事からやっていくということがポイントになります。
例えば、「自分のやりたい仕事は何だろう」と自分の進路という大きなトピックを扱うのではなく、「お昼何を食べたいかな」「こういうこと言われると嫌なんだよな」など、日ごろの些細な出来事から自分の気持ちを見つける練習をしてみてください。
この練習によって段々と自分の気持ちが見えてくるようになるので、最初は特に練習だと思って自分の気持ちを探す癖を付けていってもらえたらと思います。
3-2.自分の気持ちを採用する
そして、自分の気持ちを見つけたら今度はその気持ちを採用してみてください。
採用するというのは、その気持ちに沿った言動をしてみるということです。
お昼にトンカツが食べたかったら、トンカツを食べに行く。
もし、トンカツを食べに行けなくても、トンカツ食べたいと周りの人に話してみる。
人間関係でもそうですよね、自分が嫌だなと思う人間関係があるならなるべく近づかなくていいし、もし言われて嫌なことがあるならそれを言わないでほしいと相手に伝える。
そうやって自分の気持ちを自分が採用してあげることで、やっと自分が分かってくれた安心感や頼もしさ、嬉しさを感じます。
それによってどんどん自己肯定感は高まるし、どんどん自分は自分でいいんだという感覚が広がってきます。
最初は心理的なハードルが低い所からで大丈夫なので、実践してみてください。
3-3.気持ちを採用できた自分を褒める
最後は、自分の気持ちを採用できた自分を褒めていきます。
褒めることで自分を大切にすることが当たり前になっていきます。
例えば、自分の気持ちを採用してトンカツが食べたいと言ったときに、「トンカツは昼から重たいから、お昼はパスタにしよう」と言われて自分の意見が通らないこともあるでしょう。
その時、「やっぱり自分の気持ちは大事にされないんだ、言わなきゃよかった」と完結させるのではなく、トンカツが食べたいと言えた自分を大いに褒めてあげるということです。
今までのパターンを変えると言うことは、とても怖いことだし勇気がいることです。
その怖さに立ち向かって勇気を出すということはとてつもなくすごいことをしてるんですよね。
それは、今どんな大きな結果を出している人より変化を選ぶことの方がパワーがいるしすごいをしているということです。
なので、そんな自分を無条件に褒めてもらえたらと思います。
私はもう20年近くずっと決めていることがあって、「もし自分が勇気を出したならその結果がどうであれ自分を褒める」と言うことです。
勇気を出した自分を無条件で褒めて、自分を大切にすることを当たり前にしてしまってください。
4.自分を大切にするとわがままになるのでは
以上が自分を大切にする具体的な方法になります。
しかし、自分を大切にすることを実践する上で心理的なブレーキも生まれるのではないでしょうか。
私がカウンセリングをする現場でよく「自分を大切にするとわがままになってしまうのではないか?」という質問をもらいます。
この質問について回答していきますね。
わがままなのか自分を大切にしているのかを区別する時に、「相手の行動を強制しようとしているか」という基準を持ってもらえたらその違いがすぐに分かります。
わがままとは相手にこうしてほしいと要望しそれが通らないことを許さないという状況です。
例えば、「旅行に連れて行って」と相手に言ったとして、相手が渋ったとする、その時に拗ねたり相手を否定したり説得して無理やりにでも連れていってもらおうとするのがわがままです。
逆に、「旅行に連れて行って」と相手に伝えることは自分の意思表示であり自分を大切にすることです。
そして、その結果連れて行ってくれなくても、まぁそれは相手の意思だからということです。
つまり、管轄の話になってきますよね。
自分は自分のことを決める自由があり、相手には相手のことを決める自由があります。
その人があなたを旅行に連れていくかどうかは相手の自由です。
逆に、旅行に連れて行ってほしいという意思表示をするかどうかは自分の自由です。
しかし、旅行に連れていくことを相手に強制することは、相手の自由を侵害していることですよね。
こう見てくると、違いが明確ですよね。
では、「みんなは我慢してママ友付き合いをしているけど、その付き合うから抜けることはわがままなのか」
「PTAを依頼されたけどそれを断ることはわがままなのか」
「みんなはまだ働いているけどいつも定時で帰ることはわがままなのか」
全部、自分のことなのでわがままじゃないですよね。
自分のことは自分で決めたらいいし、自分を守ることは当たり前のことです。
この世に自分の身を守らない生物は存在しません。
ぜひ、自分の気持ちを大切にしていってもらえたらと思います。
それによって誰かが困ってもそれはその人の管轄であり、その時にどう決めるかはその人の自由です。
人の責任や管轄まであなたが配慮する必要はありません。
5.まとめ
今回は、自分を大切にするという話をしました。
自分を大切にすると、自己肯定感が上がり自分を責めなくなるし、自分の心地よいものを選んでいくことができます。
また、他人からも大切に扱われる機会が増えていきます。
ぜひ、自分を大切にして満たされた気持ちで毎日を過ごしてもらえたらと思います。
心の平穏を広げる方法に本記事とは別の自分の大切に仕方をまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
とても強力な方法になっています。