今までは前向きにできていたことが突然できなくなった。
気力が湧いてこないし、気持ちが落ち込んでいる。
好きだったことも今では興味がなくなっている。
「何もしたくない」
今まで何でもなかったのに、
突然、「何もしたくない」という気持ちが湧いてくると何かの病気なのではと不安になるかもしれません。
そして、インターネットで調べてみても、うつ病、心の病、脳の病気と不安を煽る情報ばかりなのではないでしょうか。
個人的に、すぐに病気と結びつけ「それは問題だ」とする見方が好きではありません。
もちろん、医療機関で病気と診断してもらうことによって、今の状況を変えやすくなることや気持ちが救われることもあると思います。
しかし、問題ではないことを問題にしなくてもいいのです。
「何もしたくない」というのはただの感情です。
その感情を問題視しなくていいし、「何もしたくない」と感じるに至る「考え方の偏り」があるだけなのです。
本文では、「何もしたくない」という気持ちとの付き合い方と、考え方の偏りをフラットにする方法について説明しています。
ぜひ、「何もしたくない」という気持ちから派生する焦りやモヤモヤ感を晴らしてみてください。
そして、実践する中で、自然とやりたいことを楽しんでいる自分に気づけると思います。
1.「何もしたくない」感情があってもいい
まず、「何もしたくない」と感じた時に無理にやる気を出そうとしないでください。
感情はコントロールする必要はないし、コントロールすることもできません。
例えば、不安や怒りなど感じたくない感情を感じないようにコントロールしようとした場合、
不安や怒りだけではなく、喜び、楽しみという別の感情も感じなくなってしまいます。
つまり、一部の感情だけ操作することは不可能なのです。
感情との付き合い方は、「どんな感情も否定しない」です。
不安や怒りのような感じたくない感情も、「何もしたくない」という感情も否定せず感じてみてください。
「あぁ、今、何もしたくないと感じているんだなぁ」と感じる。
ただ、それだけでいいのです。
2.なぜやる気が出ないのか
次に、なぜやる気が出ないのかについて説明します。
2-1.そもそもやりたくないことだから
一つ目の理由は、「やろうとしていることがそもそもやりたいことではないから」です。
「これはやらなければいけない」
今までそう考えて、やるべきことをやってきたかもしれません。
しかし、少し考えてみてください。
それは自分がやりたいことなのかどうか。
「やりたいこと」のように思っていても、やらないことが怖くて「やりたいこと」にしていることも多いです。
実は、心が望むような「やりたいこと」ではないのかもしれません。
もしかしたら、今、やりたくないことに囲まれているのかもしれません。
2-2.やらなくていいことに力を使いすぎているから
二つ目の理由は、「やりたいことをする前にやらなくていいことをやって疲れきっているから」です。
そして、やらなくていいこととはやりたくないことです。
やりたいこと、楽しいこと、興味があることは、気がつくと自然とやっています。
その「自然とやる」が湧き上がってこないということは、他のことで力を使って疲れきっているということです。
少し脱線しますが、「時間がない」というのはやらなくていいことに時間を使っているということです。
それと同じで、「力が沸かない」というのもやらなくていいことに力を使っているのです。
3.自然と気力が湧くようになるには
では、どうしたら自然と気力が湧いてくるようになるのでしょうか。
それは「やりたくないことを辞める」です。
少し想像して欲しいのですが、
やりたくないことをやっているのは我々人間の大人だけなのではないでしょうか?
他の動物や赤ちゃんは本能に従って、力いっぱい生きています。
「やりたくないことをやっている」というのは不自然なことなのです。
その我慢をやめれば、自然に活力は湧いてきます。
では、あなたが我慢してやっていることは何でしょうか?
- 仕事
- ご機嫌取り、おべっか
- 愛想笑い
- 家事、育児
- 楽しくもない人付き合い
- 気遣い
そのやりたくないのにやっていることをやめてみます。
すると、自然と活力が湧いてきます。
4.やりたくないことを辞めることに抵抗がある場合は
しかし、そうは言ってもやりたくないことを辞めるのは抵抗があるのではないでしょうか?
ここでは、やりたくないことを辞める心理的なブレーキを外していきます。
4-1.怖さを見つける
何かをするときに、心理的な抵抗を感じるのはその裏に怖さがあるからです。
やりたくないことを辞めるときも同様に怖さを感じているということです。
では、その怖さとは何でしょうか?
やりたくないことをやめた時に、どんな怖いことが起こりそうか考えてみてください。
- そんなことではダメだと怒られる
- 周りの人全員から嫌われる
- 収入がなくなり飢える
この起こりそうなことは妄想です。
起こり「そう」ということは、まだ起こっておらず頭の中で繰り広げられているのです。
そして、この妄想は、昔そう言われたことやたまたま起きた出来ごとによって作られます。
つまり、誰かの一言や「たまたま」という偶然によって妄想をし、自分を縛っているということです。
ぜひ、その起こりそうなことを疑ってみてください。
そして、その妄想を解く一番の方法は実際にやってみるということです。
卵が先か鶏が先かという話になってしまいますが、
実際にやってみることで怖がっていたことは妄想だと気づくのです。
4-2.自分に対して許可を出す
やりたくないことを辞める、怠ける、何もしない。
そんなことは許されないと感じるかもしれませんが、実は許されているのです。
現にそうしてゆるゆると楽しそうに生きている人がいます。
つまり、「周りが許していない」のではなく「自分が許していない」だけなのです。
- こんな自分が我慢しなくていいはずがない
- ダメな自分は頑張らないといけない
- 迷惑をかける自分は人のために何かしなくてはいけない
「自分が何もしない」ことに許可を出してみてください。
そして、「こんな自分」「ダメな自分」「迷惑をかける自分」にも許可を出してみてください。
そんな自分でもいいし、誰もダメだなんて言っていないのです。
そして、こんな自分、ダメな自分、迷惑をかける自分でも素晴らしいのです。
ぜひ、「やらないこと」を自分に許し、「ダメな自分」に許可を出してみてください。
すると、素晴らしい自分を許せるようになります。
5.やりたいことが見つからないのは
いかがだったでしょうか。
「何もしたくない」気持ちの裏にある「考え方の偏り」に気づいてもらえましたか?
ぜひ、自分がやらなくていいこと、やりたくないことを勇気を持って辞めてみてください。
そして、自分がやりたいことをやってみてください。
やりたいことがないという場合は、それを探すことから始めてみてください。
探すポイントは、生産的なことでなくてもいいということです。
「やりたいこと」というと、無意識に「収入につながること」と思う傾向が我々にはあります。
収入にならなくても、非生産的なことでもいいのです。
散歩をする、好きな洋服を買う、料理をする、漫画を読む、旅行する。
そんな自分の心が喜ぶことをしてみてください。
6.まとめ
今回は、「何もしたくない」という気持ちを作り出す考え方の偏りについて説明しました。
「何もしたくない」のは、本来しなくていいことを「やらなければいけない」と思い込んで頑張っているということです。
もしくは、頑張れない自分を自分で責めているということです。
その強く握り締めた力を緩めていってください。
すると、活力は自然と湧いてきます。
冒頭でも書いたとおり、それをわざわざ病気にしなくていいし、難しく複雑な問題だなんて思う必要はないのです。
「何もしたくない」気持ちを大事にして、ぜひ何もしないでみてください。
いらないものを削ぎ落としてみてくださいね。
あとは「勇気」。
私も勇気が出ないときもありますが、そんな自分も嫌わず、一緒に勇気を出して行きましょう。
生きる苦しさの正体、自縄自縛を辞める方法も、息苦しさを別の角度から紐解いているので参考にしてみてください。