執着を手放せない2つの理由と執着を捨てる方法

もうこれ以上頑張れないのに、休むことができない。
今の自分はダメだから、絶対に成長しなければならない。
あの人を恨んでいることは辛いのに、やめることができない。

「執着を手放せない」

生きていく上で、こだわりがあることはとても素晴らしいことだと思います。
自分の納得感につながり人生に充実感を得られるのではないでしょうか?

しかし、何かを手放せなくなっている状態は、こだわりではなく執着してしまっています。
そして、執着すると、そこから苦しさや不満が生まれます。

実は、悩みや苦しさというものは、この執着から生まれています。

「こうしなければいけない」
「こうであるべき」

という執着が、それ以外の出来ごとを全て問題にして悩んでいるということです。
だから、執着を一つづつ捨てていけば、より軽くより自由により楽しく生きられるということです。

とは言っても、今までずっと手放せずに何とかしようと思ってきたことなので、
執着をすぐに捨てることに抵抗があるのではないでしょうか?

この記事では、執着を捨てられない理由を明確にしたあとに、執着を捨てる上でのブレーキを外していきます。

今、あなたが抱えている悩みは何でしょうか?
それは、どんな執着を握りしめているから生じているものでしょうか?

ぜひ、その握り締めた手を緩め、悩みから解放されてしまってください。
悩みは思っている以上に簡単に手放すことができるのです。

1.執着を捨てられない理由

まず、執着を捨てられない理由から説明します。

1-1.わかってほしい気持ちがあるから

一つ目の理由は、執着の裏に「わかってほしい気持ち」があるからです。

「ひどいことをされて許せない」という執着には悲しい気持ちや傷ついた気持ちが、
「頑張って成長しなければ」という執着には「自分はダメな人だ」などの気持ちが、
罪悪感という執着には「自分はひどいヤツなんだ」という気持ちがこびりついていることがあります。

二つ目や三つ目に関して、
「ダメな人」や「ひどい人」だということをわかってほしいのかと、疑問に思う方もいるかもしれませんが、
人は、自分がホントはひどい人であることをわかってほしいと思っていることがあるのです。

この「わかって欲しい気持ち」を無視したまま、執着を捨てようとしてもなかなかうまくいきません。
これが、執着を捨てられない理由の一つ目です。

1-2.損をしたくないから

二つ目の理由は、損をしたくないからです。
この損には、様々な損が含まれます。

執着を手放した先に怖いことが起こりそうだという損や、
許したくない相手を許すという悔しさを収めるという損、
負けたくないのに負けを認めるという損、
そして、今までやってきたことが執着を捨てることで無駄になりそうという損など。

こういった損を被りたくないために、執着を捨てずに握りしめているのです。

2.どうしたら執着を捨てられるのか

では、どうしたら執着を捨てられるのでしょうか?
上記それぞれの理由に沿って説明していきます。

2-1.わかってほしい気持ちがある

上記でわかってほしい気持ちがあると書きましたが、「わかってほしい」相手は実は「自分」です。
つまり、自分でも気づいていない気持ちを自分にわかってほしいのです。

逆に、今までの執着の中で気づいて欲しかった気持ちに自分が気づくだけで、執着を手放すことができます。

今握りしめている執着は、一体あなたに何をわかってほしいと訴えているのでしょうか?
一度、考えてみてください。
「何をわかって欲しかったのか」について、この辺りではないかアタリを以下に記載しておきます。

  • 傷ついた気持ち、悲しかった気持ち
  • 寂しかった気持ち
  • 大事にしてほしかった気持ち
  • ちゃんと話を聞いて欲しかった
  • 自分はダメな人だ
  • 自分はできない人だ
  • 自分には罪がある、罪人だ
  • 自分には価値がない
  • 自分はここにいちゃいけない
  • 自分は愛されない存在だ

この気づいてほしい気持ちがあらわになると傷つき落ち込むため、
気づいてほしい気持ちと逆行する方向に進もうと執着しているのです。

ですので、一度、一番見たくない自分の底の部分に目を向け、認めてしまってください。
「自分は自分のことをこう思っていたのか」そう気づくだけで、見える世界が一気に変わります。

また、「自分は素晴らしい人であること」や「自分のことが好きである気持ち」にも気づいてほしいはずです。
自分は素晴らしい人で自分のことが好きだから、否定されたら傷つくし大事にされなかったら悲しいのです。

自分は素晴らしいという気持ちや自分のことが好きな気持ちがわからないときは、
もしかしたら、否定されたときの痛みを緩和するために麻痺させてしまったのかもしれません。
ぜひ、「自分は素晴らしい」「自分のことが好きだ」という気持ちを思い出してみてくださいね。

2-2.損をしたくない

次に、損したくないという気持ちに関してですが、これに関してはもう損してください。

  • 起こりそうな怖いことが起きてもいい
  • 許す時の悔しさを唇を噛み締めながら飲み込む
  • 負けたくない相手に涙を飲んで白旗をあげる
  • 今までやってきたことが無駄だったということにしてしまう

そんな損をしたくないと思いますが、
損を引き受けない限り、今の執着ひいては今の悩みをずっと抱えることになります。

怖いから苦しい現状にとどまる、許したくないから犠牲者のままでいる、負けたくないから誰の助けも借りない。
私はこの世で最も大事なものは納得感だと思っているので、
もし、それでいいと思うのであれば、その気持ちを貫いてもらったらいいと思います。

しかし、その目の前の損と執着を捨てたときに広がる世界とどちらがよいのかと考えたら、
損をしてでも執着を捨てた方が、幸せで満たされた日々が送れることは間違いないことを覚えておいてください。

ぜひ、損を引き受けてみてくださいね。
そんなに得をしようとしなくても世界は優しいし、そんなに自分を守ろうとしなくても守られていますよ。

3.自分の中の質問を変える

また、自分に対して行っている質問も変えてみてください。

執着している時の質問は、「どうしたらいいか?」「どうすればいいか?」というものです。
この質問は、正誤善悪を問う質問になっています。
正しいこと、良いことに執着している状態になっているのかもしれません。

この質問を「どうしたら楽しいかな?」というものに変えてみてください。
「今のこの状態をどうこうするには」ではなく、「今のこの状態で楽しむには?」にするということです。

自分に対する質問を変えるだけで、答えが自ずと変わっていきます。
すると、楽に楽しくなる答えが返ってくるのです。

4.気づいていない執着を見つける

ここまでで執着を捨てる方法について説明してきました。
しかし、私たちは自分で気づいている執着以上に、自覚していない執着が存在します。
ここでは、気づいていない執着を見つける方法を紹介します。

自分で気づいていない執着を見つけるには、他人を見てみてください。
他人を見たときに感じるイラっとした気持ちや苦手な気持ちから自分の執着を見つけることができます。

  • 自由奔放の人を見てイラっとするということは、人に合わさなければならないという執着があるのかもしれません
  • 自信満々な人が苦手だということは、自分に自信を持ってはいけないと執着しているのかもしれません
  • 頑張っていない人を見て嫌な気分になるということは、頑張ることに執着しているのかもしれません

他人をみた時の心の動きから、自分の執着を見つけて執着を捨てていってみてください。

とは言っても、「これは執着だ」と躍起になって執着を捨てることに「執着」しないでくださいね。
自分が日々心穏やかに過ごしているのであれば、「執着」を捨てる必要なんてありません。
理由のわからない息苦しさを感じているときは、自分でも気づいていない執着に目を向けてみてください。

執着は手放してもいいし、執着しててもいいということです。

5.まとめ

今回は、執着を手放せない理由と執着の手放し方について説明しました。

執着を捨てようと思ってもなかなか手放せないのは、執着の裏に執着を捨てたくない感情が張り付いているからです。
ぜひ、執着に張り付いている感情に目を向けて、受け入れてしまってください。
悩みが簡単に剥がれ落ちていきます。

また、それでも悩みが終わらないという場合は、悩むことに執着しているのかもしれません。
悩むことで何をわかってほしいのか、悩みを終わらせるとどんな不都合があるのか考えてみてください。
悩みは今この場で終わらせてしまってもいいのです。

自分を縛ることを辞めるという意味で、生きる苦しさの正体、自縄自縛を辞める方法も読んでみてください。