これを言うと空気読めないやつだと思われないかな。
こんなことを考えているのは自分だけかもしれない。
自分の考えに自信がないから発言できない。
「言いたいことが言えない」
今回のテーマは「言いたいことが言えない」です。
自分を表現しやすい時代ですが、逆に自分を表現しにくい時代でもありますよね。
自分の一言が悪意に取られて独り歩きしたり、情報が多い分、自分の間違いや至らない点を探し出しやすかったり。
そして、時代に関係なく言いたいことを言ったら人に嫌われないか、バカにされないかが気になるかもしれません。
しかし、それでも「言いたいことは言う」に限ります。
言いたいことを言うことで、「自分は自分でよかったんだ」という感覚が広がっていきます。
この感覚を持っているかいないかで人生をどれだけ楽しめるかが変わってくる程、大事な感覚です。
ぜひ、言いたいことを言いながら気持ちよく自分を肯定していってもらえたらと思います。
本文では、「言いたいことを言うことでどう世界が変わっていくのか」について触れながら、言いたいことを言うことを後押しさせてもらおうと思います。
1.言いたいことを言わないと
言いたいことを言う、言いたいことを言わない。
大した違いに感じるかもしれませんが、とてつもなく大きな違いが生まれます。
ここでは言いたいことを言わないとどんなことが起こるのかを説明しながら、言いたいことを言うことの後押しをしていこうと思います。
1-1.心がしぼむ・自信のなさ
まず、一つ目が心がしぼんで自分は自分でいいのかと悶々とした気持ちになり自信のなさにつながります。
言いたいことを言うともしかしたら相手から否定をされるかもしれません。
しかし、言いたいこと言うという行為はそのまま自分への肯定となっていることを覚えておいてください。
隠しておくことはそれ自体を否定していることであり、表現することやさらすことはそれを肯定することです。
よく自信がないからと自分に優しい言葉をかけて自分に自信を付けようという言葉を見かけますが、いくら自分に優しい言葉をかけても自信は身につきません。
そうやって自分にかけている言葉よりも自分が思っていることを表現するか否かという「実際に自分を肯定しているか否定しているか」が大事になのです。
言いたいことを言わないということは自分を否定しているということです。
この自分の自分への否定が自己肯定感を育まず、自信をなくしていくことにつながっていきます。
1-2.相手の気持ちを邪推する
人は、自分がしていることを他人もすると無意識に捉えています。
専門用語を使うと、相手に”自分”を投影しています。
もし、自分の言いたいことを言わないとすると、きっと相手も言いたいことを言っていないだろうと無意識に思い込みます。
そして、無駄な推測をして気を使ったり先回りして相手のことをおもんぱかります。
相手のことを考えることはとても素敵なことですが、いつも相手のことを想像して自分の気を揉むのはとても自分のパワーを消費します。
「相手が何を考えているか分からない」と相談をもらいますが、相手が何を考えているかわかる人はいないと思います。
それでも、相手が何を考えているか不安になるのは、自分の言いたいことを言っていないから「きっとこんなことを考えているんだろう」という思考が頭の中でグルグル回っているということです。
1-3.自分の気持ちがわからなくなる
最後に、言いたいことを言わないと自分の気持ちもわからなくなるといことを覚えておいてください。
脳みそは無駄を省くようにできています。
例えば、自分の気持ちが湧いてきてもそれを表現しなかったり押さえ込もうとすると、自分の気持ちは脳みそにとって無駄なことだと判断され、だんだん自分の気持ちが見つからなくなっていきます。
やりたいことが見つからないというのも同じです。
やりたいと思ってもいつも採用されないと、どうせ採用されない無駄なことを見つけてもしょうがないと判断され、いずれやりたいことが分からなくなっていくのです。
2.言いたいことを言おう
だから、言いたいことを言うと上記で説明した逆のことが起こっていきます。
自分の心が膨らみ自信が芽生え、相手にそこまで左右されず、自分のやりたいことややらなくていいことが分かっていきます。
これはとても豊かなことです。
人は、自分の幸せを考えたときに状況を整えようとします。
成功したりお金の心配をしないようにしようとしたり人間関係を良くしたり、と。
しかし、幸せは状況によって得られるものではありません。
もし、幸せが状況によって決まるのであれば、今日食べる物がないかもしれないアフリカの子どもの方が幸福度が高い説明がつきません。
幸せとは感じ方です。
しかし、安直に「幸せを感じよう」とすることで感じられるようになるものではありません。
「感じよう」と思った時点で「感じてない」ですからね。
自然と幸せを感じられるようになることがポイントになります。
そして、自然と幸せを感じられるようになる前提として「自分は自分でいいんだ」という感覚が必要となります。
言いたいことを言うとは、この「自分は自分でいいんだ」という感覚を育てるということです。
先ほど「隠すことは自分への否定、表現することは自分への肯定」と言いましたが、この表現することでの肯定を自分に与えてあげて「自分は自分でいいんだ」という感覚を広げていくことが何よりも大事です。
「自分は自分でいい」という実感が湧いてきたらとても自分が頼もしく、この世界の色を存分に楽しむことができます。
3.言いたいことが言えない状態を克服する方法
ここまででどうでしょう?
言いたいことを言うことの重要性をわかってもらえたでしょうか?
ここからは、言いたいことを言うにはどうしていったらいいかということを説明していきます。
ですが、言いたいことを言うのに何かとても簡単な方法があるわけではなく「慣れ」です。
今は言ってはいけないことだらけだと感じていて、ほんの少し勇気を出して今の言っていいことの幅を少しだけ広げてみる。
幅を広げても大丈夫だということが感覚的にわかってそれが自分のものとなる。
そして、さらに広がった幅を越えて言ってみる。
この繰り返しによって、自分の言っていいことの幅がどんどん広がっていきます。
いずれ自分が言いたいことの幅を越えたら、そこからは何でも言っていいという状態になっていきます。
最初は言いたいことを言って否定されたらものすごく大きなダメージを受けそうだとためらいが大きいかもしれません。
しかし、言いたいことを言うから自分への肯定感が高まり、肯定感が高まるから言いたいことが言い安くなるという循環に入ります。
このサイクルを回すための第一歩をなんとか頑張って踏み出すということです。
最初の一歩が次の一歩を楽にするので、ぜひ勇気を出して最初の「言いたいことを言うチャレンジ」に取り組んでみてください。
その一歩が自分と自分の人生を作ります。
今までで一番の勇気を出して頑張ってもらえたらと思います。
また、少し脱線するのですが、「言いたいこと」って別に人を傷つけることやジャッジすることではないと思っています。
人を傷つけたり人を裁いて良い悪いと判断したりしてもいいのですが、人を傷つけると自分も傷つくんですよね。
じゃあ、「言いたいこと」とは何かと言われると、一言で表現するのが難しいので各自で見つけて行って欲しいです。
大前提として「本音は人を傷つけない」ということを覚えておいてください。
4.言いたいことを言うブレーキ
言いたいことを言っていく方法は少しずつ自分の安全圏を広げていくという「慣れ」になります。
ただ、安全圏を広げていく行為が慣れていないと怖さを感じ、その怖さが行動するときのブレーキとなるので、ここではブレーキを二つ紹介しながらそのブレーキの外し方を説明していきます。
人は怖さの正体がわからないとより怖さをより大きく感じますが、怖さの正体を把握することで怖さが膨れ上がることはなくなります。
ぜひ、自分の怖さの正体を見つけてみてください。
4-1.嫌われる怖さ
一つ目のブレーキは嫌われる怖さです。
「こんなことを言ったら嫌われるんじゃないか」「否定されるんじゃないか」という怖さのため、言いたいことを言うより周りに合わせることを選択します。
人間関係でだいたいブレーキとなるのが、嫌われる怖さです。
では、この怖さをどうしていったらいいのかというと、怖さを感じながらそこに突っ込むということになります。
怖さを消して言いたいことを言うわけでも、怖さがなくならないと言いたいことが言えるようにならないわけでもありません。
勇気を出して言いたいことを言った結果、その時のリアクションがどんなものであれ、自分の考えていることや感じていることはそのままでいいという肯定ポイントが自分の中に溜まっていき、その自分の中にある肯定ポイントが貯まることで嫌われる怖さが少し薄まるという仕組みです。
そして、言いたいことを言うと嫌われるような気がするかもしれませんが、言いたいことを言おうが言うまいが嫌われるときは嫌われるし好かれるときは好かれます。
2:6:2の法則なんて言われますが、自分を好きな人は2割、自分を嫌いな人は2割、自分のことを何も気にしていない人が6割。
自分の立ち居振る舞いをどう変えたとしても、この割合は変わりません。
言いたいことを言わない今も嫌われてますからね笑
言いたいことを言って嫌われることも今の状況とさほど変わりません。
嫌われることは怖いことかもしれませんが、今の状況と一緒だということを頭でわかっておいてください。
4-2.隠したい自分がバレる怖さ
二つ目のブレーキが隠したい自分がバレる怖さです。
例えば、自分が変な人だと思われたくなくて普通の人を演じていたとします。
その場合、言いたいことを言うことは変な自分がバレるリスクがあるということです。
この隠したい自分が周りにバレることが怖くて言いたいことを言わない選択をしていることがあります。
- 薄っぺらいことがバレて自分を責めたくない
- バカなことがバレて劣等感を味わいたくない
- できないことがバレて役立たずな自分を直視したくない
そんな自分を隠しておきたいんですよね。
ただ、隠していても生きづらいし隠すことは自分へ否定です。
自分の否定によって、自分の心をしぼむし自信がなくなっていきます。
だから、「そんな隠したい自分もバレていい」と自分に許可を出してみてください。
「薄っぺらい自分でもいい」「バカでもいい」「できない自分でもいい」と自分を許していってください。
そして、あなたが隠したいところはすでにバレていることも覚えておいてください。
あなたの周りを見渡して、「この人ここを気にしてバレないようにしているからその話はやめておこう」と思ったことはありませんか?
かつらを被っている人がいて敢えて髪の毛の話は避けるというアレです。
それと同じようにあなたが隠しておきたいところは、なんとなく相手にバレています。
バレた上で付き合っていくれているので、「隠しておかないと大変なことになる」と身構えずに「すでにバレているからいいや」と気持ちを楽にして言いたいことを言ってみてくださいね。
5.うまく伝わらなくてもいい
言いたいことを言わない弊害や言いたいことを言う方法、そして、ブレーキの外し方は以上となります。
怖さはあると思いますが、自分の内側を表現しながら自分を肯定して気持ちがよい人間関係や自分との関係を築いてもらえたらと思います。
そして、最後にうまく伝わらなくてもいいということをお伝えしようと思います。
カウンセリングを受ける方は「いい人」が多いく、いい人でいなければという縛りが自分の人生を苦しくする側面があるため、よく「断ってみてください」という宿題を出します。
すると、「何と言って断ったらいいですか?」と頻繁に聞かれます。
何と言って断ってもいいわけですが、この質問には「波風が立たず穏便に誰も傷つかず自分が悪者になることもなく断るにはどう言ったらいいか?」というニュアンスが含まれています。
- 波風が立たず穏便
- 相手が傷つかない
- 自分も悪く思われない
と、とても多くの条件をクリアしなければいけないと考えているということです。
この色々な条件をクリアしなければという思考が、言いたいことをどんどん言いにくくします。
これは言いたいことを言う時にも同様で頭の中で色々考えれば考える程言葉が出てこなくなっていきます。
だから、頭の中でまとまっていなくてもさほど考えていなくてもとりあえず言葉を口にしてみてください。
それがうまく伝わらなくてもいいし、自分の意図と異なる伝わり方がしてもいいわけです。
そんなことよりも自分の感じたことを口にしたことの方が大きなことだし、その後周りの人がいい感じに意図を組んでくれたりフォローしてくれたりします。
周りの優しさも信じてみてくださいね。
6.まとめ
今回は「言いたいことが言えない」をテーマに記事をまとめました。
「言いたいことが言えない」のアンサーが「言いたいことを言おう」になったところはありますが、解決するにあたり小難しい込み入った話があるわけではありません。
慣れであり習慣、そして表現と自己肯定のサイクルを作るという話です。
その慣れや習慣を作っていく上で、言いたいことを言わないとどうなっていくのか、言いたいことを言うとどういう世界が広がっていくのか理解してください。
言いたいことを我慢することでじわじわと自分を肯定する感覚も生きやすさも自分の気持ちを把握する力も無くなって行くんですよね。
しかし、これらは人生を豊かに生きていく中で一番大事なことです。
カウンセリングに相談される方は、これらを無くして様々な試行錯誤を経たあとにどうしたらいいかと半ば途方にくれた感じで来られます。
そこには、何か病気や障害があるわけではなく、「自分の気持ちを無視し続けてきた」ということが根本の真因になります。
ぜひ、色んなものを見失う前に自分の気持ちを表現してみください。
それによるこの世界の充実感を味わってもらえたらと思います。
「自分は自分でいい」という健やかな感覚が大きく広がっていきます。
また、言いたいことが明確に分からない場合や自分の気持ちが分からない場合は、自分が分からない悩み!3つのパターン分けとモヤモヤの解消法も合わせて読んでみてください。