安心感や幸福感は自己一致から作られる!すぐにできる自己一致の方法

満たされながら幸せに生きるには自己一致が必要と聞いたことがあるかもしれません。
ただ自己一致とは一体何なのか分かりそうで分かりづらいですよね。
この記事では自己一致とは何かを明確にしながら、どうしたら自己一致をしていけるのかについて説明していきます。

ぜひ、本来の自分を取り戻して満たされながら人生を楽しんでいってもらえたらと思います。

1.自己一致とは

まず、自己一致とは何かについて明確にしてきます。
自己一致を説明する前に自己一致と対極にある自己が分裂している状態から説明していきます。

1-1.自己が分裂している状態

私たちは生まれてから今に至るまでに様々な人の影響を受けてきます。

  • 男なんだから泣くなと言われて弱さを出せなくなった
  • 急ぎなさいと怒られて急がなければといつも思うようになった
  • 母親にガッカリされたくなくて理想の子どもを演じるようになった

一番大きな影響を受けたのは親からですが、親以外にも様々な影響を受け「こうしなければ」という価値観が作られます。
この作られた価値観通りに生きなければと思い、本来の性格を変えることや捨てることになります。
これが自己が分裂している状態
です。

本来の自分は弱さがありメンタル的に弱っている時もあるのですが、そんな自分はダメだと弱さを捨て強い自分で振る舞っているというイメージをしてもらうと捉えやすいと思います。
そして、この自己が分裂していると、いつも漠然とした怖さや不安があり、何かに焦っている状態になります。
心は平穏ではなく満たされた幸せを感じることはできません。

それは、「ありのままの自分ではいけない」という思いが根底にあるため、そんな自分が出ていないかという不安や怖さであり自分を見張り心を駆り立てている焦りです。

1-2.自己一致とは

この自己が分裂している状態から、「本来の自分」を取り戻すことが自己一致になります。
今までダメだと思ってきた自分の弱さなどの性格を受け入れ自分の感情を認め、「自分は自分でいい」ということに気づいた状態が自己一致です。

捨ててきたものを拾い直して、「おかえり」と受け入れた状態です。

この自己一致している状態だと「自分は自分でいい」ことが腑に落ちているため、「隠しておかなければ」「こうしなければ」という気持ちがなく怖さや不安、焦りが心のベースにはありません。
逆に、「自分は自分でいい」と分かっているため、安心して穏やかな気持ちで毎日を過ごせることができます。

私は心理カウンセラーとして仕事をしていますが、ほとんどの悩みは自己が分裂しているから生まれています。
自己が分裂しているから自分を責めるし、限界を超えても仕事をしなければと思うし、自分以外の人として他人と接することで息苦しさや虚無感を抱きます。

楽に幸せで生きる上で自己一致というのは一番のテーマになってきます。

2.自己一致の方法

では、どうしたら自己一致できるのかについて説明していきます。

2-1.自己一致するには捨てた性格を取り戻す

先ほどの説明の通り、自分の性格の一部を捨てているのが自己が分裂している状態で、捨てた性格を取り戻すことが自己一致です。
だから、どうしたら自己一致できるかについて、一言で説明すると「捨てた性格を取り戻す」ということです。

今まで「あぁなってはいけない」と思ってきた自分で生きる。
そうすることで、自己が一致し満たされながら生きられるようになります。

弱い自分を捨ててきたならば弱い自分として生きる。
急がなければとゆったりした自分を捨ててきたならゆったり”のろま”として生きる。
母親に気に入られるようにできる自分で生きてきたなら、できない自分として生きる。

そうやって、本来不本意な自分として生きることが自己一致となります。
そして、これは自分にダメだしして落胆して生きるということではなく、気持ちの良い開き直りみたいな感覚で自分を受け入れていく
ということです。

「自分はあくまで自分なんだ」「これが自分なんだ、その運命を受け入れよう」
そうやって、ダメなところも含めて自分を認めて生きていくことになります。

2-2.自己一致するためにどんな自分を取り戻すのか

では、次に自分のどんな部分を取り戻していったら自己一致ができるのかについて説明していきます。
具体的にどんな自分を取り戻したらいいか、その方法を紹介します。

2-2-1.他人から見つける方法

一つ目は他人から見つける方法です。
嫌いな人や嫉妬する人は自分が捨てた性格を教えてくれます。

そもそも人が人を嫌うのは、その相手が自分のルール違反をしているからです。
「弱い自分はダメだ」と思って、必死に頑張って弱さを隠し強い自分で生きているとします。
そんな時に、弱音を簡単に吐いて頑張らない人を見た時にあなたはきっとその人に対してイラっとするでしょう。

それは、「弱い自分を隠し強く生きるべき」という自分が守っているルールを目の前でその人が破るからです。
イメージとしては、自分はちゃんと信号待ちをしてるのに横から信号無視して人が通り過ぎる感じでしょうか。
そんな人にイラっとしますよね。

だから、嫌いな人やイラっとする人のどこにイラっとするかを探してみることで、自分が無意識に守っているルールが見つかり、自分の本来の性格を嫌って抑えている部分が分かります。
それが分かったら、その部分を真似して自分に取り戻したらいいということです。
要は、自分も信号無視していくってことですね笑

自己一致というと、なんかちゃんとしている人ってイメージがあるかもしれませんが逆です。
ちゃんとしてない人、ダメな人にどんどんなっていくということです。

また、嫉妬する人は自分が抑えている素晴らしさを教えてくれます。
嫉妬するということは、要は「自分もあれぐらいできる」と感じているということです。
自分もあれぐらいできると分かっているのですが、何かしらの理由(嫌われたくない、自分のルール違反など)で自分を抑えて「あのぐらいの結果」を出さない選択を今しているということになります。

だから、その嫉妬する人に対して「ズルい」と感じる部分が自分が切り捨ててないことにしている部分になります。

例えば、ブリブリの服を着て男からモテている人を見て嫉妬やイラっとした気持ちが湧いてくるということは、本来自分もブリブリの服を着て男からチヤホヤされたいわけです。
だったら、その気持ちに従ってブリブリするのが自分らしいということです。

他人に対して感じる「ズルさ」も取り戻してみてください。

2-2-2.自分の心の声を聴く

どんな自分を取り戻したらいいのか見つける方法の二つ目は、「自分の心の声を聴く」と言うものです。
これは、自分の心を内観・内省する習慣がある人に向いています。
もし、心の中を内観・内省する癖がなく、よく分からない場合は一つ目の方法を試してもらったらと思います。

自分の心の声を聴くとは、そのまま自分が何を考え、何を我慢し、本当はどうしたいのか心に耳を傾けるということです。
本当は違う意見を持っているけど周りに合わせてみんなと同じ意見にしたなとか、本当はあの仕事は引き受けたくないけど我慢して引き受けたななど、自分の心に反する行動があると思います。

この「本当は」というのが「本来の自分」の部分になります。
「本当は」こう思っている、「本当は」やりたくない。
この自分の気持ちを無視して気持ちに反する言動をすると自己が分裂してしまうので、自分の気持ちを言動と一致させることで自分を取り戻してみてください。

また、もし可能な人はなぜ自分の気持ちと反する言動を取ったのかを分析してみると面白いです。
そういう言動を取ることでどう思われたかのかが見つけると、自分の嫌っている性格を把握することができます。

例えば、わがままに見られたくないから自分の希望を言わなかったことが見つかったとします。
であれば、「わがまま」という性格を自分から切り捨てたことが分かります。
自己一致をしていく上では、少しわがままになってみるというアクションはとても有効なことが分かってきます。

この辺は少し難しいのでできるのであればやってみても面白いくらいの捉え方で十分です。

3.自己一致って実は怖い

上記のように捨てた自分を見つけて、その自分を取り戻してあげたら自己一致できます。
自己一致することによって、ありのままの自分を自分が認めて愛することができ、とても満たされた気持ちで毎日を送ることができます。

そんなメリットばかりの自己一致なのですが、自己一致をしていくタイミングで実はとても怖さを感じます。
そもそも私たちが自分の性格を捨ててきたのは、昔誰かに怒られて悲しい思いをしたり嫌な出来事が起きて傷ついたりしたからであり、もう二度とあんな悲しい思いをしたくないから幼いながらもその原因や法則を見つけ、自分の性格の一部を捨てることにしました。

具体的に言うと、何か親にお願いしたときに「うるさい!わがままな子はうちの子じゃないよ!」と言われ、わがままを言ったら怒られるんだ、わがままな自分を封印して相手の意見に従おうと決めたということです。

その原因や法則は幼く判断能力が乏しい時に作られているため、間違っていたり大きく偏っていたりするものなのですが、「傷ついた悲しさ」を回避するために一生懸命考えて自分の性格の一部を捨てることにしたのです。
と言うことは、その捨てた性格を取り戻すということは、当時深く傷ついた悲しさをまた味わわなければいけない怖さと直面しなければいけません。

また、自分と違う人物を作り出し、その作り出した人物が否定されていてもそれほど傷つきませんが、本来の自分で生きて自分そのものが否定されたら深く傷つくことに繋がります。

本来の自分として生きること、自己一致をすることはそんな怖さが付きまといます。

ですが、それでもその怖さを越えていきましょう。
怖さの正体が見えないと、その怖さは底なしのようでとても一歩は踏み出せません。
しかし、怖さの正体が分かればそれを覚悟するだけです。

今説明した通り、傷つくのが怖いということです。
ぜひ、傷つくことを引き受けていきましょう、本当は嫌ですけどね。
自分の人生を幸せにしていくためです。

ただ、この怖さが尋常ではない場合や昔否定された傷が癒えていない場合はまず過去の傷を癒していった方がいいでしょう。
人間不信から立ち直る!過去の傷を癒し信頼関係を結ぶ方法に過去の傷を癒す方法を書いているので参考にしてみてください。

4.自己一致する上でのポイント

そして、最後に自己一致に関して私がカウンセリングの現場でよく聞く質問について答えていこうと思います。

4-1.いつも自己一致した自分で生きなくてはいけないのか

まず、「嫌ってきた自分を取り戻そう」と言うと、今後ずっとそういう性格で生きなければいけないのかとよく聞かれます。
例えば、わがままな自分を嫌ってきたからわがまま自分で四六時中いないと、楽にならないし満たされないのかと言うことですね。

結論から言うと、別に四六時中捨ててきた自分で生活している必要はありません。
「そんな自分もあり」ということを体感してもらったら、後はその場に応じて対応してもらったらいいです。

わがままを嫌いすぎて他人中心に傾きすぎている。
だから、わがままを取り戻すことでそんな自分もOKだと気づき、自分を犠牲にして他人を優先しなくていいことが分かった。
そこが腑に落ちているなら、その後は自分の気分で今は「自分」を優先したいな、今はこの人に譲ってあげようかと選んでいったらいいということです。

何も常軌を逸した人になれと言っているわけではありません。
個人的にそんな常軌を逸した人は好きですが笑

4-2.捨てた性格を取り戻しても自分を嫌いにならないか

「捨てた性格を取り戻したら自分が嫌いになりそう」という言葉や「そもそも自分が嫌いだ」という話はよく聞きます。
先ほどの例を使うと、「わがままな自分は大嫌いなのでわがままを取り戻したら自分が嫌いになって余計に苦しくなりそうだ」という質問です。

この質問に回答する前に「嫌い」という感情から説明していきます。
そもそも人はなぜ人を嫌いになるかと言うとその理由は下記3点に集約されます。

①自分の「こうするべき」というルールに反するから
②実は羨ましさをその人に持っているから
③自分に危害やデメリットをもたらすから

詳しい説明は割愛しますが、自分が「こうしなければ」と守っているルールを他人が破ると「怖い」「ズルい」という気持ちから相手のことを嫌いになります。
また、実は相手が羨ましいと感じているけど素直に羨ましいと認められない時、嫌いと言う感情が湧いてきます。
3つ目の自分に危害やデメリットをもたらす人に対しても嫌いと言う感情が湧いてきます。
嫌なことをされたり相手が自分のことを嫌いなことがわかったり相手の不潔なところなどが見えて生理的に嫌だと感じたりする場合です。

こうやって「嫌い」という感情を深掘ってみた時に、例えば「わがままな自分は嫌い」はどれに該当するかと言うと、①自分の「こうするべき」というルールに反している、または③デメリットがありそうに該当します。

つまり、実は「わがままが自分が嫌い」というわけではなく、「わがままな自分は絶対ダメだと強く思っている」または「わがままな自分だと人に嫌われるなどデメリットが発生しそう」と感じているということです。
何が言いたいかと言うと、「嫌い」という自分ではどうにもできない感情が湧いているのではなく、自分ルールや打算によって「嫌い」という漠然とした感覚になっているというだけの話です。

要は、自分が持っているルールを緩めて捨てていくことや実際わがままな自分で生きてみたけど恐れていたことは起こらないんだということを体感することによって、捨てた自分の性格を取り戻したとしてもそんな自分を嫌いになることはないということです。

「そもそも自分が嫌い」と感じている方も上記の話はあてはまるので、自分のどこが嫌いか分析して同様のアプローチをしてもらうことによって自分が嫌いだという感覚がなくなっていきます。

5.自己一致まとめ

今回は、自己一致についてまとめました。
楽に幸せになっていく上で自己一致が肝というか全てです。
小さな頃のトラウマや劣等感、罪悪感など、心のことには色々なトピックがありますが最終的には自己一致するためにあります。

ぜひ、今まで良かれと思って切り捨ててきた自分の一部を取り戻して、「ありのままの自分」「本来の自分」で生きていってもらえたらと思います。
本来の自分で生きられた時の安心感や満たされた気持ちこそが本当の幸せです。

幸せは外側にあるのではなく自分の内側にあります。
幸せな出来事をつかみに行こうとするのではなく、本来の自分を取り戻して幸せをいっぱい感じていってくださいね。

また、自分が嫌いという場合は「自分が嫌い」自分を嫌いになる12の理由と対応策も読んでみてください。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。