下に見られるイライラが消える心理的アプローチ

周りから下に見られたら怒りが湧いたり悔しい気持ちになったりしますよね。
この記事では、下に見られて抱く怒りや悔しさをどう解消していったらいいのか、また、下に見られたということに囚われず気持ちよく毎日を過ごすにはどうしたらいいのかについて説明していきます。

ぜひ、下に見られているかどうかという思考から抜け出し、毎日を自由に楽しんでもらえたらと思います。

1.「下に見られる」について私の体験

この記事ではどうしたら下に見られるという悩みを解消していくのかについて話していきますが、私自身も下に見られることに強い怒りを感じていたし悔しい思いをたくさんしてきました。
その度に、下に見られない人間になろうと自分の能力を上げようとしたし自己啓発に取り組みました。

しかし、いくら能力があがってもいくら仕事などで結果を出しても下に見られたりバカにされたりすることは減りませんでした。
よくよく考えてみるとその下に見てくる人よりもできることは多いし、結果も出しているのにです。

そう考えるとどういう状態になったら自分は下に見られなくなるのか、その時に出した結論は「一切粗がない人間になる」と言うことでした。
ただ、その考えもすぐに「それ、無理じゃない!?」という結論に至りました。
そんな出口の見えない悩みの中にいたのですが、今は「下に見られている」と感じることはなくなりとても穏やかに過ごせています。

では、下に見られて悔しい思いをした時期と今とで何が変わったのでしょうか。
私が実践してきたことも交え、心理学の観点から説明していこうと思います。

2.下に見られるのは実は自分を下にみているかも

心理学の用語で「投影」という言葉があります。
投影とは自分の考えなどを相手に映してみる心理作用です。

例えば空を見て、「今日は悲しい空をしているな」と感じる時、実際に空が悲しい空をしているわけではなく、自分の物悲しい気持ちを空に映しているということです。
人は自分が思っている以上にこの「投影」を多用しながら生きていきます。
「自分だったらこうだから相手もきっとこうだろう」という観点で物を見ているということです。

この投影は無意識に行われるので普段何気なく生活していると自分が投影していることに気づかないのですが、自分の投影に気づく方法をここで紹介します。
その方法とは、「主語を変える」というものです。

先ほどの例で言うと「空が悲しい」という主語を「自分」に変えることで「自分が悲しいんだ」と気づくことができます。
では、今回の「下に見られる」という例ではどう使えるのでしょうか。

「下に見られる」を言い換えると「相手が自分を下に見ている」と言い換えることができます。
この主語を自分に変えると「自分が自分を下に見ている」ということになるのです。

確かに、周りに下に見られるという機会はあるかもしれません。
ですが、それ以上に自分を下に見て自分を蔑ろにする機会がとても多いのかもしれません。

3.自分を下に見るとは

「自分を下に見ている」という言葉を見ると「本当は100できるのに自分は50しかできない」と自分を低く見積もっているように感じるかもしれません。
それも確かに自分を下に見ている一例ではあります。

ですが、ここで大事にしてほしいことは「自分への扱い」です。
自分を粗末に雑に扱い、大事なものとして扱わないことで自分を下に見ていることが多いのではないでしょうか。

「人からの扱いは、自分が自分をどう扱うかによって決まる」という言葉のように、自分を雑に扱うと相手からも雑に扱われます。
それは、自分が持っているペンを「このペン、何か変じゃない!?あんまり好きじゃないんだよね」と言ったら周りも「そのペンはその人にとって大事じゃない=大事に扱わなくっていい」と感じるように。
逆に、「このペンは大事な人からもらった世界でたった一つのペンだ」と言うと周りも「そのペンはその人にとって大事なペンなんだな=そのペンは大事に扱わなきゃな」と感じるのと同じです。

自分が自分を雑に扱うと、周りの人も無意識に雑に扱っていいんだと感じるようになります。

では、私たちは普段、自分をどう雑に扱っているのでしょうか。
ここで意識してほしい、自分への雑な扱いは「いかに自分に我慢をさせているか」ということです。

例えば、周りに嫌なことを言われたとする。
その時に、「ここで言い返したら器の小さなやつだと思われる」「そんなことを気にしてるんだと思われる」「嫌だと言っていいのか分からない」など、色々な理由で本当は嫌だけど何も言わずに我慢したとします。

「本当は嫌だと感じているけど自分に我慢させる」これはとても自分に対して雑な扱いをしているし、「自分」という存在よりも相手や自分以外のことを優先しているという意味で自分を下に見ていると言い換えることができます。
そう考えると、私たちはものすごい数、自分を下に見てることが多いことに気づくのではないでしょうか。

逆に、何かのきっかけでイギリスの王子と友人関係になり、その王子を日本に招くことになったとして。
その時にその王子が気分を害するような一言を言ってきた人がいたら、自分はその言葉を制したり「何を言ってるんだ」と怒るかもしれません。

その振る舞いというのは、王子をとても大事にしているということであり、王子を下に見ていないということです。

4.自分を大事にする

つまり、何が言いたいかと言うと、自分を大事にしようよと言うことです。
自分を王子扱いして、嫌なものは嫌だといいい、やりたくないことはやらない。
そうやって、自分を下に見ることを辞めて大事にしていくことによって、周りから下に見られることがなくなったように感じたり仮に下に見られたとしても気にならなくなったりします。

大事なことは下に見られないようにすることなんかではなく、自分を下に見ないということです。
仮に、自分を大事にして嫌なことを嫌だと言い、「わがままだ」「子どもだ」だと思われてもいいんです。

相手から「わがままだ」「子どもだ」と思われてもそんな自分を出すことによって自分はそのままの自分を認め、自分を上客扱いしている、その状態があれば気持ちよく毎日が過ごせます。
逆に、「わがままだ」「子どもだ」と思われるのが嫌で、もっと言うと下に見られるのが嫌でそのままの自分を隠し、本来の自分を日の目を当ててはいけない汚いもの扱いすることで、自分の中で卑屈感が育っていきます。

卑屈感が育てば育つほど周りの人のちょっとした一言が気になるし、相手に悪意が無くても悪意に捉えるようになるのです。
ぜひ、「周りからどう見られるか」や「そんな自分じゃないけない」などのブレーキを振りほどいて、ありのままの自分を大いに認め、自分を大事に扱っていってもらえたらと思います。

自分を大事に扱うことで、今度はその投影が無意識になされ、他人も自分を大事に扱ってくれているように感じ、とても気持ちの良い人間関係を築いていくことができます。

5.下に見られることについて視点を変える

さて、ここからは下に見られる現象について視点を変えていきましょう。
悩んでいる時は目の前にある岩を動かそうと頑張っているけど動かないような状況です。
「岩を動かさなければ」という視点だけでいると、岩が動かない状態に対してずっと悩んでいなければいけません。

しかし、悩みの解消はその岩を動かすことだけではありません。
視点を変えていくことによって、悩みは解消していきます。

  • 自分一人でやるのではなく誰かに助けてもらってもよかった
  • 向こう側に行きたいだけなら岩を迂回すればよかった
  • そもそも岩を動かす必要がなかった

そんなことに気づくだけで、目の前の動かない岩が悩みではなくなっていきます。
では、「下に見られる」ことがものすごく嫌な場合、どういった視点の転換ができるのでしょうか。

5-1.下に見る相手の捉え方を変える

まず、あなたを下に見てくる相手について視点を変えていきましょう。
誰かを下に見るということは、何かのモノサシで相手を測るということになります。

例えば、勉強ができないことで相手を下に見る人は勉強の出来というところでモノサシを持っているということです。
この世には何か絶対のモノサシがあるわけではなく、様々なモノサシが存在します。
色々な経験をしてくればしてくるほど、その人の中で多様なモノサシが生まれ人を平面的ではなく立体的に捉えるようになります。

その観点で言うと、人を下に見る人というのはそのモノサシが絶対だと思ってそのモノサシを振りかざすわけですよね。
とても短絡的でとても幼稚だということです。
そういう視点で相手のことを見てもらうと、下に見られるという現象の感じ方も変わってくるかもしれません。

5-2.相手の土俵から降りる

また、人を下に見るとはそんな浅く幼稚なことなのですが、それを本気にして下に見られることに激しい怒りを感じるということは、自分も相手の言葉を真に受けているということです。
つまり、相手と同じ土俵に立っているということです。

心理学には自分と相手を受け入れについて「OK牧場」という考え方があります。

①自分はОKではなく相手もOKではない
②自分はОKだけど相手はОKじゃない
③自分はОKじゃないけど相手はОK
④自分もOKで相手もOK

一番心穏やかで幸せなのが、「④自分もOKで相手もOK」の状態です。
そして、受け入れの順番は①から順に④まで進んでいきます。

「②自分はОKだけど相手はОKじゃない」からいきなり「④自分もOKで相手もOK」となるわけではなく、「③自分はОKじゃないけど相手はОK」の状態を経て「④自分もOKで相手もOK」となっていきます。
あなたを下に見る相手というのは「②自分はОKだけど相手はОKじゃない」ということであり、それを真に受けているあなたはもしかしたら「③自分はОKじゃないけど相手はОK」にいるかもしれません。

こう見ると、相手と同じ土俵にはいないですね笑
でも、相手の言動によって自分の感情が大きく取り込まれるという点では相手と同じ土俵かもしれません。

何が言いたいかというと、「④自分もOKで相手もOK」に移ってしまったらいいということです。
平たく言うと、「自分に対してOKを出す」と言うことですね。
自分がOKだということが腑に落ちてくると、相手の言動によって多少イラいたり嫌な気分はしたりするものの、相手の言動は比較的どうでもよくなっていきます。

自分を受け入れ自分にOKを出す。
自己受容を習慣化する方法にその具体的なやり方を説明しているので参考にしてみてください。

5-3.付き合わない人を決める

最後は、ちゃんと付き合わない人を決めましょうということです。
この世界にいる人と誰とでも仲良くなれるわけではなく、誰とでも合うわけではありません。
人間関係はどう仲良くなるかより誰と付き合わないかが大事です。

自分を下に見る人はもちろん付き合わなくていい人なので関係を切ってしまいましょう。
自分を下に見る人と付き合っていることは前述の「自分を大事に扱っていない」「自分を下に見る」ことの最たるものなので、そんな人間関係を続けていると余計に「下に見られている感」が強くなります。

ぜひ、自分を大事に自分を上客に扱ってください。
そのために人間関係を選ぶ、不要な人は切るという視点をぜひ持っていてくださいね。

6.まとめ

今回は、「下に見られる」というテーマをまとめました。
「相手から下に見られる時、実は自分を下に見ている」ということなのですが、「自分を下に見る」というのは馴染みのない感覚で意外とよく分からないかもしれません。
簡単に言うと、自分を大切な来賓として扱うみたいな感じです。

ぜひ、この視点で日常生活を見回してみてください。
自分を下に扱っているタイミングを多く見つけてもらえると思います。

そして、自分を下に扱っていることに気づけたら自分を重要人物として扱うにはどうしたらいいのか考え、実際にアクションしてみてください。
そのアクションをしていくことによって、下に見られている感がどんどん形を変えるし、付き合わなくていい人にどんどん気づいていけます。

というわけで、最後までご覧いただきありがとうございました。
一つのコミュニティ内でのマウント関係など、スクールカーストや上下関係の苦しさから抜け出す方法が参考になると思うのでぜひ参考にしてみてください。