ついイライラしてしまったり焦りで心が穏やかじゃない時ありますよね。
そんな時に穏やかな気持ちでいたいと感じるけど、なかなか感情は暴れて手が付けられない。
この記事では、どうしたら穏やかな心の状態が作れるかについて話をしていきます。
穏やかな外面でいながらその土台が怒りや焦りに囚われている状態ではなく、穏やかな土台の上に喜怒哀楽を乗せていくイメージです。
詳しくは本文で説明していきますが、感情をコントロールしようとしてもそれは不可能なことです。
そうではなく、穏やかという心の土台を作っていくということです。
ぜひ、穏やかな心の状態を作りながら湧いてくる感情を安心しながら味わっていきましょう。
1.なぜ心穏やかでいられないのか
まず、そもそもなぜ心が穏やかでいられないのかについて説明をしていきます。
考えつくだけでいくつか理由は出てきます。
- 他人にどうみられるかを優先して不満や怒りが溜まっている
- こうしなければという正解系がありその正解に則っているか自分を監視している
- 「自分は自分でいい」ということが腑に落ちていない
どの理由にも共通するのが、自分自身に対して優しくないということです。
他人を優先するということは自分が蔑ろになるということであり、「こうしなければ」「こうありたい」と正解でいようとすることは自分の気持ちを無視するということです。
また、自分に対して優しくいると「自分は自分でいい」と腑に落ちていくので、そこが腑に落ちてないということは自分に優しくないと言い換えることができます。
自分に厳しく自分を蔑ろにしている状態は心が穏やかな状態とは縁遠いですよね。
だから、今の焦燥感があるのも人の一挙手一投足に一喜一憂するのも不安で心がかき乱されるのも、自分に優しくできておらず「自分は自分でいいんだ」ということに気づけてないからです。
2.心穏やかの捉え方を変える
なので、心穏やかにいるには自分に優しくして「自分は自分でいいんだ」という感覚を育てていけばいいのですが、その具体的な方法を紹介する前に、「心穏やかにいる」というゴールの認識を合わせたいと思います。
一般的に「心穏やかにいる」と表現すると、いつもニコニコしていて怒ったり落ち込んだりせず、いつも心が満たされているような状態を想像するかもしれません。
しかし、その状態は無理があります。
なぜなら、人は嫌なことをされたらイラっとするし、否定されたり自分の希望が砕かれたら落ち込んだりするからです。
色んな出来事に喜怒哀楽の感情が湧くのが人間であり、それがとても自然な姿です。
もし、どんな出来事が起きても笑っていられる人がいるなら、それは笑顔が張り付いた機械であり不気味です。
きっと心の中では悲しさも怒りも感じない反面、嬉しさも楽しさも幸せも一切感じていないでしょう。
目指したい姿はそういうところではないですよね。
だから、目指すゴールを「いつもニコニコしている状態(何も感じない状態や実は内心怒りや不満を抱いている状態)」ではなく、「心が穏やかという土台の上に喜怒哀楽が乗っている状態」に設定してみてください。
自分が表現する感情なんて何でもいいんですよ。
怒っていても悲しんでいても泣いていても。
それを人がどう思うかなんてことはどうでもいいことです。
本当に大事なことは、自分の心の土台が穏やかで幸せを感じているかということです。
その土台があった上で、日々起こる出来事によって湧いてくる感情を味わったらいいということになります。
「心が穏やかという土台の上に喜怒哀楽が乗っている状態」ぜひ覚えておいてくださいね。
3.穏やかな土台を心に作る大方針
では、いよいよ心に穏やかな土台を作っていく方法について話をしていきます。
先ほど少し触れたように穏やかな土台を作るには「自分は自分でいい」ことに気づけばいいということになります。
ただ、ここで注意点があります。
それは、「自分は自分でいい」と自分に言い聞かせてもそう思えるようにはならないということです。
これは本当によくある話なのですが、「自分は自分でいいと思おうとしてもそう思えません」と多くの質問をもらいます。
その度に、そう思おうとして思えるように我々は作られていませんと伝えているのですが、なかなか伝わりません。
では、どうすれば「自分は自分でいい」ことに気づけるのか。
その答えは自分の言動を変えていくということです。
自分の思考や価値観が確固たるものとして存在するわけではありません。
どちらかと言うと、自分の思考や価値観はとてもあいまいなものですぐに変わってしまいます。
そんなあいまいですぐ変わってしまうものを決定しているのが自分の言動です。
もしあなたが昔から同じ思考や同じ価値観を持っているとしたら、それはあなたの言動が昔から変わっていないということです。
人には「習慣」という習性があるため、意識的に変えようと思わない限り自分の言動は変わりません。
そうやって、昔からブレることなく今までと同じ言動をすることによって、その都度、自分の思考や価値観が今までと同じものに決定され続けてきたということです。
逆に言うと、今言動さえ変えてしまえばそれに伴って簡単に自分の思考や価値観は変わってしまうということです。
4.心の穏やかさを作る「自分は自分でいい」とは
ただ、言動を変えると言っても、これから語尾に「~ぴょん」を付けるわけでも右で持っていた箸を左手に持ちかえるわけでもありません。
今変えたいのは「ありのままの自分はダメだ」という価値観から「自分は自分でいい」というものに変えていきたいので、それに即した言動に変えていく必要があります。
ここで、もしかしたら「ありのままの自分はダメだ」と自分は思っていないと感じる方もいるかもしれません。
そんな時は「条件付き」を疑ってみてください。
- 最低限守るべきルールを守っているからこれでいい
- 相手の期待に応えられているから自分でいい
- アイツみたいにダメな奴じゃないから自分でいい
これらは条件を自分に課しながら、その条件をクリアしている内は「自分は自分でいい」と感じている状態です。
私が意図している「自分は自分でいい」と感じている状態とは似て全く非なるものです。
私が言っている「自分は自分でいい」というのは「どんな自分でもそれでいい」ということが腑に落ちている状態です。
それは、自分が思うように自分勝手に生きなさいということではなく、自分が思うように自分勝手に生きてもいいことを知っているということです。
その上で、その時の状況や相手のことは考えてもいいのですが、どんな自分も許されていることを知っていてルールを守るのとこんな自分は絶対許されないからルールは守らなければいけないと考えているのかで、全く話は異なってきます。
ちょっと抽象的な話になってしまいましたね。
ここからもっと具体的な内容に入っていきます。
具体的な話をしていくことで、ここで触れた内容もより理解できるかもしれません。
5.心の穏やかさの土台を作る方法
では、具体的に心が穏やかになっていく方法について紹介していきます。
5-1.捨てた自分を取り戻す
まず、捨てた自分を取り戻すということです。
これについては、このブログで何度も紹介していますがとても大切な話なので何度も話をしていきます。
人は生まれてから今に至るで様々な経験をしてきます。
- 自分の希望を言ったらわがままだと怒られた
- 嬉しいことを相手に話したら「自慢だ」と言われ相手が不機嫌になった
- 調子に乗るなといじめられた
このような悲しく辛い経験をすると、人は自分の中で法則を作るようになります。
自分の希望を言ったら怒られる、嬉しいことをしゃべると相手が不機嫌になる、調子に乗るといじめられる。
そうやって法則を見つけ出し、再度同じような辛い経験をしないために自分にルールを課します。
「自分の希望を言わない」「嬉しくても相手に言わない」「調子に乗らない」
自分のルールを課すことによって自己防衛しようとします。
そうすることで「自分を守れている」「このルールを守っていたら同じ目に合わない」という安心感を抱ける一方で実は自分の性格を捨てることになっています。
本来の自分は、こうして欲しいという希望を当たり前に言う人間だし、嬉しいことは人に話したいし、調子にも乗るのが自然です。
その自分を封印して、人から悪く思われないように周りと調和できるように自分の性格の一部を隠すわけです。
先ほどの説明の通り、自分の思考は言動によって決まります。
自分の性格の一部を隠すことでどういう思考になるかというと、「自分のその性格はダメ、他はOK」という条件付けの「自分は自分でいい」ということになるのです。
では、ここで、あなたが見ているだけでイラっとする人や嫌な気分になる人はどんな人か考えてみてください。
一旦時間を取ってノートに書いてみるのがいいと思います。
はい、その書き出してもらったイラっとする人や嫌な人の嫌いな部分があなたの捨てた性格だということです。
自分は我慢して捨て、守りたくもないルールを守っているのに、そのルールを目の前で破られるとイラっとするわけです。
この捨てた性格を取り戻すことによって、「自分は自分でいいんだ」という思考が勝手に湧いてきます。
要は、嫌いな人の嫌いなところを一旦真似してみるということですね。
そして、「そんな自分でもいい」と体感するということです。
そんな自分でいつもいる必要はありませんが、「そんな自分でもいい」と体感することは「自分は自分でいい」という土台を作るために絶対に必要なことになります。
その感覚が育まれていないと、いつもダメな自分になっていないか自分を監視する必要があるし、自分を律さなければならず、ダメな自分になったら自分責めが発動するかもしれません。
そんな状態で心の穏やかさは得られませんよね。
「右でもいいし左でもいい」「もっと言うと何でもいい」
それが分かるから、何も意識せずにハンドルを右にも左にも切れるわけで、ブレーキもアクセルも踏めるということです。
「右に曲がってはいけない」「30キロ以上はスピードを出してはいけない」と信じていると、いつも何かを意識していなければいけないし、焦ったり不安になったりします。
ぜひ、捨てた性格を取り戻してみてください。
5-2.感情を表現する
心穏やかな状態を作るもう一つの方法は自分の感情を表現していくということです。
「心穏やか」というテーマに興味がある方はきっと自分の心の中を穏やかにするだけではなく、怒ったり悲しんだりすることなく穏やかに過ごしたいと思うのではないでしょうか!?
言い換えると穏やかなキャラとして生きていきたいみたいな。
しかし、内心怒っていたとしても怒りを表現しなかったり、内心悲しんでいても悲しい顔をしなかったりすると自分の感情を肯定することができず、心に穏やかな土台は作られません。
この記事の冒頭で「穏やかな土台の上に喜怒哀楽を乗せていく」という表現をしましたが、逆に言うと喜怒哀楽を表現していくことで穏やかな土台が作られていくということです。
そして、ここでポイントになるのは、感情を表現するときにぜひ「本音」の部分を表現してみてください。
本音とは怒りの下にある悲しさ、寂しさ、不安、恐怖です。
そして、その本音の感情が湧くのは自分が解釈している部分があります。
その解釈の部分を自分が分かってあげるし、相手に伝えることで「自分が自分のことを分かってくれた」ような気になり自分の心はより穏やかになっていきます。
具体例を出すと、例えば、何かのグループで自分だけお誘いが来なかったとします。
自分だけ除け者にされていると怒りが湧いてきた状況を想像してください。
その時に、自分の本音と解釈を見つけてみるということです。
誘いが来なくて悲しかった、寂しかったという部分が本音の感情ですね。
そして、解釈としては、「自分は嫌われていると感じた」「自分が参加すると場がつまらなくなると言われている気がした」など、「~な気がした」に代表される自分の考えが解釈になります。
それを伝えてみるということです。
きっと相手は自分のことを嫌っていないし、自分も嫌われていないことは知っている。
しかし、その上で自分が嫌われている気がして悲しかったと感じたら、それを相手に伝えるということです。
ちょっと恥ずかしいし、そんなこと思っているんだと笑われるかもしれませんね。
しかし、それと引き換えに自分の気持ち、ひいては自分自身を自分が認めることができ、心が穏やかになっていきます。
ですので、心が穏やかになるとは決して世間体のいい自分で居られるというわけではないんですよね。
世間体を取れば自分の心は荒み、本質的な意味で自分の心の平穏を取ると嫌な奴になったり喜怒哀楽や変な解釈をする奴と思われるわけです。
6.内心怒りを溜めてる人と心穏やかな土台どちらが付き合いやすいか
結局、世間体が良いが内心怒りを溜めている状態か、相手に嫌な奴・変な奴と思われるが心穏やかな状態かどちらか選ばなければいけないってことかとガッカリされたかもしれません。
確かに、心穏やかなベースがありながら嫌なことに対して怒ったり愚痴を言ったり、悲しんだりすることで相手によっては大変そうだな、いつも心が忙しないなと思われることもあるかもしれません。
ただ、表面上では怒ったり愚痴を言っていてもその人の心の状態が整っているとその姿が愛くるしく感じるんですよね。
ここは私の完全なる主観ですが、喜怒哀楽がなくいつも楽しそう、いつも笑っている人を見たとしても相手に好印象を抱くかというとそんなことはありません。
私が直感的に見てしまうのは、その人の中にある固さやその人に対して感じる怖さです。
その人の自己防衛の意識が高かったり、こう見せたい、またはこう見られたくないと強く感じていたりすると私には固く映るし、「こうするべき」というルールが多く強い場合は、自分もその「こうするべき」攻撃をされそうだなという怖さを感じます。
この固さや怖さを感じれば感じるほど、その人とは付き合いにくいなと感じるんですよね。
だから、今回の場合、表面上は穏やかだけど内心怒りを感じている人の方が私は付き合いにくいし、喜怒哀楽があって何かに怒ったり悲しんだりしてるけれど、心の中は整っていてからっとしている方が圧倒的に付き合いやすいんですよね。
たぶん、これは私だけじゃなくて多くの人もそう感じているんじゃないかと思います。
あなたの身の回りにも、すぐ悲しむしちょっとしたことで怒るけど何か周りに愛されている人っていませんか?
その人は心が穏やかな土台が作られているんだと思います。
何でもトレードで「世間体が良いが内心怒りを溜めている状態」か「相手に嫌な奴・変な奴と思われるが心穏やかな状態」のどちらかを選ぶという感覚はその通りでそのままの感覚でいてもらったらいいのですが、実は後者について、相手に嫌な奴・変な奴と思われたとしても結果的に受け入れられて愛されますからね。
私は断然、心穏やかなベースの上に喜怒哀楽を乗せてもうという人間味ある方をお勧めします。
7.まとめ
今回は、心穏やかな状態を作るにはという話をしてきました。
きっと、読む前に想像していた話とは異なったのではないでしょうか?
自分の心の中も穏やかで何があってもポジティブな解釈をしていつも穏やかそうな顔をしている。
そんな人は理想かもしれませんが、そんな人物は”仏”であって”あなた”ではないですからね。
「”自分”で生まれたんだから”自分”を全うする」
ここから離れていけばいくほど、心はどんどん穏やかでなくなり悩みが多くなっていきます。
ぜひ、”自分”であることに開き直って、心穏やかに自分の人生を十二分に楽しんでいきましょう。
その方向転換のためにぜひ本記事を使ってもらえたらと思います。
心の平穏とは何か!?自分自身にくつろぐ感覚の広げ方も心の穏やかさについて書いているので参考にしてみてください。