- インナーチャイルドという言葉は聞いたことがあるが具体的にどんなものなのだろうか
- 自分が息苦しい理由はどうやらインナーチャイルドにあるらしい
- インナーチャイルドがなかなか癒えなくて身動きがとれない
今回のテーマは「インナーチャイルド」です。
このサイトでは専門用語をほとんど使わず心のことを説明していますが、
今回は、「インナーチャイルド」という専門用語を取り扱っていきます。
そもそもインナーチャイルドとは何なのか。
どう捉えてどう付き合っていったら良いのか。
インナーチャイルドを癒す・育て直すとはどうしていったらよいのかについて解説します。
インナーチャイルドに限った話ではありませんが、
言葉や専門用語を知り納得すると、逆にその言葉に縛られるということがよくあります。
「私が苦しいのはインナーチャイルドが傷ついているせいなのか」と理解すると、
「インナーチャイルドが癒えないと、私は幸せになれない」と無意識に自分を縛ってしまうのです。
表現を変えると、目的は幸せになることで手段がインナーチャイルドを癒すという方法のはずなのに、
いつの間にか、目的がインナーチャイルドを癒すことになり、そうしないと自分の人生は始まらないように感じてしまうのです。
ですので、ぜひ、本文を読みながら、
「幸せになるため」のインナーチャイルドの捉え方・付き合い方を理解してもらえたらと思います。
1.インナーチャイルドの捉え方
1-1.インナーチャイルドとは
まず、そもそもインナーチャイルドとは何かについて説明します。
過去(特に幼少期)に他人(主に親)によって、傷つく出来事が起きたときに、
「悲しい」「寂しい」「苦しい」「怖い」といった感情が湧いてきます。
その時に、その感情を表に出せたり、他人に理解してもらえたりしたら、
「わかってもらえた」と、その感情は成仏・完結するのですが、
感情を出すことを抑圧されたり、他人に理解してもらえなかったりすると、
未消化・未完結な感情として、自分の心にシコリとして残ります。
この未消化・未完結な感情や心のシコリのことをインナーチャイルドと言います。
このインナーチャイルドが癒えていない状態だと、
当時わかってもらえなかった思い・未消化な感情をわかってもらうために、
無意識に、当時と同じような状況を再現しようとしたり、
わかって欲しかった気持ちを吐き出せる状況を整えようとしたりするのです。
具体的、過去に嫌なことを親からされて、「嫌だ」「やめて」「悲しい」を言えなかった時に、
心のシコリとして残った場合を例にしてみます。
当時言えなかった「嫌だ」「やめて」「悲しい」を口に出して、当時の思いを完結するために、
嫌なことをする人を周りに用意したり、自ら自分を大事にしてくれなさそうな環境に身を置いたりするということです。
逆に言うと、この消化していない思いやインナーチャイルドが癒えると、
自分の気持ちをわかってもらう必要がないので、現在の辛い状況や理不尽な環境は不要なものとなり、
自分にとって幸せな選択をすることができるようになります。
このように、「インナーチャイルド=未消化の感情」というのが一般的ですが、
このサイトでは、インナーチャイルドの定義を以下のように変えさせてください。
「インナーチャイルド=心の中にいる子どもの自分」
未消化かどうか、傷ついているかどうかは関係なく、
自分の心の中にある子どもの自分、無邪気で自由奔放で自分勝手で傷つきやすくて弱くて繊細で。
そんな子どもの自分や本能的な自分をインナーチャイルドと呼ばせて頂きます。
そして、このインナーチャイルドには、
過去に傷ついて未消化な感情や傷ついて落ち込んでいる子どもの自分(一般でいうインナーチャイルド)を含みます。
これは、「インナーチャイルド=悪・消すべきもの」ではなく、
インナーチャイルド(子どもの自分)はいつも自分のなかにあり、
傷ついているところもあるし、無邪気に楽しむ瞬間もある。
その子どもの自分とどう付き合うかを理解してもらったほうが、
「幸せになるため」という当初の目的に沿い、また、私の感覚と近いので。
1-2.傷ついたインナーチャイルドの捉え方
上記の説明までで、傷ついたインナーチャイルドは癒した方がいい、
未消化な感情はちゃんと完結させなければと感じたかもしれません。
しかし、そう強く思えば思うほど、冒頭の説明の通り、
「インナーチャイルド」や「未消化な感情」という言葉に縛られます。
ゆで卵のようなツルッツルのインナーチャイルドを手に入れたら幸せになれる。
自分の中にまだ未消化な感情があるのではないかと、粗探しを始める。
もっと言うと、前世がとか、魔女狩りがとか笑
(この辺、個人的には笑ってしまいますが)
もし、気になるようだったら気が済むまでやったらいいと思いますが、
それらは、ただの遠回りだと感じています。
では、「幸せ」ということを目的とする場合、
「傷ついたインナーチャイルドを癒していく」というのをどう捉えたらよいのでしょうか。
それは、「幸せな選択をしやすくするためにするもの」と捉える。
そう、ただ単に「幸せな選択をしやすくするため」の一つの手段なだけなのです。
幸せになるために必須のものでも何でもありません。
何度も書きますが、「幸せな選択を『しやすく』するため」のものなので、
その選択が心理的にハードルが高くても、勇気を出して力を使って、
幸せな選択を意地でもしていけばいいのです。
そこに「傷ついたインナーチャイルドを癒す」ことは必要なことではありません。
この立ち位置や関係性をぜひ覚えておいてください。
もっと言うと、自分が今までしたことのない何かをする時に心理的な抵抗があることを、
インナーチャイルドのせいにしないということです。
誰でも今までしたことがないことをするときは抵抗を感じます。
勇気がいるし、怖いです。
それを「インナーチャイルドが」というのは、
「怖さを避けて勇気を出さないでいられる」という現状維持の安心を得ているだけという場合も多々あります。
逆に、後述しますが勇気を出して行くことによって傷ついたインナーチャイルドが癒されてもいくのです。
ちょっと厳しい表現になりましたが、現状が辛くて何とかしたいという場合、
やはりどこかでこの勇気を出すタイミングが必要です。
そこは、そこだけは意地でも頑張るということを覚えておいてください。
2.傷ついたインナーチャイルドは簡単に癒せる
そして、もう一つ覚えておいてほしいのが、
傷ついたインナーチャイルドは簡単に癒せるということです。
小さな頃の親は、当たり前ですが自分の両親です。
自分の両親はもちろん他人なので、昔、自分が望むような言葉をかけてくれなかったこともあるし、
して欲しかったことをしてくれなかったこともあると思います。
しかし、大きくなった今「自分の親は自分自身」です。
自分の中の子どもの自分:インナーチャイルドに対して、
自分の中の大人な自分、理性的な自分がインナーチャイルドにとっての親なのです。
つまり、小さな頃は、他人である両親は思い通りの接し方をしてくれなかったかもしれませんが、
大きくなった今、自分は自分が求めていることがわかるので、
理想通りの接し方を自分にすることができるということです。
(ものすごいラッキーですね笑)
だから、今から理想通りの、当時して欲しかった子育てを、
当時にさかのぼって自分にしてあげたらいいのです。
何の抑圧もせず、感情を素直に出させてあげて、寄り添ってあげる。
それだけで、傷ついた子どもは元気を取り戻して行きます。
そんな難しいことではなく、ただ単に当時の子育てを一番の理解者である自分が子育てをやり直すだけなのです。
3.傷ついたインナーチャイルドを育て直す方法
3-1.傷ついたインナーチャイルドを癒すイメージワーク
それでは、幸せな選択を『しやすく』するための
傷ついたインナーチャイルドを癒すイメージワークを紹介していきます。
イメージワークのやり方は以下となります。
1.軽く目をつぶる
2.過去の傷ついた出来事を思い出す
3.その時に言いたかったことを言う
怒りをぶつける、わかって欲しかったことを言う
4.言って欲しかったことを自分に言う
して欲しかったことを自分にしてあげる
2番で思い出す出来事は、現在の困っている状況と似た小さい頃の出来事や、
現在の状況でもし何でも言っていいとしたら言いたいことを、
昔にも言いたかったことはないかと考えながら、思い出す出来事を特定してみてください。
3番ではイメージの中なので、相手に手加減することなく、
ちゃんと怒る、ちゃんと相手を責める、言いたいことを思いっきりいうことを意識してみてください。
そして、最後に昔して欲しかった理想通りの子育てを当時の親に変わって、
今のあなたが自分にしてあげてください。
ワークが終わった時に少しでも落ち着いたりほっとした気持ちになったら、
過去の傷が癒えている証拠です。
このワークを毎日しばらくの間続けてみてください。
しばらく続けていると、ふと「もうワークをしなくていいかな」という時が来るので、
そこまでやってみてくださいね。
注意点として、もし2番の出来事が思い浮かばない場合は、
無理に思い出す必要もワークをする必要もありません。
思い出せないことはないことと一緒なので、
わざわざ過去のシコリを見つけにいかなくても大丈夫です。
イメージワークもそこそこに次の「インナーチャイルドにメッセージを伝える」というのをやってみてください。
3-2.インナーチャイルドにメッセージを伝える
次に、インナーチャイルドにメッセージを伝える方法を紹介します。
まず、直接、自分自身に自分が言ってほしいこと伝えるというのが一つ目の方法です。
- よく頑張っているね
- あなたのことが好きだよ
- そのままのあなたでいいからね
上記のような言葉を自分に投げかけてあげるということです。
ぜひ、自分に対して事あるごとに優しい言葉をかけてあげてください。
よく、インナーチャイルドというと上記のようなイメージワークに取り組むと思います。
そして、今回、自分にメッセージを伝えるという上記の方法を紹介しました。
そして、あともう一つ、この2つ以上に大切なのに、
なかなか話として扱われることがないとっておきの方法があるので、ぜひ注力してやってほしいと思います。
その前に少しまとめます。
ここまでの話を読んでイメージしてもらえるかと思いますが、
インナーチャイルドとは、自分の中にいる子どもの自分です。
そして、いわゆる親が大人の自分です。
自分の中にいる子どもの自分を否定して押さえつけ悲しませたまま、
日常がうまくいかないというのもシンプルに納得してもらえるかと思います。
だから、イメージワークで子どもの自分の子育てをやり直す。
語りかけでインナーチャイルドに元気を取り戻してもらう。
しかし、家の中で「あなたは素敵な子だよ」と伝えながら、
外で世間話をする時に「うちの子なんてダメな子で」と自分の親が喋っていたら、
子どもの自分はどう感じるでしょうか。
きっと傷つくのではないでしょうか。
家では調子のいいことを言ったって、結局自分のことを否定するんじゃないか、と悲しくなると思います。
だから、外で自分の子どのについて喋る時も、
「この子は素敵で大事な子なんだ」ということを表現してみてください。
要は、他人と接するときも自分を大事にしていくということです。
- 嫌だと感じたら嫌だと言う、断る
- 好きなことをする
- 楽しくないところにはいない
- 嫌われても自分を優先してみる
- 弱さを見せる
他人に表現するということは、
その部分を自分が自分に対して許していることと同じことです。
これは、自分に語りかけるよりももっとダイレクトに、自分へメッセージを伝えることになります。
逆に、自分に語りかけるときは優しい言葉をかけても、
他人と接する時に自分を隠したり装ったりすると、
それは「そんな自分ではダメだ」というメッセージを自分に投げかけているということです。
ぜひ、この話を忘れないでもらえたらと思います。
今まで否定してきた部分を他人に表現していくことはとても怖くてとても勇気がいることです。
しかし、表現できた瞬間から、自分やインナーチャイルドを強烈に肯定することにつながります。
そして、その経験を通して、
他人に好かれてインナーチャイルドに嫌われるより、
他人に嫌われてもインナーチャイルドと仲がいい方が幸せで、
あらゆることがいい感じに進みだすことに気づいてもらえると思います。
4.まとめ
インナーチャイルドの捉え方とインナーチャイルドを育て直す方法は以上となります。
前半でこのサイトではインナーチャイルドの定義を、
未消化の感情や癒えていない心の傷だけではなく、自分の中にいる子どもの自分とさせてもらいました。
それは、未消化の感情や心の傷を癒したら、それでおしまいということではないと私は思っているからです。
自分の中にいる子どもの自分とこれからも一生付き合っていくし、
子どもの自分を大切に優しく扱うのはこれからもずっと続けてほしいという思いがあります。
傷ついた自分もそれによって悲しんでいる自分も自分ですからね。
それを消して、「はい終わり」ということではなく、
悲しんでいる自分も愛でながら、仲良くやってもらえたらと思います。
自分にしか可愛がれない尊い存在ですからね。
過去に傷ついて悲しい思いをしたあなたなら、きっとこのニュアンスを感じてもらえると思います。
というわけで、「インナーチャイルド」という言葉にとらわれず、
幸せな選択をしやすくするために、ぜひインナーチャイルドを育てなおしてみてください。
そもそも「幸せな選択とは何か」「幸せとは何なのか」という方は、
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