人と臨戦態勢になる理由!敵視を辞め人と深く繋がるには

他人といるときはいつも肩肘を張って疲れる。
素直に気持ちを伝えられずいつもすれ違いを起こしてしまう。
そんなつもりはないのに気がつくと相手を攻撃している。

「私はいつも相手のことを敵視しているなぁ」

今回のテーマは「敵視」「臨戦態勢」についてです。
相手を敵だと見なしいつでも戦える態勢でいると、なかなか他人と良好な関係は築いていけません。
相手も攻撃されて傷つきたくありませんからね。

だから、相手のことを敵視して臨戦態勢を整えておくのではなく、味方だと認識して受け入れ態勢を作っていけばいいわけです。
ただ今までしてきて敵視をいきなり仲間意識に変えていくことは難しいです。
しかし、安心してください。
自分の心の中を知り適切なステップを踏んでいくことで、周りの人を愛くるしい仲間だと認識していくことができます

相手を敵だと思って身構えるのか愛くるしい味方だと思うのか、人付き合いの楽しさと人生の充実感が変わってきます。
ぜひ、幸せな人間関係を作りながら人生を一緒に笑い、楽しさや悲しさを共有しあえる仲間を作ってもらえたらと思います。

1.臨戦態勢を取る心理

まず、臨戦態勢を取り相手を敵視する自分の心の中を知ってもらいたいと思います。
一言で表現すると、「怖い」からです。
不意な一言で自分が攻撃されたように感じて自分が傷つくのが怖いから、ファイティングポーズを取ろうとしているということです。

「城に敵が攻め込む前に相手の大将の首を取ったらぁー!!」
と、攻撃に転じているわけです。

しかし、その心の奥にあるのは自分が傷つくことがとても怖くとても不安な気持ちがあります。
その怖さや不安が良いとか悪いというわけではなく、自分のことをわかってあげてくださいということです。

何も人を攻撃して相手を倒したいわけではなく、ただただ自分が傷つくのが怖いだけで、自分とはとてもかわいい存在だということです。

2.相手も実は怖い

そして、相手も実は怖いのです。
相手も自分と同じように傷つくことをとても怖がっています。

あんなに強いように見える人も自信満々に見える人も、自分と大して変わりません。
否定されたら傷つくし怖いことだってある。失敗するし自信はないし。
「自分だけ」と感じることもみんな大体そうなんですよね。

だから、あなたが相手を敵視して臨戦態勢を取るとき、相手も攻撃されるのは怖いと感じ同じように臨戦態勢を取るわけです。
これでは仲良くなりようがありませんよね。

しかし、相手も自分と同じように相手と仲良くしたいし穏便に平和に暮らしたいだけなのです。
だから、見方を変えると面白いですよね。

相手と仲良くしたいけど怖がりな者同士が様子をそろーっと伺っている感じです。
面白いという表現は伝わりにくいかも知れませんが、自分を含めてみんな愛くるしい存在だということです。

3.臨戦態勢と敵視が自然となくなる心のベース

では、ここから、どうしたら臨戦態勢をやめて相手とスムーズにコミュニケーションが取れるのかについて話をしていきます。

一番大切なことは、自分の心のベースに安心感や大丈夫といった気持ちを作っていくことになります。
これは、臨戦態勢や敵視だけの話ではなく、人生がとても豊かに幸せになっていくことでもあります。

自分の心のベースに「大丈夫じゃない」という不安が広がっていると、ちょっとしたことでも「大丈夫じゃない」という不安が発動し、事態を大きくします。
相手に言われた言葉一つを拡大に解釈して、深く大きく傷つき相手を親の敵のように思い反撃したくなるし、深く傷つくことをなんとかして阻止しなくてはいられない心理状態になります。
一方で、心のベースに「大丈夫」という安心感があると、傷ついたり嫌な気持ちがするかもしれませんが自分が大丈夫なことがわかっているので、どこかで落ち着いて平穏な感覚を保っていることができます

この感覚はどんな場面でもそうで、「大丈夫じゃない」と周りを警戒して失敗しないように肩肘張って生きるのではなく、心の底で安心感を抱いて自他共に受け入れ、目に入る景色を穏やかに楽しんめる方が幸せです。

4.大丈夫とは何か

そして、ここで理解して欲しいのは大丈夫とは何かということです。
一般的な感覚では、大丈夫とは「うまくいっているから大丈夫」というニュアンスが強いと思います。
心のベースで持って欲しい大丈夫とは、「ダメでも大丈夫」という感覚です。

  • 失敗しても大丈夫
  • 否定されて傷ついても大丈夫
  • 自分はどんな自分でも大丈夫

特に、「自分はどんな自分でも大丈夫」という感覚が広がっていくと、とても盤石というか安定していますよね
うまくいっているから大丈夫、周りに認められているから大丈夫、受け入れられているから大丈夫というのは、一見、とても良い状態に見えますが条件付きの大丈夫です。
その条件が崩れてしまうと途端に「大丈夫じゃない」という状態に変わってしまいます。

だから、「うまくいっているから大丈夫」という安心感を「ダメでも大丈夫」に広げてみてください。

5.大丈夫の広げ方

では、どうやったら「ダメでも大丈夫」という感覚になっていくのかという話をしていきます。
一言で言うと、「ダメな自分を許してダメな自分を表現していく」ということです。

ダメな自分を他人に見せたら否定されるし攻撃されると感じるかもしれませんが、それは妄想です。
ダメな自分を否定し攻撃しているのは、他人ではなく実は自分なのです
自分が自分を否定しているから相手も自分を否定しているように感じるし、相手の言動がより怖くなります。

だから、そんなダメな自分を自分が許してしまえばものすごく生きやすくなります。
では、どうやって自分を許していくのかというと、”自分”を表現していくということになります。

「こんな自分を出したらダメだ」と感じ必死に隠したり克服しようとしたりするという行為は自分を否定していることであり、自分を許していないということです。
自分を許していたら隠す必要も改善する必要もありませんからね。
だから、「こんな自分でもいい」「自分を許す」と自分に言い聞かせながら、ダメな自分を相手に伝えていってください。

相手に伝えるとは何も、私は腹黒い人間で冷たくて何もできない人ですと伝えることではなく、ただそういう人間として振る舞えばいいだけです。
腹黒い行動をしたり冷たい言葉を言ってみたり、できないことはできないと素直に言う。
ただ、それだけで「自分」を外側に表現したことになります
そして、それは、はじめて自分が自分を許し認めたことになるのです。

6.自分を否定するサイクルから自分を受け入れるサイクルへ

そうやって、自分を許し認めながら安心のベースを固めるサイクルを回してもらったらと思います。
逆に言うと、今までは安心のベースが育たないスパイラルの中にいたということです。

あんまり好きな言葉ではありませんが、自己肯定感という言葉があります。
自分をどれだけ肯定しているか、という意味で捉えてください。

この自己肯定感が低いと相手に否定されることがものすごく怖いものになります。
自分が自分を肯定していないので、他者から否定されることはダイレクトに心に突き刺さるのです。
だから、否定されないように自分を表現せず相手に合わせる言動をします。
すると、自分を表現して自分を認める機会がないため、自己肯定感が育たない。

こういったサイクルを回しているんですよね。
これをどこかで断ち切ってみてください。
サイクルのどこで断ち切るかというと、やはり「自分を表現しない」ということを「自分を表現する」に変えるということです。

自己肯定感は自己表現でしか上がらないし、相手からの否定が怖いものが怖くない風には変わっていきません。
自分が意図して変えることができるのは、怖くても自分を表現していくというところです。

そして、自分を表現していくことで自己肯定感が上がり他人から否定されたとしてもそれほど気にならなくなります。
すると、さらに自己表現をしやすくなる、という気持ちよいサイクルを回していくことができます。

7.ダメな自分でも大丈夫になると

そうやって、「ダメな自分でもいいんだ」「ダメでも大丈夫なんだ」という感覚を広げていってください。
今ある不安や自分を駆り立てる気持ちがどんどん穏やかな気持ちになっていきます。

そして、どんな自分も受け入れていくと、相手も自然と受け入れていけるようになります
例えば、冷たい自分はダメだと否定していると、冷たい言動をする相手を見たときにルール違反だと感じ相手を矯正したくなります。

それは相手にとっては否定だし、不必要なアドバイスであることが大半です。
そして、否定されたと感じた相手はあなたに対して警戒するのです。
つまり、敵視をし臨戦態勢を整えるという自己防衛をしはじめます。

これが、冷たい自分を自分が受け入れているとどうなるかというと、冷たい言動をする相手に対して「自分と一緒だ」と自然と共感が沸くのです。
相手のダメなところは矯正すべきところではなく、ただ愛くるしい部分や共感できる部分に変わっていきます

すると、相手と戦う必要もないし相手を敵だと思う必要もなくなります。
否定し合う対戦相手から似た者同士の仲間になるわけです。

無理に相手を受け入れようとしても受け入れることはできません。
それは相手を受け入れられていないのではなく、自分を受け入れていないからです。
自分のダメなところを嫌っているのに相手のダメなところを許すことはできません。

だから、自分のダメなところ受けれてしまってください。
そうすると、相手のダメなところも自然と愛くるしいものに変わります。
敵対するコミュニケーションからお互いを面白がれるコミュニケーションに変わる
それはとても楽しいことで相手と深く関係を築くことができます。
ぜひ、自分を許し心を平穏にしながら、目の前の相手と素敵な関係築いてみてください。

8.まとめ

今回は臨戦態勢や敵視についてまとめました。
なぜ、臨戦態勢になり相手を敵視してしまうかというと、相手から攻撃されるのが怖いからです。
自分のダメなところが露呈し否定されることを極端に怖がるからファイティングポーズを取ろうとします。
だから、先に自分が自分のダメなところを受け入れて心のベースに安心を作ってしまうと、相手と戦う必要はなくなります

そして、実は自分だけではなく相手も否定されることを怖がっています。
相手も自分と変わらないんですよね。
だから、「相手と仲良くなりたいけど否定されると怖い」と警戒し合っている者同士がそこにいるということです。

臨戦態勢を取っている二人の心の内が分かってしまうととても愛くるしいですよね。
お互いに仲良くしたい子猫が相手を警戒するような。
子猫を見て仲良くやったらいいと感じるように、自分も相手と仲良くやったらいいですよね。

そして、最後に鎧を先に脱ぐのは自分だということも覚えておいてください。
それは、相手が鎧を脱いで「私は丸腰です」と白旗を振ってくれたらあなたは安心して近づけると思います。
しかし、なかなか待っていてもそういう状態にはならないので、自分から先に鎧を脱いでしまってください。
そんな人はかっこいいですよね。

そうならなければ楽に幸せになれないということではなく、個人的な感想ですが、そんな人はかっこいいし憧れます。
俺もそんな人になっていこう笑

というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました。
臨戦態勢に関連して人を信じられないという場合は、人を信じられない苦しさから抜け出す方法も読んでみてください。