子供を愛せない親かも!子供を愛せない深層心理と子供への愛情を育むには

子供を愛したいと思うのに愛せない時、罪悪感で苦しくなるかもしれません。
この記事では、子供を愛せない苦しさをどう解消していくのかについて説明していきます。
また、子供を愛せない辛さの解消にとどまらず、子供が愛おしくなる気持ちに自然と変わっていくので楽しみに読み進め、実践していってくださいね。

1.子供を愛せない病気はない

子供を愛せないと情報検索したり対処法を探したりする中で、もしかしたら愛着障害などの言葉を見て自分は病気や障害なのかもしれないと感じたかもしれません。
しかし、子供を愛せない病気や障害を先天的に持っているパターンは極めて少ないです。

もちろん中には脳に障害を負っていることにより人を愛せないというケースはありますが、愛着障害をはじめ心理系で言われているあらゆることは先天的なものではなく、自分が幼少期の頃の親との関わりで育まれたものです。
ですので、「自分は子供を愛せない、そういう病気なんだ」と絶望しないでもらえたらと思います。

先天的なものは心のことをやっていっても変わることはありませんが、今に至るまでの過程で育まれた後天的なものであれば解消できてしまいます。
自分が子どもを愛せないのは先天的なのか後天的なのか現段階ではもちろんわからないと思うので、とりあえず本記事で紹介する方法を試してもらえたらと思います。
個人的には99.9%の方が後天的だと思うし、心理カウンセラーとして500名近くの方に相談してもらいましたが、先天的に脳に障害を負っていると感じた方は一人もいませんでした。

ぜひ、子育てに関して楽になっていってもらいながら子供を可愛がってもらえたらと思います。

2.子供を愛せない理由

では、なぜ現在子供を可愛く思えず愛せない状況になっているのか、ここから話をしていきたいと思います。

2-1.自分を愛せていないから

まず、一つ目の子供を愛せない理由は「自分を愛せていないから」です。
この後、子供を愛せない理由をあと2つ紹介していきますが、この「自分を愛せていないから」というのが一番大きな理由となります。

なぜ自分を愛していないと子供を愛することができないのか、ここにも理由は色々あるのですが、一番大きなものは「自分に接しているように他人に接するから」です。
人間関係にある程度の距離がある時は、『他人様用』の接し方を用意して丁寧に優しく相手に接することはできます。
しかし、この距離感が縮まってきて身内のような感覚になってくると、自分に接しているように相手にも接するようになります。

自分に厳しくしている場合は相手にも厳しく。
自分をないがしろにしている場合は相手にもないがしろに。
自分を「どうでもいい人」と扱っている場合は相手にも「どうでもいい人」として扱うことになります。

そして、子供はこの距離感が最も近い存在であり身内も身内ですよね。
だから、自然と普段自分を扱っているように子供のことを扱うようになります。
つまり、「自分を愛さない」という関わり方をしていたら、自然と「子供を愛さない」という関わりになってしまうということです。

2-2.愛されている子供に対する嫉妬

二つ目の理由は、子供を愛せば愛するほどその子供に対して嫉妬心が湧いてしまうからです。

よくあるケースとして、自分は子供の頃に愛してもらえず自分が親になる時には子供を愛して温かい家庭を作っていきたいと考える場合があります。
潜在的に自分の子供を愛することによって、過去の自分を癒したいと感じているケースです。

そうやって、自分の子供を愛していくのですが子供を愛せば愛すほど、「私はこんなことしてもらえなかったのに」という嫉妬の気持ちが大きくなっていきます。
子供を愛したいはずなのに嫉妬して嫌な気持ちがするから愛したくない。
そんな矛盾を抱え、愛することに大きなブレーキが存在するため、シンプルに子供を愛することができないということになります。

2-3.ダメな親を突き付けられている気がする

三つ目の理由は、子供が思い通りの言動や成長をしない事で「ダメな親」を突き付けられている気がするからです。

自分にダメ出しをする癖がある人は、もしかしたら子供の自分勝手な性格であることや発育が遅いことを自分のせいだと感じ自分を責めてしまうかもしれません。
人は、嫌な気持ちの発生源に対して嫌いと感じるので、自分責めを生む存在や姑から小言を言われる原因を作り出す存在である子供に対して嫌いという感情が湧くことがあります。

3.子供を愛するには

では、それぞれどうしたら子供を愛せるようになるのでしょうか。
ここから説明していきますね。

3-1.自分を愛せていないから

まず、自分を愛せていないから子供を愛せないに関しては自分を愛していきましょう、ということですね。
ただ、自分を愛するというと世間的なイメージで自分を労ったり自分にご褒美をあげるなんてことを想像するかもしれません。

しかし、心のことで言う「自分を愛する」とはそういったものとは異なります。
自分を愛するとは下記になります。

①捨てた性格を取り戻す
②自分の気持ちを無視しない

人は今に至る過程の中で、人から嫌われたり否定されたりして「これはいい性格」「これはあってはいけない性格」と性格の良い悪いを判断し、悪いと判断された性格を捨ててきます。
本来は全ての性格があるのが「自分」のはずなのに、自分の一部の性格を否定し切り捨てしまうということです。
この否定し切り捨てるという行為は「本来の自分」に対してとてもひどいことをしている(=愛していない)ということになります。

また、我々は自分の気持ちも無視して生きていることが多いです。
「これを言ったらあの人はこう思うだろう」「嫌われたくない」「こういうのが正解」そうやって、自分の気持ちを封印して「立派な人」「大人」「常識的な人」として振る舞います。
自分の気持ちを無視して封印しているというのは、自分を大事にできていないということであり自分をないがしろにしています。

だから、①捨てた性格を取り戻して、②自分の気持ちを無視せず採用するということが自分を本質的に愛していくことになります。
捨てた性格を取り戻すと言っても傍若無人になるということでもないし、自分の気持ちを無視しないと言っても相手を傷つけるようなことを積極的に言っていこうということでは全くありません。
①捨てた性格を取り戻し方については満たされない理由と虚無感を生む「心の穴」の埋め方で、②自分の気持ちを無視しないに関しては自分を愛するとは!心が満たされていく自分の愛し方に書いてあるので必ず一読してください。

3-2.愛されている子供に対する嫉妬

次に、自分は愛してもらえなかったのにこの子だけ愛してもらえてズルいと嫉妬しているパターンについてです。
このパターンの場合、潜在的に自分の子供を愛することで過去の傷が癒え、傷ついた子供の頃の自分を育むことができると感じています。
しかし、自分の子供を愛することと自分の過去の傷を癒すことは全く別物なので、まず、そのことを覚えておいてください。

過去の傷と何か他のもので癒す必要はなく、過去の傷は過去の傷として癒していけばいいのです。
そして、過去の傷を癒すことで「昔、自分はもらえなかったのに!」という嫉妬の気持ちを我が子に感じなくて済むようになります。

では、過去の傷を癒すにはどうしたらいいのかというと下記二つの方法があります。

①過去の傷を癒すイメージワーク
②自分を愛する

過去の傷を癒すには「その時の本音を自分が分かってあげる」ことが必要になります。
その本音を自分が分かってあげるイメージワークがあります。
これは、以前にYouTubeで撮影したものがあるので、ぜひ繰り返しイメージワークをしてみてください。

段々と自分の心の傷が癒え、過去を過去として完了することができます。

また、上記で説明した自分を愛する方法によって過去の傷も癒えていきます。
過去の傷とは雑な説明をしてしまうと「愛してもらえなかった」という傷であり、愛してもらえなったからこそ親や他人に愛してもらうことによって昔叶わなかった願望を手にしようとしています。

しかし、昔、自分が小さな頃の親はもちろん両親なのですが、今の親は実は自分自身です。
物心ついて自分で考えられるようになったタイミングで役割分担は変わるんですよね。
ここ、とても重要なので覚えておいてください。

だから、「親に愛して欲しかった」という思いは親や他人に実現してもらっても「親に愛して欲しかった」という願望を叶えることはできません。
そうではなく、自分が自分を愛するということです。
親である自分自身が自分を愛することによって、過去の「親に愛されなかった」傷は癒えていきます。

ぜひ、自分が親になって今から自分をかわいがることによって自分を愛情いっぱいに育て直してあげてください。
過去の傷が癒えて心の底から暖かい気持ちが湧いてきます。

3-3.ダメな親を突き付けられている気がする

最後の子供を愛せない理由は「ダメな親を突き付けられている気がするから」というものでした。
ダメな親を突き付けられ嫌な気持ちがする原因(=子供)を嫌いと思う心理が働いているということでしたね。

だから、子供が自分の思い通りになって自分をいつも気持ちよくしていてくれたら子供に対して嫌いな感情が湧かなくて済むのですが、子供がそうなることはありませんよね。
でも、多くの人は本当にこれをやりがちで、思い通りにならない子供に対してイライラをぶつけたり脅しを入れることによって子供をコントロールします。

これではお互い苦しいし悲しいコミュニケーションですよね。
自分が楽に幸せになるために向けるべきベクトルは他人ではなく、必ず自分自身になります。
これもとても重要な話なので覚えておいてください。

他人を変えるではなく自分が変わっていく。
具体的に何をしたらいいかというと、「受け入れること」をしていってください。

今、受け入れたくない何かがあるから、子供に対して嫌悪感を感じるし子供をコントロールしたくなっています。
それは、人からダメ親に見られたくない。
子育てができない親だと思われて劣等感を感じたくない。
など、逃れたい何かがあるわけです。

それを、子供を思い通りにコントロールすることで逃げようとして、逃れられなくて子供が嫌いになっているわけです。
だから、そこを逃れようと思わずに受け入れるということが大事になってきます。

ダメな親であることを受け入れる。
子育てがうまくできない人であることを受け入れる。

ということです。
そして、それは劣等感を感じて卑屈に生きていきましょうということではなく、受け入れるということは開き直って堂々とそういう人として生きていくということです。

確かに、子供は暴れる時もあるし物に当たる時もあるでしょう、感情も爆発することもあります。
そして、それをどうにかできない自分もいるかもしれません。
しかし、そんな自分がダメかというとそんなことないんですよね。

できるから良い、できない自分はダメ、そんな善悪思考を辞めて、そんな自分も自分だと受け入れてしまってください。

また、「こういう子供はダメ」「こういう子供はOK」というところも自分が楽に生きていける「受け入れ」のヒントがあります。
子供に対してダメや良いと感じるということはそこにも善悪思考があるということです。

その善悪思考に囚われ、自分の言動を制御することも生きづらくなるので、ぜひ、「子供がダメなことをしてもいい」というところを許しながら自分に対してもそうすることを許してみてくださいね。
自分に対しての縛りが厳しいと他人に対しても自然と縛りがきつくなり、縛りがない人を見ると嫌な気持ちになり嫌いになります。

逆に、きつい縛りを自分に対して緩めていくことによって、他人の言動にも自然とおおらかになれます。
ぜひ、自分に対しての縛りを緩めていってもらえたらと思います。

4.子供を愛せない理由おまけ

また、これは心のこととは少し異なるのですが、子供を愛せない理由として自分がキャパオーバーになっていることも多いです。
自分の出来る範囲を超えて子供のために色々やろうとしているということです。

人は自分に余裕がない状態で人に優しくできない生き物なので、まず自分に余裕を作ることを考えてみてください。
もしかしたら、時期的にそんな余裕を作ることさえままならない方もいるかもしれません。
「そんな時はそういう時期だからな」と割り切り、自分を責めないことも自分を追い詰めない上で大事です。

キャパオーバーという言葉にピンと来た方は限界を超えているから今は仕方ない、と割り切るとともに、大いに周りの人の助けを借りてみてください。
自分がそこまでは人を頼れないと感じる10倍ぐらいは人の力を借りていいと思います。
ぜひ、一人で抱え込まず子育ての大変な時期をやり過ごしてくださいね。

5.まずは子供を愛せない自分を許す

以上が子供を愛せない理由と子供を愛していく方法になります。
この方法を試していくことで自然と子供を愛おしく感じる自分がいることに驚いてもらえます。
ただ、子供を愛することに躍起になるのは実は子供を愛せない自分自身への否定という側面があります。

上記で「自分を愛する」「自分を許す」という話をしましたが、子供を愛せない自分を否定するということはその逆方向に進んでいるということです。
ですので、一度、「子供を愛せなくていい」と子供を愛せない自分も許してみてください。

子供を愛せない自分を許しながら、どんな自分でも自分を受け入れていく。
その過程で、どんな自分でもそれでよかったことが腑に落ちたら、子供を自然と愛せている自分を発見してもらえます。

「こうすると望んでることが手に入るよ」なんて言うと、それを手に入れるために現状の自分を否定することはものすごくやりがちなことです。
全ては現状を肯定することから始まるので、現状を肯定しながら淡々と自分を愛し、過去を癒すということをしていってください。

6.まとめ

今回は子供を愛せない悩みについてまとめました。
生まれ持って他人を愛せない方は一定数いますが、ほとんどの方は他人や自分の子供を愛することができます。

ただ、本文で紹介したような心の偏りがあることによって、「愛する」ということが疎外されてしまうので、ぜひ自分の心を整え大事な存在を大事な存在として可愛がってもらえたらと思います。
それは、子供は愛するべきだから愛するのではなく、自分の人生や子育てを豊かにしたり愛する対象があることは幸せだったりするよね、というニュアンスで大丈夫です。

どんな自分でもそれでよく、また、少しくらい自分本位でいい。
そんなスタンスによって、心が整い回りまわって相手のことを考えられたり相手を愛することができます。

ぜひ、実践しながら子供との関りを色んな意味で楽しんでもらえたらと思います。
もし今子供が小さくて子育てに限界を感じている場合は、子育てに関して気持ちが楽になる「辛い子育てが楽なるたった2つのアプローチ」を参考にしてくださいね。