もし、あの時あんなことを言わなければ恋人と別れることもなく幸せだっただろう。
もし、あの時勇気を出せていたら今の人生は変わっていただろう。
もし、あの時注意していたらあんな事故は起きなかっただろう。
「人生やり直したい」
今回のテーマは、人生をやり直したいという気持ちを扱っていきます。
過去のことを後悔しても何にもならない。
そんなことはわかっているが、どうしても過去の出来事にこだわってしまう。
そして、そこから動き出すことができない。
過去の自分を呪って恨んで、自分を責めることはとても辛いことです。
その辛さから自分を解き放って、
楽に軽やかに自分の人生をやり直してもらえたらと思います。
人生をやり直すとは、
過去のその時にさかのぼって、行動や選択を変えるということではありません。
しかし、過去に戻ってやり直さなくたって、人生はいつからでもやり直せるのです。
「今からまた人生を始めよう」と決意したところから、物語はまた進み出します。
ぜひ、過去への想いを完結させて、新しい物語を作り始めてみてください。
1.過去への想いを感じる時間も必要
過去への想いを完結させる前に、
過去への想いを感じる時間もちゃんと設けて欲しいと思います。
自分のしてしまったことやしなかったことを悔やむことや、
そんな自分を責めることはとても辛いことです。
なるべくなら、そんな辛さを感じたくない。
この記事を読まれている方の中にも、その辛さを感じたくないから、
人生をやり直し、今の辛さから解放されたいと思っている方もいるかもしれません。
しかし、ぜひ、辛くても自分の気持ちを感じる時間を作ってみてください。
思い出すと辛いから、仕事に没頭したりお酒を浴びるように飲んだりしても、
どこかで自分は気づいています。
その気持ちを箱に入れて蓋をしたとしても、
失ったものや得られなかったものに対する思い入れが強ければ強いほど、
その思いが暴れだすのです。
だから、そこに存在する気持ちをなかったことにするのではなく、
一度、ちゃんと味わってみてください。
そんな時間を数週間または数ヶ月作ってみてください。
2.過去への想いを完結させる
それでは、ここから過去への想いを完結させる方法について紹介していきます。
2-1.自分を責めたいときは一度ちゃんと責める
上記で、気持ちに蓋をして見ないようにするのではなく、
一度ちゃんと感じるという話をしました。
その感じる気持ちの代表的な一つとして、「自分を責めたい」という気持ちがあります。
本当は自分を責めたいのだけど、辛いからそれを回避していると、
いつまでも過去への想いに区切りがつかず、
「その気持ちを感じたくない」という発想から何かをし始めたり自分にルールを課したりします。
しかし「その気持ちを感じたくない」という起点は、その気持ちにとても縛られているということです。
いつも薄べったり自責の気持ちを感じている状態になります。
ですので、一度、感じたくない「自分を責めたい」という気持ちを感じて、
自分を思いっきり責めてください。
責めきることで、海底に足が付きます。
ここが底だと分かったら、後は上がってくるだけなので、
一度、底まで責めきってみてください。
2-2.許してあげる
そして、自分を責めきったら今度はそんな自分を許してあげてください。
今、振り返ると、色々な選択肢や最善の方法は考えつくかもしれません。
しかし、当時の自分はその選択や言動を選んだのです。
思っていないことをふと言ってしまったかもしれません。
そこに不注意や勘違いがあったかもしれません。
勇気が出なかったのかもしれません。
それでも、その当時の自分は一生懸命生きていました。
当時の自分はそれが精一杯だったのです。
そんな自分をあなただけは許してあげてください。
というか、あなた以外にあなたを責めている人はいません。
理想の自分でない自分を否定して切り捨てるのではなく、
不完全で失敗もして弱く情けない自分を許してあげてください。
そんな自分をあなた自身が守ってあげてください。
どんな自分でもそこに罪はありません。
してしまったそれも、罪ではないのです。
そして、それを許せるのは自分だけです。
ぜひ、自分に優しくなって許してあげてください。
3.過去に生きるのではなく今に生きる
過去の気持ちに区切りが付いたら、先に進んでいきます。
逆に、先に進むことで過去の後悔が形を変えるということは大いにあることです。
ですので、上記の責める・許すを十分にやったなと感じる方は先に進んでみてください。
3-1.後悔するのは過去に生きているから
ここからは先に進む話をしていきます。
その”先”とはどこかと言うと、「今ここに生きる」ということです。
そもそも、後悔するというのは、「過去に生きている」ということです。
自分のフォーカスが今に当たっているのではなく、
過去のその時に、フォーカスが当たったままになっている。
「あれがなかったら」「あの時ああだったら」と、過去の話をしているのです。
しかし、過去には戻れないし、過去は変えられない。
だから、過去に当たったままになっているフォーカスを今に向けるだけです。
このフォーカスが今に当たれば、過去の後悔は意味合いが変わっていきます。
- あの出来事があったから、今は本当に大切なことがわかる
- あの時辛い思いをしたから、その話をすることで人に勇気付けをすることができる
- あの時、勇気を出せなかったから、逆に今自分の人生を力強く歩いていけている
過去の出来事そのものは変わらなくても、
その出来事に紐づく解釈はいくらでも変わっていくのです。
そして、この解釈が変わるというのは過去の出来事が変わったようなものなのです。
あの出来事があったから自分の人生は台無しだ。
あの出来事があったから今は大切なものを大切に思える。
「あの出来事」自体は変わっていなくても、解釈が変わるとはこういうことです。
3-2.フォーカスを今に当てる方法
では、どうやってフォーカスを今に当てて、過去の出来事の解釈を変えていくのでしょうか。
フォーカスを今に当てる方法は、「今、勇気を出す」ということです。
「今、できることをする」ということです。
もし、誰かとの関係が壊れてしまったのなら、その関係を修復するようなアクションをしてみる。
関係が修復できなさそうなら、新しく関係を作るアクションをしていく。
あの時にしなかったことで後悔しているのなら、今やり始めてみる。
カタチは違ったとしても、やりたかった想いを実現することはできます。
今できることは何ですか?
今更でもいいのです。
もう遅い、そんなことは聞いてないのです。
今できること、今から始められること、それをぜひ勇気を出してやってみてください。
また、もしかしたら、「人生やり直したい」という気持ちは「今、勇気を出したくない」
という気持ちが隠れているのかもしれません。
今、勇気を出さない正当な理由として、「あの時ああだったら」「もう遅いから」を用意したのかもしれません。
変えられない過去に理由をおけば、行動しない理由としては盤石ですからね。
もし、そうであるなら、いくら過去を呪っても「あの時」といくら声を大にして言ったとしても、
今の苦しさや悩みは変わっていきません。
悩みの本質はそこにないからです。
「勇気を出さなくていい理由として何かを用意した」のであれば、
「その何かが解消したら勇気が出る」という話ではないのです。
その何かが解消してしまったら勇気を出さなければいけないから、その何かは解消するわけにいかないですから。
「どれだけ怖くても勇気を出したら、その何かが解消したり意味付けが変わっていく」ということです。
これは、今回の話だけではなく、カウンセリングをしていても、
よくあることなので、他に自分もこの仕組みに落とし込んでいることはないか考えてみてください。
「心のこと」をこの”何か”という理由にすることもあるんですよね。
「自己肯定感が低いから」「親がひどかったから」動けないと。
確かにそれはそうで紐解いていく手順は踏んでいくのですが、
「動かない理由にしてない??」と感じることはあります。
少し脱線しましたが、今にフォーカスを当てる方法は、「今勇気を出す」「今できることをする」です。
とても怖くて、時に今更と抵抗を感じるかもしれませんが、
ぜひ、勇気を出してみてください。
あの時に止まった時計の針が動いていきます。
4.今のこれが本当の人生
最後に、月並みですが、「今のこれが本当の人生」という話をしていきます。
過去のあれがなかったら今幸せだった。
過去にああしておいたら人生は違った。
しかし、過去にあれがあったのが自分の人生だし、
過去にああしなかったのが自分の人生なのですよね。
今も人生の本番や本当の人生を生きているということです。
すでに自分の人生は始まっているし、
この瞬間にも人生という砂時計の砂は落ち続けている。
焦る必要は全然ないのですが、
何かを理由にしても、不確定な何かを期待して待っていても、
人生の終わりに向けて時間は進み続けているということです。
後悔していた自分やその時間にさらに後悔しないように、
ご自身のタイミングで、今にフォーカスを移してもらえたらと思います。
5.まとめ
今回は、人生やり直したいをテーマに、
過去を完結させる方法と後悔を終わらせる今にフォーカスを当てる方法について説明しました。
前半は優しかったのに、後半は厳し目になりましたね笑
しかし、どちらも大事なことです。
自分に優しくどんな自分も許してあげたらよくて、
その一方で、人生を考えた時に納得いく人生を作っていったらいいなと思います。
だからといって動けない自分を責めなくていいし、
動けないことに新たな理由を作らなくていいですから。
怖いから動けない、それでいいのです。
いつかのタイミングで全てを投げ捨てる感覚で、
勇気を出してもらえたら、それが幸せなのかなと思います。
まだ顔も見たことはありませんが、応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
勇気を出す方法や臆病な自分とどう付き合っていくのかを下記の記事にまとめているので、参考にしてみてください。
臆病な自分を変えるのは臆病を認める勇気