何かにつけて親から否定や無視をされ、心がぐしゃぐしゃになっている。
言っていることがその時々によって違い混乱する。
親に嫉妬され、自立しようとするとその思いを挫かれる。
自分の親はいわゆる毒親なのかもしれない。
物理的に虐待されることはもちろん辛いことですが、
暴力はなくても精神的に否定され追い詰められることはとても辛いことです。
人は、一番最初に出会い一番長い時間を一緒にする親から影響を大きく受けます。
もし、その親の言葉が否定ばかりだと、自分にかける言葉も否定の言葉が多くなり、
親から蔑ろにされると、自分への接し方も蔑ろになることが多いです。
この記事では、そんな毒親から人格を否定され、
自分という人を挫かれそうになっている人や挫かれた人に向けて、
毒親との接し方と親に変わって自分を育て直す方法を紹介します。
確かに、親から受ける影響は大きいのですが、それが全てではありません。
自分を育て直すことができることを知った時から、
いつでも自分を育て直すことは可能なのです。
ぜひ、今から自分が理想とする子育てを自分に対して始めてみてください。
健やかな自分が育っていき、世界の見え方や自分の捉え方が大きく変わっていきます。
1.自分に原因があるわけではない
まず、最初に覚えておいて欲しいことは、
親からの否定の言葉や無視、嫉妬の原因が自分にはないということです。
もしかしたら、親が否定の言葉を言うときや無視をする時に、
それが正当であるかのような理由を並べたかもしれません。
「○○できないから」「妹と比べてかわいくないから」「態度が反抗的だから」と。
しかし、それらが本当の原因ではないのです。
(そもそも真っ当な人格否定などありませんからね)
だから、逆に、それらを解消したところで親の態度が変わるということもありません。
期待に応えたらどうなる、理想の自分になったら状況が変わるということでないのです。
もっと言うと、誰かに褒められる必要もないし、
誰かに認めてもらわなくてもいいということです。
自分の存在を確認するために、「ここにいてもいいのか」を知るために他人を使わう必要はありません。
答えはすでに決まっています。
「あなたには価値があり、もちろんそこにいてもいい」です。
人の価値や存在してもいいのかどうか、は、条件によって決まるものではないのです。
何ができるから価値があるとか、役に立つからここにいていいとか、
そう言った類のものではありません。
何をしなくても価値があるし、何ができなくてもそこにいてもいいのです。
今は腑に落ちないかもしれませんが、そのことを覚えておいてください。
そして、今まで言われてきたひどい言葉たちは、
「自分には価値があり、そのままの自分でいい」という
普遍的な存在である自分に対して投げつけられたただの戯言であり、寝言なのです。
あれだけ目をパッチリ開けている親ですが、言っていることは寝言です。
その寝言に今まで傷つけられ、あなたは自分の存在に疑問を持ち、自分を押し殺した。
ねー、あの親、ふざけてるでしょ!?
2.相手は変わらない、その上で自分は何がしたいのか
上記の通りに、否定される原因は自分になく、そのままでよくて、
その上で、寝言のように戯言を親が口にしていました。
だから、逆に言うと相手の言動を変えることはできないということです。
もし、自分に原因があり改善の余地があり、親が目を覚ましていたら、
自分のアクションを変えることで、そのリアクションが変わるかもしれません。
しかし、あなたに直さなければ行けないところがあるわけではなく、
言動を変えて欲しい相手は寝ている、今もなお。
そう、打つ手はないのです。
いや、ホントは相手なんて簡単に変わります。
後で紹介しますが、親をバッサリ切り捨てて自分を育て直すと、
親が別人のようになることは当たり前のように起こります。
ただ、「これを相手を変えるために」という目的をもったまま何かをアクションすると、
その相手をバッサリ切り捨てたことになっていないですからね。
だから、条件が整わない。
認めてよ、いや認めないよ。
褒めてよ、いや褒めないよ。
じゃあ一人で生きる、いやそれはひどいよ。
という繰り返しの中にいることになります。
だから、一旦、というか、もう相手は変わらないと諦めてしまってください。
その上で、自分はどうしたいのか。
これは、今回のテーマである毒親だけに限らず、すべての悩みに通じる視点になります。
目の前の相手や目の前の状況を変えることはできない、その上で何がしたいか。
悩んでいるときは、この「何がしたいか」を忘れて、目の前の相手や状況を変えることを第一に考えます。
でも、変わらないから悩むということなのです。
あなたの親が毒親であることは変わらない、その上で、あなたは何がしたいですか?
3.親から物理的に離れる
その一つの提案として、親から物理的に離れることをお勧めします。
きっと、親から離れることはあなたも考えたと思います。
でも、お金がなかったり、まだ学生であったり、親に悪いなと思ったり、していいのかと迷ったり、
色々な理由によって、同じ家に暮らしていたり、電話がかかってきたら電話を取ったりしているのではないでしょうか。
そのできない理由をすべて越えて、意地でも親の元から離れてみてください。
四六時中否定され無視される環境、相手が何に腹を立てるかわからなく心が休まらない状況、
それはあなたが感じているより辛いことです。
心がすり減り、自分というものがわからなくなっていきます。
少なくとも私は耐えられません。
そんな状況に甘んじている時間や人生が勿体なく感じます。
今、すぐには行動を起こせなかったとしても、ぜひ、覚えておいてください。
これは毒親に限らず、仕事上の上司や配偶者でも同じですが、
自分の人格否定をしてくる人間と付き合っている時間なんて一秒もないのですよ。
4.罪悪感との付き合い方
そして、物理的に離れる心理的な抵抗の一つに罪悪感があるのではないでしょうか。
私も、なぜか昔、自分は人の幸せの最後尾にいなければいけないと思っていた事がありました。
自分は一番後ろにいて、みんなが前に進んだ分だけ自分も進めるという謎の感覚を持っていました。
決して、自分だけ幸せになってはいけない、みんなを置いていってはいけない、と、
「自分だけ」に申し訳なさを感じていたし、罪悪感を持っていたのです。
しかし、あるときその考えが傲慢であることに気づきました。
きっとあの人の幸せはこれぐらいだろうと推し量り、
自分はもっと幸せになれると知りながら、足並みを揃える。
だいぶ、傲慢ですね。
誰もそんな上から目線で見られたくはないって話ですよね。
そして、そのとき、その罪悪感を捨てて、勝手に幸せになることを決めました。
すると、みんながすでに幸せであることがわかりました。
あれだけ辛そうな母親も仕事で大変そうな父親も、すでに昔から幸せだったのです。
それを相手の幸せを値踏みし、勝手に合わせている気になっていた。
罪悪感とは、それを「罪に『感じて』いる」ということであり、何の罪でもありません。
相手を見捨てる気がしても、相手の不幸を放っておくことに気が引けても、
自分がそう感じているだけで罪ではないのです。
その人にはその人の世界が広がっている。
かわいそうに見える面の裏側には、幸せな一面がある。
さらに言うと、幸せの責任は当人にあるということです。
そもそも他人が人を幸せになんてできない。
「幸せは感じ方」ですからね。
この辺りを詳しく知りたい方は幸せって何!?本当の幸せを感じる4つのステップを参考にしてみてください。
だから、親の幸せの責任は親にあるし、あなたの幸せの責任はあなたにある。
自分だけ勝手に幸せにしていけばいいのです。
5.自分を育て直す
少し長くなりましたが、目の前の親との付き合い方については以上です。
自分には何の原因もなく、寝言を言っているだけなのでそこから離れたらいい。
自分を否定する言葉を聞いている時間は一秒もないし、そこに罪悪感を抱かなくていい、
思い切って罪悪感を捨ててみてください、ということです。
そして、ここからはいよいよ自分を育て直すという話をしていきます。
が、その前にやってほしいことを説明します。
5-1.怒りを感じる
そのやってほしいこととは、怒りを感じるということです。
すでに怒りを感じている方は、ここは読み飛ばしてください。
小さい頃から親から否定され無視されて、ひどい言葉を言われてくると、
自分には価値がなく存在してはいけない人間なんだと納得してしまうことがあります。
そうすると、どんなひどいことを言われても「確かにそうだしな」と受け入れてしまう。
この状態を私は熱量がないと呼んでいます。
どこかに向かうエネルギーである熱量がないと、どこにも向かわないのですよね。
だから、何でもいいので自分の感情を思い出してみてください。
思い出せない場合は、そういうフリでも構いません。
怒り、恨み、復讐心、相手の不幸を願う気持ち、嫉妬、被害者意識。
そんなことを感じてはいけないと蓋をしてしまうのではなく、
ぜひ、大いに感じてみてください。
だってですよ、上述の通りあなたに一切の原因はなく、
相手の戯言や寝言で今まで否定され無視され、ひどい言葉を並べられてきた。
辛い思いをしてきたし、辛さにたえられなくて辛さを感じないためにその言葉に納得した。
あんまりじゃないですか?
色んなことを楽しんでいいはずなのに、自由に人生を楽しんでいいはずなのに。
ぜひ、大いに怒りの気持ちを感じてみてください。
5-2.自分への言葉を変える
それでは、ここから自分を育て直す具体的な方法について説明していきます。
冒頭でも書きましたが、親の子育てがすべてではない。
自分を育て直すことができると知ったこの瞬間から、『あなたの親はあなた』になります。
ものすごく大事なことなので、もう一度言います。
あなたの親はこの瞬間からあなた自身です。
そして、親になったあなたは何も意識していないと両親と同じ言葉を自分に語りかけます。
これが、両親の影響を大いに受けるという理由です。
だから、自分を育て直すには意識的にこの自分に語りかける言葉を変えて行くことが必要になります。
今まで、なんてダメな子なんだと親に言われていたら、
自然と自分に対してなんてダメなヤツなんだと語りかけていると思います。
この自分に対してかけている否定の言葉にまず気づいて、
その言葉を「そのままでいいよ」「よくやっているよ」と優しい言葉に変えるということです。
別に、実感が伴わなくても構いません。
花に水をあげるように優しい言葉を語りかける習慣を作る。
難しい話ではなく、ただ習慣を作っていくというだけの話です。
右利きの私が歯磨きだけ左手でしようと思った事があって、
それ以来ずっと左で歯磨きをしていたら、いつの間にか右手ではしにくくなった、それと一緒です。
最初はぎこちなくて違和感を感じるかもしれませんが、
いずれ、それが当たり前になっていく。
自分に語りかける言葉を変える、ぜひやってみてください。
ちなみに、自分を否定してもそれはそれでオッケーなので、否定する自分をさらに否定しないでいいです。
自分を否定しても、最後は「うん、そんな自分もオッケー」「そのまんまでいいよ」で締めくくってみてください。
そうやって自分に優しく接して見てくださいね。
5-3.好き嫌い快不快に従って行動してみる
自分を育て直す二つ目の方法は、「好き嫌いや快不快に従って行動してみる」です。
行動することで自分に対してメッセージを送っています。
例えば、自由にしていいよと自分に対して語りかけても、
自分のしたい行動を抑えていたら、自分に対して発しているメッセージは「自由にするな」ということです。
「自分に価値がある」と語りかけても、
自分を過剰に卑下したり、本当は嫌なのに我慢して相手を優先するということは、
「自分には価値がない」と自分に伝えていることと一緒です。
この行動によって伝えるメッセージによって、
自分をすくすく元気に育てることもできれば、しゅんと落ち込ませることもできる。
いきなり完璧に自分の好き嫌いや快不快に従おうとするのではなく、
適当に勇気が出せるところから、小さなところから行動してみてください。
些細なことでも、自分の気持ちを採用できた嬉しさに感動すると思います。
そうやってゆっくり二人三脚で歩んでもらえたらと思います。
上記で書いた親から物理的に離れるというのもここの話です。
自分の嫌なことから逃げる、遠ざけることで
「自分は大切な存在なのだ」ということを意識してか無意識か段々と感じていきます。
自分とどう付き合うかってことですよね。
いつも我慢させて蔑ろにするのではなく、時に言うことを聞いてあげて時に守ってあげる。
自分が昔して欲しかった子育てを両親に変わってしてみてください。
自分の心はすくすく育っていきます。
6.まとめ
今回は、毒親をテーマに、毒親との接し方や自分を育て直す方法を紹介しました。
自分の親は毒親だったから、自分の人生が台無しになるというわけではありません。
自分を育て直せることを知った今から、自分の人生を作り直すことができます。
親というのは一番大きなきっかけかもしれません。
しかし、きっかけであって、それが全てではないのです。
ぜひ、自分に対して優しい言葉をかけながら、
自分を守りながら、自分のわがままを聞いてあげながら、
あなたが自分の子育てをしてみてください。
朝起きるのが嬉しくて、温かい気持ちに包まれた人生が始まっていきます。
勇気が必要なこともあるかもしれませんが、
勇気を出すところだけ頑張ってみてください。
それ以外は何もしなくていいですから。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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