嫌なことがあるとすぐに落ち込んでしまう。
誰かの一言によって簡単に心が折れてしまう。
仕事でうまくいかないとすぐ逃げたくなる。
「自分はストレス耐性がない」
というわけで、今日のテーマはストレス耐性についてです。
仕事などでストレス耐性が評価の項目となっている方も多いのではないでしょうか?
私も会社員として働いている時に、ストレス耐性が評価項目になっていました。
そして、入社当時から5段階の内、最もストレス耐性があるとされる5と評価されていました。
だからといって、仕事ができていたかというとそんなこともなく、
ストレスに強いといって、悩まなかったのか苦しくなかったのかというとそんなことはありませんでした。
要は、ストレスが溜まり苦しかったけど、平気な顔をするのがただうまかっただけです。
人に弱音を吐くことや弱みを見せることができなかっただけなのです。
だから、ストレス耐性を上げて、苦しいのに平気なフリをして一人で生きるのではなく、
ストレス耐性を下げて、周りに頼りながら「みんな」と一緒に生きることを目指してもらえたらと思います。
私も心の世界を知ってから、無理なことは無理だといい、嫌な時は嫌な顔をするようにしてみました。
すると、ストレス耐性の評価は下がりました。
ただ、私の心の満足度はものすごい上がったのです。
ぜひ、本記事を参考にストレスをごまかしてわからなくするのではなく、
ストレスをストレスだと認識して、そのストレスを表現したりストレス自体を無くしてみてください。
1.ストレスとは何か
まず、ストレス耐性や心の満足度の話をしていく前に、
「ストレスとは何か」という話をしていきます。
一言でストレスとは何かというと、ストレスとは我慢です。
- 本当は言いたいことがあるのに言わずに我慢する
- 不本意な扱いをされているのに環境を変えず我慢する
- 本当はやりたいことがあるのにやらずに我慢する
この一つ一つの我慢がストレスにつながっていきます。
もし、言いたいことを言えたなら、環境を変えられたなら、やりたいことができたなら、
きっとストレスは感じないでしょう。
よく現代の社会をストレス社会と言いますが、言い換えると我慢社会だということです。
我慢しなければいけない社会、我慢を強要される社会と捉えることができるのですが、
想像している以上に我慢しなければいけない場面というのは少ないです。
というか、ないといっても言い過ぎではないと感じています。
要は、どこまでストレス社会や我慢社会、他人や常識に自分が付き合うかということです。
「ストレス耐性を上げなければ」というのは、社会にべったり染まっているのです。
ストレスを感じることが当たり前で、ストレスは我慢することが当たり前だと感じています。
しかし、ストレスや我慢は当たり前ではありません。
ぜひ、社会や他人といい意味での距離を取るという感覚で、このあとの文章を読んでもらえたらと思います。
2.ストレス耐性と幸福度は反比例する
では、次に幸せを感じていくためにストレス耐性をどう捉えていったらいいかについて話していきます。
この文章にたどり着いてあなたは、最初ストレス耐性を上げようと考えていたかもしれませんが、
私は、ストレス耐性を上げることはおすすめしません。
なぜなら、ストレス耐性を上げれば上げえるほど、幸福度はどんどん下がっていくからです。
ここはぜひ覚えておいてください。
以下にその理由を二つ紹介します。
2-1.ストレスに耐えれば耐える程、幸せを感じるセンサーが鈍化していく
先程説明したとおり、ストレスとは我慢です。
嫌なことがあっても、それを放り出さず我慢するということになります。
一件、頑張り屋さんでいいのではないかと感じますが、
嫌なことを我慢するということは、自分に心理的な負荷がかかります。
そして、この負荷を毎回100で感じることは辛いので、
この負荷のかかり方を軽減するために、自分の感覚を無意識に鈍くしていきます。
感覚を鈍くすることによって、辛さを全開で感じなくしようとするのです。
我々に備わった自然の能力でありがたい話なのですが、一つ問題があります。
それは、感覚を鈍化するときに、あるひとつの感覚だけを鈍化できないということです。
辛さだけ感じないようにできればいいのですが、
「辛さ」という分野だけではなく、「楽しさ」「喜び」「好き」などすべての感覚が鈍くなっていくのです。
だから、痛みも感じなければ、喜びや楽しさもない、植物のような状態になってしまいます。
幸せとは何か。
幸せとは実は感じ方です。
物質的に豊かなことでも、優しいパートナーがいることでも、
人から認められたことや目標を達成したことで幸せになるわけではありません。
「今が幸せだと感じる心の状態」が幸せだということなのです。
だから、感覚を鈍化させるということは、幸せから一番遠ざかることにつながります。
それでいくら仕事ができるようになっても、認められても、
嬉しいのは一瞬だけで、その一瞬の嬉しさを求めてゾンビのように更に自分に負荷をかけ続けていくのです。
2-2.自分が自分を扱っているように相手からも扱われる
ストレス耐性を上げれば上げる程、幸福度は下がる二つ目の理由は、
自分が自分に我慢をさせればさせるほど、周りからの扱いも悪くなるからです。
人は、周りから認められ大事にしてもらうために、自分の欲求を抑え、相手を優先することがあります。
しかし、それによって相手から認められたり大事にされたりするかというと、そんなことはありません。
自分はこれだけしてるのに、相手は何も返してくれないという状況によくなります。
それは、自分が自分を扱っているように相手からも扱われるからです。
相手を優先し仕事だからと割り切ることによって、自分に我慢をさせます。
その我慢という自分を雑に扱う行為によって、相手からも雑に扱われるのです。
少し視点を変えると、自分への扱いによって相手に自分の取り扱い方を示しているとも言えます。
自分を雑に扱うことで、雑に扱っても大丈夫ですと相手に暗に伝えているということです。
相手から雑に扱われたら幸せに感じる訳がありません。
雑に扱われることでイライラが溜まるし、更にそのイライラを我慢することで怒りのやり場がなくなってしまう。
こうして、ストレスに耐えるという我慢をすればするほど、どんどん不満が溜まる状況になっていくのです。
3.ストレス耐性を上げた先に何を求めているか
ここまで読んでもらえたら、ストレス耐性についてだいぶ捉え方が変わってくるのではないでしょうか?
冒頭で触れたとおり、ストレス耐性を上げるのではなく、
ストレス耐性がないまま、自分が感じているように生きることが幸せにつながっていきます。
ただ、ストレス耐性を上げることを諦める上で、明確にしておいた方が良いことがあります。
それは、ストレス耐性を上げた先に自分は何を求めているか?ということです。
ここを明確にしておくことで、ストレス耐性を諦めやすくすることができるのです。
少し考えてみてください。
- 仕事ができるようになって自信をつけたい
- 何かを最後までやり遂げた自分を誇りたい
- 周りから評価され認められるようになりたい
その得たいものは、実はその目標を達成したことでは得られません。
得られるものは一時的な喜びです。
一時的に嬉しくなって、すぐ今まで通りに戻ります。
そして、また次の課題を見つけると、
それを達成したら、自信がつくし自分を誇れるし周りから認められると考えるようになるのです。
自信や自分を認めること、周りから認められることは、
何か条件をクリアしたり達成したりすることで手に入るものではありません。
では、何で手に入るかというと、
今、それをクリアしていない自分や何かを達成していない自分、何かができない自分を認めていくことで、
自分は自分で元々良かったのだと気づき、自分を認めるからこそ相手から認められていると感じるのです。
だから、進む方向はストレス耐性を身に付け今の自分と違う自分になろうとするのではなく、
ストレス耐性がない自分や何かが出来ない自分を諦め、認めていくということです。
そうすることで、本当に望んでいたものが既に自分のところにあったことに気づくのです。
4.これからやっていくこと
色々な側面から、ストレス耐性を上げていくのではないという話をさせていただきました。
そう、ストレス耐性なんて上げずに今のままでいいのです。
そして、今のままで良くて、自分が望んでいるものが自分の手元にあることに気づくために、
今までやってきたことの逆をやってみてください。
- 今まで我慢して仕事を引き受けてきたのだとしたら断ってみる
- 理不尽なことを言われてイラっとしたら言い返してみる
- 弱音をぐっと堪えようとしてきたのなら弱音を吐いてみる
そうすることで、自分の本心をあなた自身がやっとわかってくれたという安心感が広がっていきます。
やっと自分が自分の味方をしてくれた、やっと自分の感じていることを認めてくれたという感覚です。
また、周りもあなたのことを気にかけ、丁寧に接してくれるようになります。
先程紹介した「自分が自分を扱っているように相手からも扱われる」はここでも当てはまります。
あなたは今、自分に対して自分の気持ちを認めない存在であったり、
自分を本心を蔑ろにする敵だったりするのです。
すると、周りも敵のように感じたり、自分を認めてくれていないように感じます。
しかし、誰が一番の敵で誰が自分を認めていないかというと、あなた自身なのです。
だから、これからは自分が一番の味方であり、自分が一番自分を認めるように、
今までやってきたことの逆をやってみてください。
思うように行動して、感じるまま言葉に出してみてください。
嫌なことは嫌でいいし、辛いことは辛いのだし、やりたくないことはやりたくない。
それでいいのです。
その気持ちを蔑ろにせず、一つづつ認めて他人にそれを表現していってみてください。
5.まとめ
今回は、ストレス耐性についてまとめました。
この記事を読み始める前はストレス耐性を上げようと考えていたかもしれません。
ストレス耐性を上げて、何かをやり抜ける自分になろう、と。
ただ、ストレス耐性を上げても、やりたくない何かをやり遂げても、本当に求めているものは手に入りません。
幸せや人から認められること、自分を認めることは、
何かのカタチを整えることでも、自分以外の何かになることで得られるようなものではありません。
ぜひ、ストレス耐性なんて諦め、我慢することを手放して、
ストレスフリーになることを目指してみてください。
見方を変えると、ストレス耐性がないということは自分にストレスは似合わないということかもしれません。
自分という存在は凸凹していますが、それで完璧に作られてます。
今ないものはいらないということです。
そして、それでも本当に求めているものは手に入っていきます。
ぜひ、そんな凸凹の自分を認めて、自分の気持ちに従った行動をしてみてください。
自分を認められた安心感が広がり心が穏やかになるし、
自分や他人への捉え方が驚く程変わっていきます。
また、今回少し触れた「我慢」について、別の記事でメインテーマとして扱っているので参考にしてみてください。
我慢してるのにうまくいかない理由と解決策