周りに落ち込んでいる人がいると自分もつられて気持ちが沈んでくる。
辛い話を聞いていると胸が痛くなり苦しく感じる。
かわいそうな人を助けようとしているのに、うまくいかずもどかしい。
「かわいそうな人を見ていると辛い」
かわいそうな人を見ていると、辛く痛いような気持ちになることがあるかもしれません。
かわいそうな人を見るたびに、ぐっと沈み込むような苦しさを感じることは辛いことだと思います。
この記事では、なぜかわいそうな人を見て心が痛むのかその理由を説明し、自分の心の痛みを解消してく方法を紹介します。
私自身、「かわいそう」という言葉があまり好きではありません。
それは、自分がかわいそうだと言われるのも嫌だし、そもそも人を憐れむ姿勢に嫌悪感を抱くからです。
この世にかわいそうな人は存在しません。
かわいそうに思う自分の心(フィルター)があるだけなのです。
ぜひ、「かわいそう」という心の仕組みを知り、
かわいそうに思う人のことは放っておき、自分から勝手に幸せを感じてみてください。
そこに、問題なんて何一つ存在していないのです。
1.かわいそうな人を見て心が痛む仕組み
まず、かわいそうな人を見て心が痛む理由を説明します。
一言でその理由を表現すると、「かわいそうな人を助けられない自分を責めているから」ということになります。
かわいそうな人を見て、その人を助けられない自分の無力さを責めているから、心が痛く辛くなるのです。
また、私たちがとても小さな頃は友達や周りの人をかわいそうだと思い、心を痛めることもなかったのではないでしょうか?
それが、今に至る中でかわいそうな人を見ていると、何もできない自分がもどかしく苦しく感じるようになりました。
これは、生まれてから今に至るまでに、
「人を助けることができなかった」「人を悲しませた」「人を幸せにできなかった」という出来ごとを経験して傷つき、
今もその古傷(罪悪感)が疼いていると言うことです。
つまり、かわいそうな人を見ると、
昔、何もできなかった無力な自分を思い出し心の古傷が疼き、
今、自分の無力さを目の当たりにして自分を責めているから、心が痛くなるのです。
2.心の痛みを解消する方法
ですので、かわいそうな人を目にした時に、相手に対してなんとかしようとするのではなく、
自分の心の古傷を癒していくことで、痛さや苦しさに取り込まれることなく心穏やかな日常を過ごすことができます。
以下に古傷を癒していく方法を紹介します。
2-1.古傷を見つける
上記の説明の通り、古傷は生まれてから今に至るまでの過程で作られました。
過去の「相手を喜ばせることができなかった」「相手を悲しませた」という傷が今も罪悪感というしこりとなって残っているのです。
まず、その元々の傷が何だったのか見つけてみてください。
- 小さい頃、夫婦喧嘩を止められなかった
- ふと言ってしまった一言で友達を傷つけた
- 母親を幸せにすることができなかった
それを自分のせいだと思い、今もなお心の中で大事に握り続けているということです。
その罪悪感を生んだ元々の傷を特定してみてください。
2-2.自分を責める
次に、喜ばせることができなかった自分や相手を悲しませた自分を責めてみてください。
- なんで夫婦喧嘩を止めることができなかったのだろう、私役たたずだな
- なんであんなにひどいことを言ってしまったのだろう、本当にひどいことをしてしまった
- お母さんが大変そうにしてたのに私はお母さんを助けることができなかった
自分を責める辛さがいつまでもあるのは、自分をちゃんと責めていないからです。
見方を変えると、「自分が昔悪いことをした」と自分に気づいて欲しくて、
今、罪の意識を疼かせているということです。
だから、「自分が昔悪いことをした」と気づくために一度自分を責めてみてください。
2-3.自分を許す
最後に、喜ばせることができなかった自分や悲しませてしまった自分、
助けることができない無力な自分を許してあげてください。
小さなころ、それが限界だったのです。
自分のこともままならない状態で、喜ばせることはできないし助けることはできなかったと思います。
人を悲しませることもあったかもしれません。
今考えたら、何であんなことをしてしまたのかと後悔することもあるかもしれません。
それでも、そんな自分のことを許してあげてください。
今までずっと自分を責めてきました。
ずっと重い鎖を引きずったまま歩いてきました。
もう、その罪を抱えなくていいです。
今日を境にその罪を捨ててしまってください。
自分のことを許してあげてください。
そして、今まで罪悪感を抱いて苦しい思いをしてきた自分を労ってみてください。
自分の中にいる小さな自分を可愛がってあげてください。
「もう自分を責めなくていいよ」「もう苦しまなくていいよ」と言ってあげてください。
自分を許すことで、古傷という過去に抱えた罪悪感を癒していくことができます。
3.かわいそうとはどういうことか
ここまでで、かわいそうな人を見て心が痛む理由とその解消法を説明しました。
ここでは少し視点を変え、「かわいそう」とはどういうことなのかについて考えていきます。
「かわいそう」とは言葉を変えると、「幸せでなさそう」「不幸そう」と言えるのではないでしょうか?
そして、この幸不幸の定義は自分オリジナルのものです。
つまり、自分の幸せの価値観に合っているものは「幸せ」で、価値観に合っていないものは「かわいそう」だとあなたが判断しているだけなのです。
大変そうな相手は、日々手応えを感じて充実した毎日を送っているかもしれません。
今は苦しんでいても、人生において大切なことに気づく過程かもしれません。
不幸そうな相手も実は幸せを感じているかもしれません。
それなのに、相手の事情を知らないあなたが、
自分の幸せの価値観を相手に当てはめて、あの人は「かわいそうだ」と決め付けているということです。
この世の中にかわいそうな人はいません。
そこには、「かわいそう」があるのではなく、かわいそうだと決め付ける「傲慢さ」があるのです。
自分には自分の価値観が相手には相手の価値観があることに気づいてください。
どちらが正しいということではなく、どちらもそれでよく、人に押し付けるものではないということです。
それが、自分も相手も気持ちよく幸せに過ごせる考え方です。
4.自分をただ幸せにするだけでいい
また、「相手に見る姿は自分の心の状態」を表しています。
例えば、空を見て「今日は悲しい空だな」と感じるということは、自分も何か物悲しい気持ちになっているということです。
相手を見て「かわいそう」「不幸そう」だと思うということは、自分が満たされていないのかもしれません。
相手を助けたいと思うということは、自分を助けてほしいと思っているのかもしれません。
だから、相手がかわいそうだと思ったときは、まず自分の内側を満たしてみてください。
自分をまず幸せにして、自分を一番に助けるということです。
実のところ、人のことを幸せにすることは私たちにはできません。
幸せとは「幸せだと感じるこころ」だからです。
つまり、外側をいくら整えたところで、幸せかどうかは相手の受け取り方によるのです。
だから、「相手のために」よりも先に「自分のために」を考えて見てください。
相手に何かをすることより、あなたの幸せそうな顔の方が相手を幸せにします。
元々、「助けなければいけない」「救わなければいけない」ことなんてなく、
ただただ自分が幸せになればそれでいいのです。
5.まとめ
今回は、かわいそうな人を見て心が痛む仕組みとその解消法について説明しました。
この世にかわいそうな人は存在せず、「助けなければいけない」なんてこともありません。
だから、助けられなかった罪なんてものもないのです。
その上で、自分が自由に幸せになってみてください。
自分が幸せで満たされたとき、幸せの気持ちが溢れ出て周りを幸せにしていきます。
まず自分。
あなた自身が幸せになってみてください。
逆に、昔の古傷を癒すためにかわいそうな人を助けようとしないでください。
「自分の罪を償うため」に、「かわいそうな人」を作り出し、かわいそうな人にいつまでもかわいそうでいてもらう必要が出てきます。
「そこに元々罪はない」
そう気づいて自分を幸せにするだけで、世の中の見え方は一変し、
そもそも問題がなかったことに気づくことができます。
申し訳ない気持ちをテーマにした申し訳ない気持ちを感じる仕組みと申し訳なさを軽くする方法も一読してみてください。