申し訳ない気持ちを感じる仕組みと申し訳なさを軽くする方法

自分が楽しむことに申し訳なさを感じる。
自分だけが楽をしていい訳がないし、役に立っていない自分に価値がないように感じる。
理由のない申し訳なさをいつも感じて苦しい。

「私のせいで申し訳ない」

自分が楽しむことにも、誰かが怒っていることにも、誰かが悲しんでいることにも、
申し訳なさを感じているのはとても辛いことだと思います。
また、いつまでも悪いことをしたなと思っていることは苦しいのではないでしょうか?

この記事では、申し訳ない気持ちの正体とどうしたら申し訳ないという苦しみから解放されるのかについて説明します。

「申し訳ない」とは、自分が悪いと思っているということです。
しかし、本当にあなたは悪いのでしょうか?
本当にあなたは責められなければいけないのでしょうか?

そこには、「私が悪い」「私は責められて当然」という自分のルールがあるだけかもしれません。
ぜひ、その一銭の価値もないルールを捨てて、心軽やかに今を楽しんでみてください。

1.申し訳ないと強く感じる2つの理由

ここから、申し訳ないと強く感じる理由を書いていきますが、
何かをしてしまって、相手に対して済まなく思うというのであれば、それは申し訳なさを感じていてください。

たまには申し訳ないと感じてもいいし、そう思う自分の気持ちも大事にしてみて欲しいと思っています。

そうではなく、「いつも申し訳なく感じて苦しい」や「自分なんて生まれて来なければ良かった」
という強い申し訳なさに関しては、申し訳なさがない方が生きやすいので読みすすめてみてください。

1-1.自分を罪人だと思っているから

自分のことを罪人だと思っている場合、申し訳なさを強く感じます。
そして、自分の罪を償うために、目の前に問題を用意して自分を責めようとします。

この罪の意識の大元には、「母親を幸せにできなかった罪」を感じていることが多いです。
以下の言葉を実際につぶやいてみてください。

  • お母さんを幸せにできなくてごめんなさい
  • お母さんを守れなくてごめんなさい
  • お母さんが不幸なのは私のせいだ

言ってみてどう感じましたか?
胸に刺さったり、言いにくかったり、ざわざわしてきたら「母親を幸せにできなかった罪」を背負っているのかもしれません。

1-2.自己防衛をしたいと思っているから

自分を責めることで自己防衛をしようとしている場合、「申し訳ない」や「自分が悪い」と感じます。
「もう私はこれだけ自分のことを責めて苦しい思いをしているから、あなたは私のことを責めないで」と訴えているのです。
この気持ちの奥には、「責められる自分」を感じていて、
相手に責められる前に、先に自分が自分を責めることで相手から責められる程度を軽くしようと考えているのです。

こちらの言葉もつぶやいてみてください。

  • 責められるのが怖い
  • もう責めるの辞めて
  • もう私のこと許して

もし、ドキっとしたり、胸が痛くなったら、相手からの叱責を回避する為に先に自分を責めているのかもしれません。

2.申し訳なさを手放す

2-1.自分を罪人だと思っている

あなたは、何かに対して罪の意識を感じているかもしれません。
しかし、実はそこには罪なんて元々ないのです。

母親を幸せにできなかった罪も、元々あなたに母親を幸せにしなければならない理由はなく、
そして、誰かを幸せにすることは私たちにはできません。
幸せは本人が感じるものであり、環境や条件ではないからです。

「相手を傷つけた」や「迷惑をかけた」ことで罪の意識を感じている場合も、
傷つけることや迷惑をかけることは世界中の全ての人がしていることです。
また、「役に立っていない」ことのどこが罪なのでしょうか?
その事実を引っ張ってきて、罪人という十字架を背負う必要なんて一切ないのです。

「罪人」という重りを外す方法は、まずそこに元々罪はなかったことに気づくということです。
そして、そんな自分を「自分で許す」のです。

ほかの誰でもなく、自分が許すのです。
というより、自分でしか許すことができません。
なぜなら、誰もあなたのことを罪人だと思っていないのです。

「申し訳ない」という気持ちを持って、この記事を読んでいるのであれば、
あなたは今まで苦しい思いをずっと抱えてきたのではないでしょうか?

もう十分です。
この記事に辿り着いた。
それが、あなたの罪の重荷を降ろしていいタイミングです。

今この瞬間に、自分のことを許してあげてください。

2-2.自己防衛をしたいと思っている

「申し訳ないと強く感じる2つの理由」で書いたとおり、自己防衛の奥には「責められる自分」を感じているのかもしれまえん。
それは、2-1で捨ててしまってくださいね。
ここでは、自己防衛について説明していきます。

「先に自分を責めることで相手に責められない」というルールの元、先に自分を責めていると思いますが、
この「先に自分を責めると相手に責められない」という法則はあなたの思い込みであり、勘違いです。

責められるときは責められるし、責められないときは責められません。
なぜなら、あなたは今まで自分を責めてきたと思いますが、誰かに責められたことや嫌なことを言われたことは一切ないですか?

そんなことはないのではないでしょうか?

そう、責められるときには責められ、責められないときには責められないのです。
そこに理由はなく、あなたが悪かったわけではなく、そういうものなのです。

だから、その自己防衛は意味がないんですよね。
必死に目の前に盾を構えているんですけど、敵は後ろから忍び寄っているのです。

もう自分を責めるという自己防衛は終わりにしてください。
「誰かに責められてもいい」と受け入れてください。
「間違ってもいい」「正しくなくていい」「私は私でいい」と認めてください。

あなたがそう思うんだから、そうなんです。
あなたがそれをやりたくないんだから、やりたくないんです。
あなたが嫌いなんだから、それは嫌いなんです。

それが正しいとか誤りとか、良いことだとか悪いことだという話ではなく、
あなたがそう感じ・そう思うんだから、それでいいのです。

小さな頃は親から見放されることが死活問題でした。
だから、親に嫌われることや責められることを極端に恐れていましたが、
大人になった今、嫌われることや責められることは死活問題ではありません。

もう、「嫌われる」「責められる」の意味が異なっているのです。

だから、ぜひ、「私はこれでいい」と認めて、責められるときに責められてみてください。
そして、責められたら正当な理由なくこう言ってください

「うっせー!!」

それでおしまいです。
だから、「自分を責める」という自己防衛はもう終わりにしてみてください。

さっきは、「盾を構えている後ろから敵が忍び寄っている」と書きましたが、
忍び寄っているのは敵ではありません、自分と同じように誰かからの攻撃を恐れている人なのです。

あの人も自分を守ることに必死なのです。
ぜひ、盾も鉾も身につけてないあなたの姿を見せてあげてくださいね。

3.全ては頭の中で起こっていること

申し訳なさを手放すアプローチを2つ説明しましたが、2つの共通点に気づきましたか?
悩み全般にも言えることなのですが、全ては自分の頭の中だけで起こっていることなのです。

例えば、誰でもいいのであなたの周りにいる人を想像してみてください。
そして、その人が「自分は罪人だ」「申し訳ない」と強く思っているとします。
あなたはその人を見てどう感じるでしょうか!?

「まぁ、あの人だから、罪の意識を四六時中感じるのが妥当だよね」とは思わないのではないでしょうか?
「何でそんなこと考えてるの?」「罪なんてないじゃん」と疑問に感じると思います。
その姿があなたの姿です。

罪がないところに罪を感じていたり、申し訳ないわけないのに申し訳ないと感じている。
それは、全て頭の中だけで繰り広げられていることなのです。

罪の意識も自己防衛も、ほかのどんな悩みであっても、全ては自分の頭の中だけの問題です。
だから、カウンセリングの現場でも、どんどん変化が生まれていくのです。

ぜひ、今の悩みを疑ってみてください。
それは、本当にそうしなければいけないのか、悩みの元になっている前提は正しいのか。
もしかしたら、自分の頭の中だけで壮大な妄想を繰り広げているだけではないのか、と。

悩みの捉え方が少しずつ変わっていくと思います。

4.幸せになることに許可を出す

最後に、幸せになることに許可を出してみてください。

楽しむことや幸せを感じることは、罪でも申し訳ないことでもありません。
あなたに当たり前にあって良いことなのです。

  • 何の役にも立たなくていい
  • この人生を楽しんでいい
  • 幸せを目いっぱい感じていい

幸せは償いの先にあるものでもなく、苦労の先にあるものでもなく、
今、ここで受け取っていいものなのです。

誰かを幸せにできず、迷惑をかけ、何の役にも立たない自分が幸せにっていい。
そう許可を自分に出すだけで、自分も周りの人も幸せになっていきます。

少し話がずれますが、周りの人が不幸そうに見えるのはあなたが今幸せを感じていないからです。
周りの人は自分の投影です。

周りの人が悲しそうに見えるのであれば、あなたが悲しいのであり、
周りの人が疲れてそうに見えるのであれば、あなたが疲れていて、
周りの人が不幸そうに見えるのは、あなたが不幸を選んでいるからです。

だから、自分が幸せになってしまえば、周りも幸せそうに感じるのです。
そこに元々、問題なんてないのです。

5.まとめ

今回は、申し訳ない気持ちをテーマに、罪悪感や自己防衛について説明しました。

繰り返しになりますが、本当は申し訳ないことなんてないのです。
「申し訳ない」を握っている自分がいるだけです。

だから、「申し訳ない」という気持ちが辛く苦しいのであれば、そっと握っている手を緩めてそこに置いてきてしまってください。

「申し訳ない」から「お互い様」へ。
自分と相手を許してあげてみてください。

「持ちつ持たれつ」
それを許すことはとても幸せなことだと思います。

また、「申し訳ない」と感じて疲れた心を休ませてあげてください。
「心が疲れた」心を休ませることができない理由と対応方法も読んでみてくださいね。