仕事でミスをしたのは自分じゃないのに怒られる。
周りも自分と大して変わらないのに私ばかり怒られることに納得がいかない。
怒られると身がすくみ、萎縮してどうしようもない。
怒られることはとても苦しいことだと思います。
この記事では、人はなぜ怒るのかその理由を解説し、今までの思い込みを解いていくことで、
怒ることに対する認識を変えていきます。
今まで、怒られる自分が悪いと思っていたかも知れませんが、そうではないのです。
本記事の方法を試してもらうことで、怒りや自分に対する認識が変わっていきます。
すると、怒られることが今よりも気にならなくなったり、不思議と怒られること自体も減ったりします。
怒られる・怒られないを判断基準とするのではなく、
自分軸を取り戻すことによって、充実感と満たされた気持ちで生活できるようになります。
1.怒られて傷ついた自分を癒す
本題に入る前に、怒られて傷ついた自分を癒します。
あなたが怒られたときに、あなたの中にいる子どものあなたはひどく傷つきました。
「私は大丈夫」「怒られるのも仕方ない」と我慢するのではなく、
傷ついた小さな自分をあなただけはかわいがってあげてください。
この本当の自分の気持ちをないことにしたり無視し続けると、「本心を分かって欲しい」という気持ちから、
被害者意識を強めるためにより自分を過酷な状況に追い込んだり、拗ねて人の助けを借りることを拒み一人の世界に入り込んだりします。
ですので、ぜひ自分の本心に意識を向け、何を訴えたいのか耳を澄ませてみてください。
では、あなたが最近怒られて傷ついたことはありますか?思い出してみてください。
その時に何と言いたかったですか?
「やめて」「そんなに言うことないじゃん」「悪いのは私だけじゃない」「大事にして」「助けて」
その言葉をつぶやいてみてもいいかも知れません。
次に、その辛い状況に耐えた小さな自分に優しい言葉を掛けてあげてみてください。
「辛かったよね」「よく頑張ってくれたね」「頑張ってくれてありがとう」「気づかなくてごめんね」
そう、あなたの中にいる小さなあなたは想像以上に傷ついています。
そんな自分を否定せず、かわいがってあげてください。
2.自分はなぜ怒られるのか?
では、いよいよ本題に入ります。
最近の出来事やいつものパターンを思い出して、あなたがなぜ怒られるのか考えてみてください。
- よくミスをするから
- 作業が遅いから
- 自由奔放だから
- 敬語を使わないから
- 間違いを指摘するから
人から言われたことでも、あなたが想像する理由でも構いません。
実際に、考えて書き出してみて下さい。
3.人が怒る理由
次に、人が怒る理由を説明します。
人が怒る理由は、以下の2つです。
3-1.「こうするべき」というルールに反する
一つ目の理由は、相手が持ってる「こうするべき」というルールに反するからです。
人は、幼少期の親のしつけや親のリアクションによって、「こうするべき」というルールを持ちます。
そして、そのルールに反する人を見かけたときに、怒りという感情が沸くのです。
そして、この怒りの感情の奥には、恐怖と羨望の気持ちがあります。
守らなければ怒られるルールを破っている人を見て、「そんなことしたら怒られる!!」という恐怖と、
本当は破りたいけど守っているルールを目の前の人が破っているのを見て、「羨ましいなー」とうらやむ気持ちが沸いてくるのです。
3-2.大事にされていない、否定されたと感じた
二つ目の理由は、「大事にされていない」「否定された」と感じたからです。
本質的に、人は誰しも自分のことを大事にしてほしいと思っています。
その大事にしてほしい自分が大事にされなかった、否定されたと感じるときに怒るのです。
上記2でなぜ怒られるのか考えてもらいましたが、その事実が直接怒る原因にとなるのではなく、
その事実が、「こうするべき」のルールから逸脱していた、または、否定されたと感じるから怒るのです。
- よくミスをする→「こうするべき」に反する恐怖
- 作業が遅い→「こうするべき」に反する恐怖
- 自由奔放→「こうするべき」を破っていて羨ましい
- 敬語を使わない→大事にしてくれない
- 間違いを指摘する→否定された
つまり、できないから怒られる、自由にしているから怒られるという話ではないのです。
そして、あなたが怒られたときに自分が悪いと思うのは、
「できない・しっかりしていない」というセルフイメージがあり、「そのセルフイメージだと怒られる」という暗示があるからです。
4.ではどうすればよいか?
では、どうしたらよいのでしょうか?
以降でその方法を説明します。
4-1.暗示を解く
「できない・しっかりしていないと怒られる」という「~だと~になる」という構文は暗示の効果があります。
あなたはできなかったりしっかりしていなかったりすると怒られると思っているかもしれませんが、それは思い込みです。
現に、できなくてもしっかりしてなくても怒られない人はいるのです。
暗示は過去のたまたまの出来事や誰かの言葉によって作られました。
後天的なものなので、その暗示を解除することはできます。
仕事の失敗で自分を責めない、自分を肯定していく方法に暗示を解く方法を書いているので読んでみてください。
出来るから素晴らしい、出来ないからダメということではないのです。
自分は出来ても出来なくても素晴らしいのだと決めてください。
出来ない自分でも素晴らしいのです。
4-2.セルフイメージを書き換える
「できない・しっかりしていないと怒られる」の前半の部分はセルフイメージになります。
自分のことを「できない」「しっかりしていない」と捉えているわけです。
これも、自分がイメージ(想像)しているだけなのです。
嫌われる人の特徴をチェックしているのになぜか嫌われてしまう理由、
セルフイメージを変えても、理想の結果が得られない理由にセルフイメージを変える方法が書いてあるので読んでみてください。
4-3.怒られることに対する解釈を変える
上記3で説明した通り、人が怒るのは「こうするべき」というルールに反したからであり、
大事にされていない、否定されたと感じたからです。
つまり、その人が怒っているのは、
「そんなことしたら怒られる怖いー!!」
「そんなに自由だなんて羨ましいー!!」
「私のことを大事にしてよー!!」
と叫んでいるだけなのです。
だから、怒られたときにも過剰に萎縮する必要も反省しすぎる必要もありません。
心の中で、「そっかそっか、怖いよねー」「私のこと羨ましいんだなぁー」「この人も大事にしてほしいんだな」と思ってみてください。
あなたが想像している以上に、目の前の人は怖がりで寂しがり屋で甘えん坊です。
一度見る視点を変えることで、深刻になりすぎずに出来事をありのままの大きさで見ることができます。
4-4.思い出し怖いだと認識する
もし、あなたが怒っている人を見てものすごく怖くなったり、自分が怒られて身がすくむほど怖いと感じた場合、
目の前の怖さではなく、過去の怖かった出来事を思い出してその怖さを追体験している可能性があります。
小さいころに、ものすごく怖い思いをしたことがありますか?
もし、思い出せる場合はその怖かったときの自分を癒してあげてください。
癒し方は上記1を参考にしてもらえたらと思います。
もしかしたら小さい頃、両親に怒られたことをものすごく怖く感じているかもしれません。
小さい頃は、両親から見放されることは死活問題だし、小さなあなたから見たら両親はとても強く怖い存在だったと思います。
しかし、小さかった頃から時間も経ち、あなたも大きくなりました。
自立できているかもしれないし、力も強くなりました。
あの頃、怖かった両親はあの小さな自分だったからあれほど怖かったのです。
本当に怒られることは怖いのだろうか?小さな頃を思い出しているだけではないのか?
そして、今の自分に置き換えたら大したことなかったのではないか?
という、疑いの目線で過去や今の恐怖を見てみてください。
もしかしたら、大人になった今なら大丈夫なのかもしれません。
4-5.自分の扱いを変える
周りのあなたに対する態度はあなたがあなた自身にしている態度です。
周りがいつも怒ってくるのであれば、あなたもあなた自身に対して怒りたいのかもしれません。
もし、自分に対して怒りたいことがあるとすればどんなことでしょうか?
- できない自分に対する怒り
- 八つ当たりで怒られたときに言い返せない自分に対する怒り
- いつも逃げてばかりで情けない自分に対する怒り
もし、自分に対して怒っていることがあるのであれば、しっかりと自分を責めてみてください。
自分のどこが不甲斐ないのか、どこが気に入らないのか見つけて責めてみてください。
そして、十分に責めたら、そんな自分を許してあげてください。
できなくても、言い返せなくても、逃げていても、そんな自分でいいんだよと自分を認めてあげてください。
そして、自分を大事にしてみてください。
自分の本心の声を聞いて、怒られるのが嫌なら嫌だと言う、納得できないのであればちゃんと突っ掛かる、
そうやって自分の本心を大事にしてみてください。
あなたのことを大事にできるのはあなただけです。
そして、自分のことを大事にする、自分を守ると決めたら、周りもあなたのことを大事にし始めるのです。
かなり勇気がいることかも知れませんが、ぜひその怖さに飛び込んでみてください。
今までのやり方でうまくいかないのであれば、今までと逆をやればいいのです。
逆をやってみることで、今までの世界と違う世界を見ることができます。
4-6.怒ってみる
もし、あなたが気に入らないことがあったら、怒ってみてください。
イラつくことがあったらイラついた態度をして、
言いたいことを口に出して、
相手を責めたかったら責めてみてください。
すると、怒る人の気持ちが分かります。
怒るというのはそこまで相手を否定しているわけではないのです。
誰にでも沸く怒りの感情をただ「出しているだけ」なのです。
そこに、否定されたという解釈をつけるから苦しい気持ちになります。
自分が怒ってみることで、そのことに気づけるのです。
ぜひ、「怒ってる」を等身大に捉え、怒らせておけばいいと内心で理解するために、
勇気を出してあなたも怒ってみてください。
5.まとめ
今回は、怒る本当の理由と怒りに対してどうしていけばいいのかについて説明しました。
怒られるというのは、怒られる自分が悪いということではなく、
相手が「こうするべき」というルールを振りかざしているだけであったり、
大事にして欲しいと叫んでいるだけなのです。
それを腑に落とすために、ぜひ本文で記載したことを試してみてください。
怒ることに対する認識が変わり、相手と自分を見る目が変わります。
また、「自分を肯定することで相手の自分に対する見方も変わる」という切り口で、
自己肯定を妨げるブレーキの外し方もオススメします。