自分は大事な存在であることを確認したい。
誰かの役に立つことで自分の居場所を見つけたい。
誰かに喜んでもらうことで自分の存在意義を見出したい。
「誰かに必要とされたいな」
今回の記事のテーマは「必要とされたい」気持ちについてです。
必要とされたいと思い、誰かに喜んでもらおうと思ったり、誰かの役に立とうと思ったりしても、
自分が思い描いたような必要とされた感じや満足感を今まで得られなかったのではないでしょうか?
なぜそんなことが言えるかというと、
自分の幸せや満たされた気持ちは誰かに必要とされることによってもたらされるものではないからです。
自分の存在を確認するための他人を使う必要はないし、
他人から必要とされるから自分がここにいていいというわけでもありません。
では、自分は自分でよくて、ここにいていいのは当たり前という気持ちをどうやったら心の中で膨らましていけるのか、
それは、他人より自分を目一杯大事にするということです。
他人のことばかり考えている自分は自分から必要とされているのか。
ただただそういうことです。
他人のことばかりで自分をないがしろにしているあなたはあなたから必要とされていない。
それが自分は必要とされていないという感覚につながり、
だから、他人から必要とされることで自分は必要な人間であることを確認したい。
その繰り返しをしているという仕組みになっています。
この記事では、この仕組みの詳細とこのループに終止符を打つ方法について紹介しています。
1.必要とされたい心理
勢い余って冒頭で書きすぎてしまったのですが、必要とされたいという心理について説明していきます。
「必要とされたい」という気持ちは「今の自分は必要とされていない」という前提のもとに成り立っています。
お腹がいっぱいでもう何も食べられない時に、カレーやラーメンを食べたいと思わないのと一緒で、
すでに自分がそういう状態であるときに、その状態を望んだりはしません。
だから、必要とされたいと感じるとき、自分は必要とされていないと感じているということです。
そして、人から必要とされることで、何かを得られると感じているのだと思います。
それが何かを少し考えてあなたが欲しているものを明確にしてみてください。
- 自分がここにいていいことを確認したい
- 自分には価値があることや存在する意義を確認したい
- 人に必要とされる安心感や幸福感を感じたい
その得たいものを得るという目的のために、
「人から必要とされる」という手段を使おうと思っています。
これが人から必要とされたいという気持ちの仕組みです。
2.人から必要とされても幸せになれない
ただ、この手段を使ってあなたの目的は実現できません。
いくら誰かに必要とされても、自分の存在意義や価値、安心感や幸福感を得ることはできないのです。
一瞬嬉しく感じるかもしれませんが、すぐに不安に駆られ人から必要とされる次の手段を追い求めることになります。
その理由を二つ以下に書いていきます。
2-1.前提の確認作業
先ほど、必要とされたい心理のところで触れましたが、
「必要とされたい」という思いには「今の自分は必要とされていない」という前提の上に成り立っています。
我々は、その前提から逃れるために何かをしようと思うのですが、
結果的に、その前提を確認することになります。
今回の話で言うと、「自分は必要とされていない」から誰かの役に立とうとすると、
役に立つことを目指しているはずなのに、
結果的に役に立てない自分を確認したり、
役に立てたとしてもいいように利用されているように感じたり都合よく扱われているように感じたりするのです。
結局、役にたてない自分は必要とされない、役に立たなくなったら自分は必要とされない、と、
「必要とされない」前提を確認することになります。
2-2.自分をないがしろにしていたら幸せは感じない
また、他人から必要とされようと他人のことに重きを置くということは、
それだけ自分をないがしろにしているということです。
自分の言いたいことややりたいことを我慢して、他人が喜ぶことを優先しています。
自分をないがしろにしていて幸せな気持ちを感じることはないし、
自分が自分を大事にしていないのに他人から大事にされようなんて図々しいですよね。
詳しくは割愛しますが、
「自分が自分を扱っているように相手も自分を扱ってくれる」
「自分への扱いと同じように相手も扱っていると感じる」という法則があります。
自分が自分を大事に扱っていなかったら、相手からも大事に扱われないし、
大事に扱われていたとしてもないがしろに扱われているように感じるということです。
上記二つの理由から、幸せになるために他人から必要とされようとするのはオススメしません。
目的地に行くための手段が間違っていますからね。
月に行くために自転車を頑張ってこごう思ってるようなものです。
3.必要とされたい気持ちが埋まっていく方法
では、どうしたら満たされない気持ちが埋まって幸せになっていくのか。
ここからはその方法を紹介していきます。
まず、満たされない気持ちはどうやったら埋まるのか、
それは、自分を大事にすると埋まっていきます。
今まで自分の満たされない気持ちを埋めるために、
他人に喜ばれることや認められること、役に立つことを優先してきたと思います。
他人を自分より優先するということは、要は自分の優先順位が低いということであり、
自分を大事にできていません。
そして、自分が自分を大事にしていないということは、
自分が自分に対して「あなたのことはどうでもいいよ」というメッセージを送り続けているということなのです。
この自分に送るメッセージを「あなたは大事にだよ」「あなたは必要な存在だよ」という
メッセージに変えるだけでいいのです。
そして、このメッセージを変える方法は、「自分は大事だ」と念じることでも思い込もうとすることでもありません。
ただただ、自分を大事に扱う、自分の気持ちに従った行動を取るということです。
他人より自分を優先して、「自分を大事にしていいのだ」「自分を大事にするとはこういうことだ」ということが分かったら、
あなたの中で、嬉しさと安心感が広がっていきます。
すると、誰に必要とされなくても、自分は大事な存在だと思うことができるのです。
要は、一人で完結するという話なのです。
逆に、他人に必要とされるために他人を優先するということは、
「自分なんてどうでもいい」という気持ちを大きくすることであり、必要とされていない感覚が強くなります。
ぜひ、今までの逆をやってみてください。
他人に必要とされるかどうかなんてことはどうでもいいことです。
「自分をないがしろにする自分」から「自分を大事にする自分」になって、
あなた自身からあなたが必要とされてください。
すると、あなたが本当に望んでいた安心感やここにいていい気持ち、幸せな気持ちが広がっていきます。
4.自分を大事にするとは
最後に自分を大事にするとはどういうことかを説明していきます。
他人よりも自分を優先する、自分を大事にするという話をすると、
他人を犠牲にしたり他人に嫌な気持ちにさせたりすることに抵抗があるという話を聞きます。
しかし、自分を優先するということは、他人を犠牲にすることではありませんし、
傍若無人に振舞うということではないのです。
自分を大事にするというのは、自分の気持ちをしっかりと表明するということです。
お皿に残ったひとつの唐揚げが食べたければ食べたいと言ってみる、ただそれだけです。
もし、他に食べたい人がいたらジャンケンになるかもしれないし、
自分だけが食べたいと思っていたらありがたくいただく。
これを必ず唐揚げを自分のものにしようという話ではありません。
きっと他にも食べたい人がいるはずだから、自分の気持ちを押し込める、
がめついと思われるから、言わずに我慢するといことではなく、
やりたいことはやりたい、やりたくないことはやりたくない、
嫌なものは嫌、好きなものは好きと表明してみてください。
言ってみることで、自分が自分の気持ちをわかってくれた、
自分が自分を大事にしてくれた嬉しさが広がります。
その言うことや表現することを大事にするということです。
決して他人を押しのけることでも、他人を大事にしないということでもありません。
みんな自分を大事にしたらいいし、その結果色々調整したらいいだけの話です。
ぜひ、自分の心にあるものをそのまま表現してみてください。
みんな、あなたに我慢してもらおうと考えているわけではなく、
あなたが表現しないからあなたに何をしたら嬉しいのか知らないだけです。
自分の気持ちをただただ言ってみるだけで、みんなその気持ちを大事にしてくれます。
5.まとめ
今回は、必要とされたいという気持ちをテーマに、
自分の心を満たしていくという話をしました。
いくらあなたが人から必要とされたら幸せを感じられると思おうと、
人から必要とされることで、あなたの心が満たされていくという仕組みにはなっていません。
嬉しいのは一瞬だけでまた新たな必要とされる出来事を探しさまようことになります。
ぜひ、人から必要とされることを求めるのではなく、
「自分を大事にする存在」として、自分から必要とされる存在になってください。
自分を大事にできたときの嬉しさや感動、安心感や頼もしさは、
言葉で表現できないものがあります。
ぜひ、一番そばにいていつも一緒にいる自分との関係を深めてみてください。
そして、自分は必要とされなくても自分は自分でいいことがわかってから、
誰かを喜ばせたいという気持ちを感じたなら、そんな素敵な気持ちも大事にしてください。
そうやって人を喜ばせたとき、今までと違った嬉しさを感じると思います。
満たされない気持ちや心の穴について、
満たされない理由と虚無感を生む「心の穴」の埋め方で別の角度から書いてあるので、
ぜひ、参考にしてみてください。