自分にはこれといった何かがあるわけでもない。
何かの役に立っているかと言われたら特別何の役にも立っていないように思う。
自分を好いてくれる友達もあまりいない。
こんな自分には価値がないのではないか。
自分の価値とは一体何のか。
自分の価値を探しても明確に見つからず、自分に価値を見いだせない時、
もやもやとした脱力感を抱くかもしれません。
また、何をしたら自分に価値を感じられるのか、
自分に価値を感じるために出来る何かを探したり誰かの役に立つことをしようとしているかもしれません。
しかし、自分の価値を「何か」で感じようとすると、その「何か」に縛られます。
自分の価値を上げるためや下げないために、その「何か」をしなくてはならなくなるのです。
この記事では、「自分の価値」をどう捉えていったら幸せなのか、
「自分の価値とは」という問いに一つの答えを出します。
ぜひ、自分の価値について捉え直しをしながら、
スッキリした気持ちで自分や自分の人生をただただ楽しんでもらえたと思います。
1.人は自分に感じる「自分の価値」をとても重要視している
まず、自分の価値とは何かを説明する前に、
人は自分に感じる「自分の価値」をとても重要だと思ってるという話をしようと思います。
と言っても言葉そのままなのですが、「自分の価値」を私たちはとても重要だと感じています。
どれぐらい大切に感じているかというと、命の次に大事なものだと捉えています。
だから、自分の価値を実感したいし、
やりたくないと感じていても、自分の価値を実感できそうなことがあると飛びつくことがあります。
また、それぐらい重要なものだから、人は自分の価値が見いだせそうなものを探すし、
逆にそれが見つからないと自分の価値を実感できず、悩むことがあります。
2.自分の価値の根拠を見つけると崩れる
要は、人は自分の価値の根拠を明確に見つけたいと思っているということです。
自分の価値を測るモノサシを見つけて、自分の価値は90くらいだ100だといって安心したいのです。
そして、このモノサシは人によって異なります。
- 仕事の出来、能力の高さ
- 人の役にどれだけ立っているか
- 成功、お金、人脈、学歴、知識量
- 容姿、体型
- 人にどれだけ好かれているか
自分の価値を測る自分オリジナルなモノサシを見つけて、
そのモノサシの目盛りが高いことで自分の価値を実感して安心しようとします。
しかし、何か明確な根拠によって自分の価値を測るということは、
逆に、その根拠が崩れてしまうと、自分の価値も簡単に見失ってしまうというこことです。
自分より仕事ができる人が現れた、人の役に立っていると感じていたがありがた迷惑だった、
自分より成功している人や色々なことを知っている人が目の前に現れただけで、
一瞬にして肩身が狭い思いをすることになります。
何かに対して根拠を求めるということは、根拠があるうちは安心していられますが、
同時に根拠がなくなる怖さや根拠がなくなった時の脆さが存在するということです。
だから、幸せで心穏やかな考え方として、
「自分の価値に根拠を見出さない」ということが大きな方針となります。
もっと言うと、何かで測ることができるほど自分の価値はちんけなものではないということです。
仕事ができなかったり何かの役に立たなかったぐらいでグラつくような、
そんな吹けば消えるようなものではありません。
3.自分の価値の捉え直しをする
ですので、自分の価値の根拠を探さない、自分の価値を計らないとともに、
自分の価値の捉え直しをして欲しいと思います。
どう捉え直しをするかというと、下記二つのどちらかにしてみてください。
- 自分の価値は根拠なく「ある」ということにする
- 人の価値は上がらないし下がらない、そしてみんな一緒
個人的には後者の方がしっくりきますが、ここはどちらの方が受け取り安いか感覚的なところとなるので、
自分はどちらがより自分の感覚に近いかで選んでみてくださいね。
それでは、上記二つの自分の価値の捉え方について詳細を説明していきます。
3-1.自分の価値は根拠なくある
2章のところで自分の価値の根拠の例をいくつか挙げましたが、
価値の根拠は多岐にわたります。
仕事の出来、役に立つ、能力、学歴、成功などなど。
そして、首長族という部族にとっては首の長さ、古代ギリシアのスパルタでは単純な体の強さ、
ゲーム好きにとってはゲームのうまさや持っているアイテムなど。
本当に様々なモノサシがあり、他人から見ると信じられないもので自分の価値を勝手に測っています。
まさか誰も首の長さで自分の価値を測ってるとは思いませんからね。
ということは逆に、自分の価値も勝手に決めていいということではないでしょうか?
誰もが根拠を勝手に決めているのであれば、根拠がなくても価値があることを勝手に決めてしまってもいい。
その論理としての正しさは脇に置いておくとしても、
「根拠なく自分には価値がある」と決めてしまってもいいということです。
「自分の価値は自分で決める」ということだし、「そこに根拠はいらない」ということです。
あなたが100といえば100だし、1万といえば1万だし、ゼロだといえばゼロです。
この世界はそんな風にできています。
自分が先に決めてしまえば、自分や他人が自分を見るときに「確かにそうだ」と勝手にその「確からしさ」が見えてきます。
ですので、何の根拠もなく自分には価値があると決めてみてください。
そんな何かで測れるようなちんけな価値ではない、と。
宇宙の広さを30cmモノサシで測れないようなものです。
3-2.人の価値は上がらないし下がらない、そしてみんな一緒
そして、もうひとつの捉え方は、「人の価値は上がらないし下がらない、そしてみんな一緒」というものです。
最近、私はこっちの方がしっくりくるのですが、そもそも「自分固有の価値」を意識しないということです。
何ができようが何ができなかろうが、何を持っていようが持っていなかろうが、
価値は上がりもしないし下がりもしない。
そして、今生まれた赤ちゃんも自分もおじいさんも人としての価値はみんな一緒だという感覚です。
この説明をすると、「じゃあ、なんで生きているのか?」とよく聞かれます。
「いやいや笑、逆に価値を見出すために生きているわけじゃないでしょ笑」と思ったりします。
人は、別に何かをするために生まれてくるわけではなく、
自分の人生を自分のやり方でただ楽しむだけだと思っています。
その「自分の人生を楽しむだけ」という考えに「自分の価値」という話は出てこないんですよね。
みんながみんな、それぞれの人生をそれぞれのやり方で楽しむ生命体というだけの話です。
人によっては、仕事を頑張る人もいる、誰かの役に立つことで嬉しさを感じる人がいる、
お金を稼いでお金で色々な経験をして楽しむ人がいる。
ただ、それだけの話で自分の価値という話は出てこない。
もっと言うと、仕事や誰かの役に立つことやお金を稼ぐことはただの楽しみだということです。
一言で言うと「趣味」です。
仕事をしているから偉い、能力が高いからすごい、人の役に立っているから価値がある。
そう好きに捉えてもらっていいのですが、
そのどれもが私はその人の人生をより豊かにする趣味なんだなという風に捉えています。
だから、逆に自分の価値を上げるために苦しい思いをしてその”趣味”をしているのだとしたら、
それはやめたらいいと思うし、仕事でももっと楽に働ける場所やスタンスを探したらいいと思います。
どんなことをしてもしなくても、自分の価値が影響を受けることはない、
全くの別物、全く関係ないものという感覚です。
その上で何をするか、好きなことで楽しいことをしたらいいのではないでしょうか?
4.自分の価値を見つけなくても自分に胸を張っていい
カウンセリングの現場で話を聞いていると、
一番深いところでは、「自分には価値がないと感じていて、だから、何かをしなくては」という考えを持っていることがよくあります。
そして、その何かをしようとしてもうまくいかなくてどうしようかと困っている。
しかし、そもそも「自分の価値がない」というのは誰が決めたのか、と。
自分の価値は誰が決めるのものなのか、と。
自分の価値って上がったり下がったりするものなのか、と。
この捉え方を変えていくだけで、価値が上がりそうな何かはそもそもする必要がなかったことに気づいて悩みが終わることもよくあります。
そう、自分の価値なんて見つけなくていいし、上げようとしなくていいのです。
自己申告制で今この瞬間から自分には価値があるとしてもいいし、
「自分の価値!?何それ?おいしいの?」と捉えてもいい。
要は、そんなものあろうがなかろうが、自分に胸を張っていたらいいですよね。
もちろん生きていていいし、もちろんそこにいていい。
勝手に自分に価値がないように感じて卑屈になって自分をいじめなくていいということです。
何もしない何もできない自分に価値やありがたさを感じず、ひどい扱いをする相手がいるなら、
そんな相手に迎合する必要はなく、こちらから願い下げだという話です。
「自分には価値がないから」という視点から離れて、
何もない自分であったとしても図太く胸を張ってもらえたらと思います。
5.まとめ
今回は、自分の価値をテーマに、
「自分の価値」をどう捉えたら幸せなのかを説明しました。
自分の価値は命の次に大事なものなので、
気がついたら上げようと無理して頑張っていたり、自分の価値が低いことに落胆したりするんですよね。
その無理した頑張りも落胆も、自分の価値を自分のモノサシで測っていることや、
自分の価値を何かで測ることができると思っているところが始まりなので、
ぜひ、そのモノサシという発想を捨ててみてください。
最初は人生や生きる指針がないように感じて戸惑うかもしれませんが、
慣れてくるととても自由で何にも縛られないのでとても楽です。
自由に自分の人生を楽しんでもらえたらと思います。
また、自分がコンプレックスに感じている部分を「自分の価値を測るモノサシ」にすることが多いです。
もし、心当たりがある場合は、学歴コンプレックスが気にならなくなる方法も読んでみてください。
上記の記事は学歴という分野に絞って書いてありますが、どんなコンプレックスでも同じなので、
自分のコンプレックスに当てはめて読んでもらえたらと思います。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。