他人の言動にいちいち振り回されて疲れる。
他人の顔色が気になって息苦しく感じる。
他人の正解にいつも合わせている自分が嫌いだ。
「自分軸で満たされながら生きたい」
今回は自分軸について説明していきます。
そもそも自分軸とは何かという話ですが、
我々が苦しさや息苦しさを感じる時、自分以外の何かに従って生きています。
社会の暗黙のルールや昔躾けられた親からの教え、
他人に否定されないか、嫌われないかなど。
こういった自分以外の何かを自分の言動の指針にしている状態を他人軸と言い、
他人軸で生きていると息苦しく満たされないので自分軸で生きましょうということがよく言われます。
自分の言動を他人基準にするのではなく、自分基準にしていこうと言うことです。
しかし、「自分軸で生きなければいけない」と肩肘張ると、
今度は自分軸に縛られ、それはそれで自由ではありません。
この記事では、自分軸というか他人軸から離れて、
解放された自由さを感じながら心満たされるにはどうしたらいいのかについて説明していきます。
私たちの目的は、自由に幸せに生きることなので、
自分軸が何でこう生きるべきですという話はしません。
(どう生きるべきもありませんからね)
あくまで、自分軸や他人軸に触れながら、「自由に幸せに生きるには」というところをメインに話をしていきます。
ぜひ、自分の言動の正誤を他人に委ねるのではなく、自分の内側から湧いてくる感覚を大事にしてみてください。
それが、自分を自由に幸せにしてくれます。
1.楽に自由になっていく上での大前提
自分を幸せにする自分軸とは何かということを説明する前に、
日々楽に生活する上での基本的なスタンスを二つ話をしていきます。
1-1.自分も相手も裁かない
まず一つ目は、自分も相手も裁かないということです。
ここで言う裁くとは、「良い悪い」「正しい間違っている」をジャッジするということです。
この裁くという行為は自由度を狭めます。
自分が自由にできる言動が少なくなり窮屈さを感じるし、
他人を裁くことによって、イライラしたり相手を嫌いになったりするのです。
そして、この良い悪いや正誤の判断は今に至る過程の中で身につけた常識や他人の意見です。
要は、他人からもらった他人軸であるルールを自分や相手に当てはめて、
自分を生きづらくしているということです。
この世に、良いも悪いも正しいも誤っていることもありません。
間違いがあるのではなく、違いがあるだけなのです。
ぜひ、他人軸を手放すという意味でも、日々心地よく生きるという意味でも、
自分も相手も裁かないということを覚えておいてください。
1-2.どんな自分でもOK
自分を楽にしていくスタンスの二つ目は、どんな自分でもOKだということです。
先ほどの裁かないにも通じるところがありますが、
こんな自分はOKでそうでない自分はNGだと考えていると、
自分にNGが出たときに自分に対してダメ出しをしてとても苦しい気持ちになっていきます。
元々、ダメなんてことはないんですよね。
しかし、私たちはダメでNGが存在しているように感じているところがあります。
それは、自分と自分以外の社会があった時に、
いつの間にか、社会を正解にしてそれに合致していない自分をNGとする考えが根底にあるからです。
- 他人より勉強ができない自分はダメ
- 社会はしっかりしている人物を求めているからしっかりしていない自分はダメ
- 会社が求めるノルマをクリアできない自分はダメ
社会に100%で適合することを無意識に考え、適合できていない部分にダメ出しをする。
しかし、私たちは社会の為に生きているわけでも、社会の言う通りにするために毎日生活しているのでもありません。
社会が100で、その通りにできない部分がダメという発想ではなく、
自分は100でOKで社会とどれぐらい付き合うかは自分で決めていいのです。
それがいつの間にか逆転してしまっているんですよね。
親のしつけや学校の先生の教えは、それを守らない自分はダメだということでは決してなく、
ただ、この社会とは一応これを良しとしてこれはあまり良しとはされないよ、
というただの社会のカタチにすぎません。
(その社会の形も親や先生の経験による独断と偏見が含まれています)
だから、それは守らなければならないものではないのです。
その社会の良しとされていることやダメだとされていることとどれだけ付き合うかは、
最初から自分で決めていいということです。
それがこの世界のカタチです。
ぜひ、自分がOKか、社会とどれだけ付き合うかという選択の話を覚えておいてください。
2.自分軸とは何か
それでは、ここから自分軸とは何かという話をしていきます。
自分軸というと何か明確で確固としたカタチがあるような気がしますが、
そんなことはありません。
いつも自分の考えを持ち主張することが自分軸でもないし、
気持ちがブレないことが自分軸を持っているということでもないし、
他人に一切影響されないことが自分軸でもない。
私たちは、時々刻々考えていることは変わるし、
ブレないなんてこともないし、他人に影響されないことはありません。
何でもそうなのですが、無理なことを追い求めないでもらえたらと思います。
ネガティブにならないとか、いつでも感謝するとか、ブレず揺るがない自分軸を持つとか、
無理なことをやろうとすると苦しくなります。
「自分がそうなんだからそう」それでいいのです。
そして、これが自分軸です。
その都度変わる自分の気持ちを受け止めてそれに自分が一つ一つ応えていく、
それが自分軸で生きていくということです。
- 自分がやりたいのだからやりたいでいいしそのやりたいことを始めてみる
- 自分が嫌なのだからそれをやれと言われても断る
- 自分が一人になりたいんだから自分の時間を取る
ということです。
そして、逆に、不安になるんだから不安な顔をしていいし、
人の言葉によってブレるのであればブレる自分でいいのです。
どんなものでも自分の内側から湧いてくるものであれば、
それを認めて表現してあげることが、自分軸で生きるということです。
最初は、自分の気持ちに従うことに勇気がいるかもしれませんが、
自分に任せながら自然に委ねていくことに慣れていくと、
とても楽で満たされた気持ちを感じている自分に気づきます。
3.自分軸で生きる前に
自分軸で生きるには、自分の気持ちを見つけて従っていけばいいのですが、
今まで他人軸で生きて、息苦しさを感じてきた方はいきなり自分軸で生きることは難しいかもしれません。
それは、自分の気持ちに従う以前に、他人軸から離れることへの抵抗を無意識に感じているからです。
- 他人を不機嫌にさせてはいけない
- 他人に嫌われてはいけない
- 他人の頼みは聞かなくてはならない
といった他人軸のルールをずっと守ってくると、
いつの間にか、他人軸のルールを守ろうとします。
しかし、自分の気持ちとこのルールは相反することも多く、
気持ちが両方に引っ張られてどうしていいかわからないと感じることも多いです。
ですので、自分軸で生きる前に他人軸のルールを先に外していってください。
他人軸のルールを外す方法は以下の手順でやってみてください。
3-1.他人軸のルールを見つける
他人軸のルールの見つけ方ですが、
まず、自分の気持ちに反してやっていることは他人軸のルールです。
「やりたくないのにやっていること」や「やりたいのにやっていないこと」に目を向けると、
他人軸のルールが見えてきます。
- やりたくないのに愛想笑いをする→相手を不機嫌にしてはいけない
- 行きたくないのに飲み会に参加する→周りに合わせなければならない
- 意見を言いたいのに我慢する→でしゃばってはいけない
など、「やりたくないのにやっていること」や「やりたいのにやっていないこと」から、
自分のルールを見つけていくことができます。
他人軸のルールの見つけ方の二つ目は、他人から見つける方法です。
他人に対してイラっとしたり嫌な気持ちになったりする言動から自分が持っている他人軸のルールが分かります。
他人にイラっとしたり嫌いになったりするのは、
自分が守っているルールがあり、それを他人が破る時です。
要は、自分は守っているルールがあるのにあの人は守らなくてズルいと感じたり、
そんなことするとお母さんに怒られるよと無意識の怖さを感じたりするのです。
自分が持っているルールに反した時に、相手にイラっとするのだから、
イラっとする相手の言動を見ることで自分のルールが分かります。
- 言葉遣いの汚い人にイラっとする→言葉遣いを綺麗にしなければならない
- 仕事をサボる人にイラっとする→仕事をサボってはいけない
- 上から目線の人が嫌いだ→上から目線で人に接してはいけない
など、自分がイラっとする人や嫌いな人を見ることによって、
自分が持っている他人軸のルールを見つけることができます。
3-2.他人軸のルールを捨てていいと許可する
ルールが見つかったらあとは簡単です。
次にすることは、自分に許可を出していきます。
例えば、上から目線で人に接してはいけないというルールがある場合は、
「上から目線でいい」と自分に許可を出していきます。
3-3.実際に他人軸のルールに反する行動をしてみる
そして、少し勇気がいるのですが、
実際に他人軸のルールに反する行動をあえてしてみてください。
上から目線で人と接してはいけないというルールを持っていたのなら、
実際に、上から目線で他人に接するということをするということです。
実際にやってみることで、そのルールを持っていなくてもいいということが分かります。
上から目線でも他人はあまり違和感を抱いていないし、
今まで嫌いだった上から目線の人がそんなに嫌じゃなくなったということを感じてもらえると思います。
こうなったら、上から目線であってもなくてもどちらでもいいという感覚になっているので、
この段階で他人軸のルールが外れたということになります。
4.最終的には無軸
そして、こうやって一つ一つ自分のルールを外していくと、どういう人になるかというと、
自分勝手でだらしなくてズルくて冷たくい人になっていきます。
そんな人になったらダメじゃないかとよく聞かれますが、
「そんな人になったらダメ」という発想がすでにゴリゴリの他人軸です。
だから、一度、そんなダメだと感じている自分で生活してみたらいいです。
他人軸を外すために反他人軸をやってみる。
反抗期みたいなものです。
そして、今後ずっと反抗期みたいな反他人軸で生きなければいけないという話ではありません。
自分の他人軸のルールが外れて、何で今まであんなに他人のばかり気にしていたのかなと感じるようになったら、
あとはその時々の気持ちで決めたらいいということです。
他人軸の今があり、反他人軸をやって他人軸がいらないことを知り、
最終的には軸なんてないところに落ち着いたら、一番自由だと思います。
だから、私が考える自分軸とは「軸がない」ところだと感じています。
「他人の意見」に縛られるのでもなく「他人の意見に縛られてはいけない」に縛られるのではなく、
“自分”という定義に縛られるのでもなく、
その時々に感じることを採用していくことが一番自然なのかなと思います。
というのも、私も心のことを学ぶ中で、
心の話を実践していく中で、いつの間にか心のことに縛られている自分に気づきました。
それはそれで多少の息苦しさがありました。
だから、その心のことからも離れて自由に選択したらいいのだなと感じたのです。
守破離みたいなものでしょうか。
だから、「自分軸」というものに縛られるのではなく、
ぜひ、他人軸も自分軸も捨てて今の気持ちを採用して自由に気楽に生きてみてください。
5.まとめ
今回は、自分軸について説明しました。
他人や社会を基準に自分の言動や生きる道を決めることは、とても息苦しく窮屈なものです。
他人や社会はあくまで自分以外の誰がが言っているものなので、
自分の言動や生き方を考える上では参考程度でいいのです。
ぜひ、他人や社会の捉え方を変えてもらうとともに、
無意識に従ってきた他人軸を見つけて外していってもらえたらと思います。
そして、他人軸を外す作業をしばらくしたら、他人軸を外すという行為さえも捨てて、
その時々の気持ちに任せて、この世界を自由に飛び回ってもらってください。
何の道しるべもなく自分が合っているのかの指標がないことに最初のうちは戸惑いを感じるかもしれませんが、
慣れてくるとこの上なく自由を感じてもらえます。
ぜひ何にも縛られず自分の人生とこの世界を楽しんでもらえたらと思います。
また、自分軸に関連のある自分探しというテーマを
「自分探し」では見つからない本当の自分の見つけ方にまとめてあるので、
本当の自分を見つけたい方は参考にしてみてください。