怒ってはいけないという抑圧が生む苦しさと穏やかに生きられる3つの方法

怒ってはいけないと自分を抑圧すると、生きる楽しさを感じなくなったり自分の感情が分からなくなってしまったりします。
また日々満たされた感情を得ることができなくなるばかりか、自分の抑圧し続けた結果、うつ状態になることもあります。
日本では「感情を荒げないことが美徳」「怒ってはいけない」と教えられてきますが、怒りを抑圧してしまうとその代償は大きなものとなるのです。

この記事では、「怒ってもいい」という大方針を提示しつつ、つい怒りが湧いてくる原因と解消法を解説しながら、「怒ってもいい」という価値観のベースがありながら「日々さほど怒ることもない」状態を実現していく方法を説明します。

本記事の内容を実践してもうことで、怒りを出していけるすっきり感を味わいながら日々穏やかな毎日を送ることができます。
自分を抑圧して薄べったりとした苦しさから解放され、毎日をすっきり楽しく送ってもらえたらと思います。

1.「怒ってはいけない」のはホント?

まず「怒ってもいい」という大方針から話をしていこうと思います。

私もそうでしたがこれを読んでいるあなたも小さいころに親から「怒ってはいけない」と言われて育ったかもしれません。
「そんなに怒るんじゃない」「怒ってもしょうがないから」そう言われて育ち、大人になってからも「怒ってはいけない」と感じながら生きていました。
しかし、私が心のことを学び「どんな自分でも自分は自分で良かったんだ」と心の底からの安心感を育んだ後に感じていることは、「怒りの感情や怒ることも大事」ということです。

怒りを抑圧しなかったことにすればするほど、「自分は自分でいい感覚」がなくなり不安になり自分の感情ややりたいこと・好きなことも分からなくなってしまうんですよね。
また、ストレスを感じたときに怒るという選択をする方はその場ですっきりしますが、怒らず感情をため込むという選択をする方はうつ状態になる方も多いです。
怒りの形であっても感情を外側に出すということはとても大事なことです。

また、小さいころ「怒ってはいけない」と教えられてきましたが、その理由を考えても納得のいく答えは導き出せません。

・怒りを向けられた人は嫌な気持ちがする
→人のために生きているわけではないし、自己防衛のために怒るのは真っ当な行為

・子どもっぽい
→大人とは怒らないことではないしそんな「形だけの大人」を実現してきた結果、満たされない空虚な心の状態になってしまっている

他にも理由は考えられるかもしれませんが、いずれにしても怒ってはいけない理由にはなりません。
では、なぜ怒ってはいけないと親は言ったのか、想像でしかありませんが「親にとって都合がよかったから」ではないでしょうか?
大人しくしてくれていたら育てやすいし、子どもが怒ってる姿を他人に見られたら子育てが上手にできない親と思われるから、「怒ってはいけない」と教えたのかもしれません。

まぁ、親の意図は分かりませんが、怒ってはいけない理由なんてないんですよ。
逆に、誰かの都合で自分の感情を抑圧して無かったことにしなくていいんです。

怒りを含め感情を封印してしまうことは思った以上に精神衛生上良くないです。
我々が気持ちよく満たされながら生きようと思ったら怒りを含め、どんな方向性の感情であっても抑圧したり封印しないことが大事です。

2.穏やかさがやってくる怒りの扱い方

「怒っていい」という大前提を理解してもらましたか?
怒りが湧いてきたときは遠慮せずに怒っていきましょう!

とは言っても、怒ってもいいからってずっと怒っていたらそれはそれで大変だし、良好な人間関係を築いていくことが困難になります。
ここでは怒りの感情の扱い方を説明しながら、穏やかな毎日を送る方法について解説していきます。
説明するにあたり①他人に攻撃を受けたときの怒りと②他人の言動に対する怒りを分けて説明していきます。

2-1.他人に攻撃を受けたときの怒り

他人に攻撃を受けたときに自然と怒りが湧いてくることがあります。
誰かに攻撃的な言葉を言われたり嫌なからかわれ方をしたりいじめられたりといった時に湧いてくる怒りですね。

こう言った場面で怒りが湧いてきたら、そのまま抑えるのではなく怒っていってください。
自分や自分の大切な人が攻撃されたときにその存在を守ろうとするのは自然な気持ちであり、その手段が怒りでも構いません。

また、もし今まで「怒ってはいけない」と自分の怒りを制御してきたのであれば、自分や自分の大切な存在のために怒れる自分にある種の嬉しさを感じると思います。
今までは自分や大切な存在が大事だと分かっていても「怒ってはいけない」というルールを尊重したり相手からどう思われるかを優先して「怒らない」という選択肢を取ってきました。
それは「大人」なんて言われる反面、自分を蔑ろにする行為になります。

だから、自分を蔑ろにすることを辞め、しっかり怒ることで自分を大事にすることができる。
そんな自分がなんとも逞しく、自分のために行動できた自分を誇らしく感じます。

ぜひ、「怒ってはいけない」なんて自分を抑圧し蔑ろにするのではなく、盛大に自分を守ってもらえたらと思います。
自分を守れるのは自分だけ。
ぜひ、攻撃を受けた時は怒っていってくださいね。

2-2.他人の言動への怒り

次に他人の言動に対する怒りについて話をしていきます。

2-2-1.他人の言動にイライラする理由

まずそもそも他人の言動になぜイライラするのか、その理由を説明していきます。
他人の言動にイライラする理由は下記3つです。

①自分のルールを他人に押し付けている
②怖さや不安を感じている
③キャパオーバーしている

それぞれ説明しますね。

2-2-1-1.自分のルールを他人に押し付けている

人は無意識に自分の守っているルールを人に押し付けています。
そして、自分の守っているルールを相手が破るとその相手に対してイライラするのです。

例えば、「人が大勢いるところで騒いではいけない」というルールを自分が持っている場合、人が大勢いるのに大声ではしゃいでる人を見た時に「常識がない人」「よくここで騒げるな!」とイライラします。

これは、世の中の守るべきルールを守っていない人に対して当然怒っているわけではなく、自分が守っているルールを破る人を見た時に人間の心理として怒りの感情が湧いてくるのです。

2-2-1-2.怖さや不安を感じている

怖さや不安を感じる時も人はイライラという怒りを感じます。
例えば、自分の子どもが勉強をしなかったときのことを想像してみてください。

子どもが勉強しないことによっていい学校に入れず社会でやって行けず、ニートや引きこもりになる。
そんな想像を無意識にして、「子供が勉強しない=怖い、不安」と感じるわけです。
すると、「勉強しなさい!」と自分でもそんなに強く言う必要がないと認識していても、つい怒りが湧いて相手を怒ってしまうことがあります。

これは相手の言動によって怖さや不安を感じるから湧いてくる怒りですが、言い方を変えると相手の言動によって想像する未来に安心感を抱けない程「自分の大丈夫の領域が狭い」と言い換えることができます。
先の例で言うと、大丈夫の領域が広い人は子どもがニートや引きこもりになっても「まぁ、大丈夫だろう」という根拠のない大丈夫な感覚で相手を見ることができます。
すると自然と相手の言動に怖さや不安を抱くことはなく、怒りは湧いてきません。

逆に、大丈夫の領域が狭いと「ニートになったら大変!引きこもりになったらどうしよう!!」と強い怖さや不安を感じ、怒りが湧いてくるのです。

2-2-1-3.キャパオーバーしている

また、自分が快適にできる作業量を越えて活動しているときも怒りの感情が湧いてきます。
自分が快適にできる作業量を自分の「キャパ」と呼び、その量を越えて頑張っている状態を「キャパオーバー」と読んでいます。
このキャパオバーした状態で人はイライラした感情が湧いてくるのです。
これを読んでいる方の中でも忙しすぎて無性にイライラする経験をした方も少なくないと思います。

2-2-2.イライラせず穏やかになる方法

では、そんなイライラした怒りの気持ちがどうしたら穏やかになっていくか見ていきましょう!

2-2-2-1.自分のルールを他人に押し付けている

まず、自分のルールを他人に押し付けているについてですが、「自分のルールを他人に押し付けないようにしよう」という方向性では「怒ってしまう」状態は回避できません。
なぜかというと、どれだけ頑張っても自分が守っているルールは【無意識に自然と】他人に押し付けてしまうからです。

自分の守っているルールを他人に押し付けることで怒りが湧いてきている場合は、自分が守っているルールを捨てることが穏やかに生きる方法になります。
例えば、「周りに人がいる状態で騒いではいけない」というルールを持っている場合、自分も少し騒いでみて「なんだ、周りに人がいても少しぐらい騒いでもいいんだ」と知っていくことがイライラせずに穏やかにいる方向性です。

自分の持っているルールのことを【こうするべき】と呼んでいますが、生きるのが苦しい方、毎日満足感や安心感を得られない方は【こうするべき】が多すぎます。
我々は小さな頃から様々な【こうするべき】を教えられその教えを守りながら生きていますが、小さな頃に教えられた【こうするべき】が自分を苦しめているんですよね。

なので、他人の何にイライラするのかをヒントに自分の守っている【こうするべき】を見つけ、その【こうするべき】を捨てていってください。
すると、怒ることもなくなるので「怒ってはいけない」と自制する必要もなくなります。

ちなみに、「怒ってはいけない」というのも実は【こうするべき】です。
前半で触れたように「怒ってはいけない」という【こうするべき】も捨てていってくださいね。

2-2-2-2.怖さや不安を感じている

次に大丈夫の領域が狭いことによって怖さや不安が湧いてくるパターンについて説明します。

その前に、なぜ大丈夫の領域が狭いのかというと、自分の中に「安心」が少ないからです。
そして、なぜ自分の中に「安心」が少ないかというと、「自分は自分でいい」という感覚が少ないからです。
さらに、なぜ「自分は自分でいい」という感覚が少ないかというと、自分の元々持っている性格を捨てたり自分の気持ちに従わず自分の気持ちをないがしろにしているからです。

「自分の元々持っている性格を捨てる」とは、例えば、子どもの頃はわがままな性格だったけど、親にわがままな性格を怒られ、わがままを辞め他人に配慮するようになったとします。
その場合「わがままな性格を捨てた」ことになります。
我々はそうやって今に至る過程の中でありとあらゆる性格を捨ててきます。
元々持っている性格を捨ててるわけですから、「自分は自分でいい」という感覚が乏しくなってしまうわけです。

また、自分の気持ちに従わないことも同様で、「本当はこうしたいけどこうしておくのが正解だろう」と自分の気持ちを無視することによって「自分は自分でいい」という感覚が薄くなります。

だから、自分の中に安心感を広げ、大丈夫の領域を広げたいと思ったら、捨てた性格を取り戻すことと自分の気持ちに従うことが必須になります。

捨てた性格を取り戻すことと自分の気持ちに従うことについては、心にぽっかり空いた穴!満たされた気持ち包まれる心の穴の埋め方に詳しく記載してるのでそちらをご覧ください。

2-2-2-3.キャパオーバーしている

最後にキャパオーバーの解消法について説明していきます。

キャパオーバーはシンプルにやっている作業量・行動量を減らすことがキャパオーバーの解消法です。
動きすぎているから、その量をグッと減らしていくということです。

ここでポイントなのが「自分の価値観を越えて」作業量や行動量を減らしていくことです。
例えば、家事でキャパオーバーしている場合、「毎日掃除機をかけなければ気が済まない」という自分の価値観は保持したまま、作業量を減らそうと思ってもたいして減らすことはできません。
ですので、毎日掃除機をかけたくても隔日や週1にしていき、「それでいい」と自分の価値観を書き換えていくことが大事です。

また、その時に怖さを感じ、作業量や行動量を減らしにくいことがあります。
この怖さを深ぼっていくと、自分がより楽に自由に満たされていくヒントが見つかるのですが、長くなってしまうので代表的な怖さを上げ、参考になる記事を紹介しようと思います。

作業量や行動量を減らすことが怖いと感じる代表的な理由として「自己価値がなくなるから」という怖さがあります。
人は命の次に「自分が自分に対して感じる価値の大きさ(自己価値)」を大事にしているので、それが無くなってしまったり減ってしまうことを怖がります。
もし、自己価値が減ってしまうことが怖いなと感じる場合は、自分の価値とは何かという悩みに終止符!自分の価値の捉え方を参考に「自己価値なんてただの言葉で、そんなものにこだわらなくていいんだ」という感覚になっていってくださいね。

3.怒ってはいけないのまとめ

以上のように、怒ってはいけないと自分を抑圧して苦しく悶々とした生き方をするのではなく、怒りの感情であっても湧いてきた感情を大事にしてもらえたらと思います。
怒りが湧いてきたときは怒っていきましょう!

とはいうものの、四六時中怒っているのも楽しくないし人間関係も築きにくいです。
そこで2章で説明したように「怒り」をヒントにより穏やかにより豊かに生きられる方向性に路線を切り替えてもらえたらと思います。
路線を切り替えることで、今までの物の味方・感じ方がまるっきり変わっていきます。

下記は私の講座に参加された方の感想です。

娘にイライラして過干渉が辞められなかった。
娘の不登校をどうしていいかわからないし、イライラして干渉してしまう自分への否定がやめられない。

そんな時に、こころにまるをのマスターコースに行き、自分が叶えたかったことを娘に叶えてもらおうとしたから干渉をやめられなかったと自分の気持ちをわかって肯定できたとたん、自分を許せて執着が手放せた。
イライラ、ソワソワと自分と娘を監視する自分がいなくなった。

娘は自分ではない。
娘の人生は自分で自由に選んでいく。
今までの価値観はこれからの時代と合わない。

きっと、どうにかなるでしょ。
今まで失敗させないように、人に迷惑をかけてはいけないと、自分の持っているルールを娘にも、押し付けていた。

生まれたときは、元気に出てきてくれただけで感動だったのに。
よかれと思ってすることは余計なお世話だった。
してあげたいことは自分がして欲しかったこと。
自分にしてあげたらよかったんだ。

「イライラしてもいい」と気楽になっただけでなく、過干渉も辞められ自分の人生を楽しむ方向に路線変更できたんですよね。
ぜひ、今「怒ってはいけない」と抑圧している状態から、もっと自由にこの世界を楽しんでいけるスタンスに変えて行ってくださいね!

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。