心理カウンセラーになるには!相手も自分も幸せにするために大事なこと

人の話を聞くのが好きで将来そういうことを仕事にしていきたいな。
悩んでる人の役に立てたらいいな。
自分が苦しかった分、悩んでいる人に言ってあげられることは多いかもしれない。

「カウンセラーになるにはどうしたらいいんだろう」

というわけで今回は「心理カウンセラーになるには」という話で記事をまとめます。
実際、コンサルと同じように心理カウンセラーになるには税務署に開業届を出せば誰でも今すぐカウンセラーになれます笑
しかし、聞きたいことはそういうことではないですよね。

カウンセラーの実情、内側を知りたいと思います。
私もカウンセラーとして起業して6年、400人の方のカウンセリングを今までしてきました。
その経験を踏まえながら心理業界の中にいることで見えることをお話していこうと思います。
前半では一般的な話、後半で個人的な体験を含めた考察を中心にまとめます。

1.心理カウンセラーになるには

冒頭で紙を出せばカウンセラーになれると言いましたが笑、もう少し丁寧に話をしていこうと思います。
心理カウンセラーとして仕事をするには大きく二つのルートがあります。

一つは、臨床心理士や産業カウンセラーなどの資格を取って病院やクリニック・会社や学校に勤める形です。
最近では、公認心理師という心理系で初めての国家資格もできたので公認心理師を取得して勤務するというルートも今後増えていくと思います。

もう一つは、自分で開業してしまうルートです。
上記の資格を持っていてもいいし民間の心理スクールでカウンセリングのやり方を学び、開業して仕事をするルートです。
私はこの方法で心理カウンセラーの仕事をしています。

説明上、以降では前者を勤務系、後者を開業系と呼んでいきます。

2.勤務系と開業系のメリットデメリット

では、次に勤務系と開業系のメリットデメリットを説明していきます。

2-1.勤務系のメリットデメリット

勤務系のメリットはまず就職できれば固定給が入るということですね。
私は開業系で生活するお金は売上によるところがあるので、固定給はとても魅力です。
また、カウンセリングをする上で、医者の指示や会社や学校の方針があるのでカウンセリングで迷わなくて済むというのもメリットかと思います。

逆に、勤務系のデメリットは就職先の数が今は多くないということでしょうか。
今後、社会の変化とともに心理職の需要が広がるかもしれません
また、就職といっても他の職種のように定年や長期間ということではなく、イメージとしては契約社員のような感じで働ける長さは未確定な感じだと思います。

2-2.開業系のメリットデメリット

次に開業系のメリットですが、これは何と言っても自由度が高いということです。
時間や場所の自由もそうですが、目の前の人に一番合っているカウンセリング手法や話の切り口を自由に選べます
この人には絶対こっちの方がいいのにと思いながら院や会社の方針に従わなくていい自由さがあります。
また、時間の自由さがあるので最初はダブルワークから始めることもできます。

逆にデメリットは、収入の不安定さがあるということです。
これは職種に関わらずそうですが、自分で仕事をしているわけなので自分次第というところがありますね。

3.心理カウンセラー勤務系と開業系の選択のポイント

では、勤務系か開業系かを選ぶポイント何なのかの話をしていきます。
選択のポイントは以下です。

  • カウンセリングの型や方針が決まっている方がいいか相手を見て柔軟に対応する方がよいか
  • 固定給に魅力を感じるか時間の自由に魅力を感じるか
  • 集客をしたいと思うかどうか

このあたりが判断のポイントになってきます。
自分の体験を生かし相手に合わせて臨機応変にやっていきたいなら開業系、自由に考えるよりも比較的決められていた方が楽に感じるのであれば勤務系。
自分の裁量や育児などの空き時間に仕事をしたいのであれば開業系、時間よりも固定的な収入が毎月入る方が良いなら勤務系。
そして、ここが一番大きな違いになるのですが、集客をしたかったり集客も学んでやっていきたかったりするなら開業系、集客するのは嫌いだと思うなら勤務系になります。

開業したらお客さんが自動的に入ってくるわけではなく、自動的に入ってくるように導線を作る必要があります。
その「どこでお客さんに見つけてもらって」「どうやって興味を持ってもらって」「どうやって目の前まで来てもらえるか」その辺を試行錯誤しながらやっていきたいかいきたくないかだと思います。

というのを参考に勤務系がいいか開業系がいいか選択してみてください。
そして、もし、勤務系が良いのであれば、この記事を全部読み終えた後に笑、自分が働きたい職場で有利になる資格で再検索してもらえたらと思います。
ざっとこんな感じです。

臨床心理士:病院・会社・学校と幅広く役に立つ。
産業カウンセラー(キャリアカウンセラー):会社に就職したい場合
公認心理師:臨床心理士と同じ仕事内容か。まだ新設されたてで就職先の実例はない。

4.相手を楽に幸せにするために一番必要なこと

と、ここまで説明してきましたが、勤務系か開業系かはそんなに大きな問題ではありません。
好きな方を選べばいいんです。

それより、どんなスタンスで今後カウンセリングをしていくかということがとても大事です
これからカウンセリングをやっていこうと思ってるあなたは自分のスキルを上げて多くの人の役に立っていきたいと感じているかもしれません。
しかし、カウンセリングとは技術ではないし「人の役に立つ」というところにも落とし穴があります
ここではその二つのことについて話していきますね。

4-1.カウンセラーの適正・財産

まず、カウンセリングは技術でないという話についてです。
もちろん、傾聴や共感、相手の緊張を解いていくことや深いところまで話してもらうような自然な誘導、心理療法は必要です。
しかし、「さらに高い技術を」と求めたくなるかもしれませんが、決して技術偏重にならないでください

カウンセラーとクライアントの関係は”先生と生徒”や”技術を施す側と受ける側”ではありません。
それはフラットな姿勢でいましょうと言うことではなく、「目の前の相手は自分」だということです

そもそもカウンセリングで用いる療法やこうしたら楽になるという話は相手にしてあげるものではありません(最終的には相手にもしますが)。
カウンセリングで用いるものは自分にしてあげるモノなのです。
自分にやってみて自分が楽になり幸せになる、その自分が楽に幸せになったものが相手に伝播するというイメージです。
そういった意味で「目の前の相手は自分」だという話です。

想像してみてください。
歌舞伎町二丁目にいるゲイの人たちを。
自分を開け広げに認め、楽しい毎日を送っている。
その人達の言葉や背中から出る雰囲気から、「あ、自分もありのままの自分でいいのかも」と何となく伝わるのではないでしょうか

人から伝わるのは決して”言葉”ではないし、療法でもありません。
「あなたはそのままでいいんだよ」なんて言いながら、自分は「こんな自分はダメだ」と自分を責め「こんな自分はバレてはいけない」と自分を隠していたら、「あなたはそのままでいいんだ」というメッセージは絶対に伝わりません。
逆に、何も言わなかったとしてもどんな自分も受け入れているのだとしたら、自然と相手に「あなたはそのままでいい」というメッセージは伝わります

ここをすっ飛ばして、自分は安全なところにいてどこからか仕入れた技術や療法を使おうとしてもスッカスカで中身がこもってないんですよね。
私はカウンセラーの適正が一つあるとすれば、この自分を楽にしていくチャレンジ、つまり勇気をもってどんな自分でも受け入れようとするスタンスがあるかだと思っています
そして、そのチャレンジを通して気づいたことがカウンセラーとしての財産になります。

そういう意味で楽な仕事ではありません。
怖さに向き合い、汚い自分と向き合い、その上で相手と向き合う仕事です。

また、見方を変えると自分を楽にできれば相手を楽にすることは簡単です。
それは自分のことを見る時は客観的に見れないのでその分、迷うし混乱します。
相手のことは客観的に見れる分、この辺りはとても楽です。

4-2.相手を救おうとする落とし穴

次に、相手を救おうと考えることの落とし穴を説明していこうと思います。
カウンセラーを始めると当たり前ですが悩んでいる方や現状に困っている方が相談に来ます。
しかし、その目の前の相手は救わなきゃいけない人でもかわいそうな人でもないということです。

相手をかわいそうな人と見ることで相手はかわいそうな人になります。
逆に、相手を大丈夫扱いすることで相手は大丈夫な人になります。
相手を自分で何とかする力がある人扱いすることで自分で何とかできる人になります。

要は、自分が相手をどう捉えているかによってその人がどういう人かが決まるということです。
相手をかわいそうな人扱いすると相手は”自分はかわいそうな人だ””とても大きく複雑な問題を持っているんだ”と認識するし、そう認識すると自分のかわいそうな過去を見つけ出し、これからもかわいそうな自分を想像します
「救わなければ」という思いもそうですよね、自分が相手を何とかして救ってあげたいと思うとその相手は誰かに救ってもらわなければいけない人という認識になりその認識をなぞります。

じゃあ、相手を突っぱねるのかというとそういうことではないのですが、「救わなければ」「かわいそうだから」と相手を弱者扱いしなくていいということです。
そもそも「救う」も「かわいそう」も私にとってはとても上から目線に感じます。
一人の人として相手を見てください。

また、相手の役に立つことで自分に価値を感じるという考えもとても気に入りません。
相手はあなたが価値を感じるための道具ではないし、もしそう考えているとしたらあなたは人の役に立たないと価値がないと自分のことを捉えているわけです。
「ありのままの自分は価値がない」という自己認識ですね。

人には自分の認識や捉え方を無意識で確認する心理があります。
つまり、相手の役に立って自分に価値を感じたいと思いながら、「自分には価値がない」という自分の認識を相手の役に立たないという手段を使って確認するということになります
「自分には価値がない」を確認するために相手も巻き込むことになるんですよね。
「相手を楽にできない自分には価値がない」など、相手の役に立つことに何かが紐づいている場合、カウンセラーとして潰れます。
無価値感や罪悪感がどんどん自分にのしかかってくる感じです。

よくカウンセラーをして苦しくならないんですか?と聞かれますが、苦しくなるカウンセラーは「役に立つこと」に何かが紐づいている人です。
この辺も「カウンセリングは自分に使うもの」という話を思い出し、先に解消しておいてください。
「何もできない自分にも価値がある」と腑に落ちている状態に自分をしておいたらいいということです。
その方法についてはこの記事の趣旨からだいぶ外れるので割愛します。

5.あなたじゃなきゃいけない理由

ここまで読んでもらえたら、なぜ技術はそれほど大事じゃないかということが伝わったと思います。
確かに技術ややり方は大事です。
ただ、それをはるかに凌駕するくらい大事なことがあるということです。

それがカウンセラーとしての自分を磨くことであり、そこにカウンセラーの魅力と面白さが詰まっています。
自分のしがらみ、ブロック、抑圧、禁止、否定を取り払っていくことによって自分が楽になり、「私も楽に幸せになりたい」とあなたを見て来てくれた方があなたの姿を見て自然と楽になっていく
そういう循環がとても嬉しいしとても楽しいですよね。

もし、自分はそうじゃなく技術だけ集めて相手に施したいんだというのであれば、カウンセラーは向かないと思います。
技術だけなら、あなたじゃなくても変わりはいます。
AIでも問題ないでしょう。

しかし、あなたが悩んだ過去があり、それを越えて楽に幸せになれた道のりがある
そのストーリーや今のあなたの背中から伝わるものがあるから、あなたじゃなきゃダメなんです
できることや相手の役に立てることではなく、あなたという存在、あなたが歩いてきた道のり、それが誰かの背中を押していきます。
ぜひ、そんなカウンセラーになってもらえたらと思います。

そして、また、そんなカウンセラーであるなら一つの病院や会社、学校に勤めているのはもったいないかなと個人的に思います。
活動の範囲、相手に与えられる影響、来てくれる人の本気度、開業がいいかと思いますが、まぁ余談です笑

6.まとめ

今回は「心理カウンセラーになるには」というテーマでまとめました。
カウンセラーになるだけなら今すぐ簡単になれます(何度言うんだ笑)。
しかし、カウンセラーになることが目的ではなく、相手を楽にできる技術を施すことがカウンセラーではありません。

この記事は少し厳しめかと思いますが、そういう意味、楽な仕事ではないんですよね。
(私は午前中しか働いていないと決めているので働き方としてはものすごく楽ですが)
ただ、勇気を持って自分と向き合う、ありのままの自分で生きると踏み出すことができるならこれほど面白い仕事はないと思います

人の人生に関われる。
相手の人生の最大の転換点になる。
ものすごくやりがいがあるし、ものすごく面白いです。

今も、「今あの人何をしているかな」と想像するだけで何か嬉しくなる。
人の人生に関われる、とても嬉しいことです。
ぜひ、そんな幸せなカウンセラーライフを楽しんでいってもらえたらと思います。

また、「こころにまるを」でも自分を楽に幸せにするところからカウンセリングを学んで行くマスターコースがあるのでぜひ活用してみてください。

今回の話について動画でもまとめているので、ぜひご覧ください。