やる気が出ない悩みを解消する方法

やらなきゃいけないことがたくさんあるけど、どれも手を付ける気にならない。
頑張ろうと自分を奮い立たせても、すぐに気力がなくなる。
気力が湧いてこない自分を見て、イライラする。

「最近、やる気が出ないな」

以前は何の抵抗もなくできたことにやる気が湧いてこなくなると、
焦って苦しく感じたり、自分を責めて落ち込んだり、やる気を出そうと無理をしたりするかも知れません。

しかし、そもそもなぜやる気を出さなければいけないのでしょうか?
なぜ前向きに積極的にやっていかなければいけないのでしょうか?
やる気を無理に出すということは幸せにつながっているのでしょうか?

それは、ただ「やる気があるのが良いこと、やる気がないことはダメなこと」という社会や今までの教えに影響されているだけかもしれません。

この記事では「やる気が出ない状態」や「やる気がない自分」との付き合い方を説明していきます。
「やる気が出ない」悩みを解消するために「やる気を出す」という方法を選択したとしても、「やる気が出ない」悩みは解消しません。
悩みに対するアプローチが完全に誤っているからです。

すでにゴールしているのに、どこにあるかわからないゴールに進もうとしているようなものです。

しかし、悩んでいる渦中にいるとそのことに気づきません。
逆に、悩みを俯瞰してみることができれば、その悩みは簡単に手放すことができます。

「やる気が出ない」状態を俯瞰して見ることができるように、わかりやすく説明していますので、
ぜひ、「やる気が出ない」状態を客観的に捉えてみてださい。
悩みが簡単に解消していきます。

1.やる気は無理に出さなくていい

冒頭にも少し書きましたが、「やる気があることは良くて、やる気がないことはダメなことだ」と思っていると、
無理にやる気を出そうとしたり、やる気がない自分を責めたりします。

やる気があるかないか、それはただの状態です。
やる気があってもいいし、やる気がなくてもいい。
やりたくないことがあってもいいし、やりたくないタイミングがあってもいいのです。

悩み全般について、言えることですが、「問題は問題視するから生まれます」

本来、そこに問題はありません。
しかし、それを問題だと思った瞬間から問題が生じます。

今回も、やる気が出ないことは問題ではありません。
やる気が湧かないこともあれば、やる気が湧かないときもあります。
それを「仕事はやる気を持って積極的にやるべきだ」「やる気が出ない自分はうつ病なのかも知れない」と問題視すると、
それは何とかしなければいけない問題なんだ、と初めて問題が生まれるのです。

だから、やる気がでないことについて、問題視する必要はありません。
もっと言うと、「やる気の有無」を正誤・善悪でジャッジしないでください。
そこには、やる気が出ない自分がただいるだけで、良いも悪いもないのです。

2.やる気を出さなければと思う自分を探る

やる気が出ない自分との付き合い方は以上になります。
単純に思うかもしれませんが、今までの価値観に沿わないことを私たちは問題にしてしまいます。
ぜひ、「やる気がない状態」や「やる気がない自分」も受け入れてみてください。

と、ここまで読んでみて、すんなり納得できたでしょうか?
「じゃあ、やる気がなくてもいいか」と納得できた場合は、ここを飛ばしてもらっても構いません。
「そうは言っても、やっぱりやる気がなきゃダメでしょ」と思う場合は、
以降で、やる気が出ない自分を深堀り、「やる気が出ない」の正体を見つけることで、悩みに対してより的確なアプローチをすることが出来ます。

2-1.やる気が出ない自分の深堀りをする

2-1-1.自分が嫌っている部分を探す

まず、以下の質問に答えてみてください。

  • やる気がない自分を何といって責めますか?
  • やる気がないとどう思われそうで嫌ですか?
  • やる気がないとどうなってしまいそうで不安ですか?

この質問では、自分が嫌っている自分を知ることが出来ます。

  • 後ろ向きでネガティブな自分には価値がない
  • 暗い人だと思われそうで嫌
  • パフォーマンスが低く仕事をクビになりそうで不安

この「ネガティブ」「暗い」「仕事ができない」という部分を嫌って、
その嫌いな部分を補うためにやる気を出そうとしているということです。
すると、「やる気を出さない」ことはこの嫌な部分が露呈することであり、ずっとやる気を出さなければいけないと思うようになります。

ですので、ぜひ、自分が嫌っている部分を受け入れてみてください。
「ネガティブで暗くて仕事ができない自分でもいい」と嫌いな部分が自分の中にあることを許してみてください。

また、最後の不安に関してですが、不安は不安として感じてみてください。
それを回避しようとすると、悩みの大元である「こうするべき」というルールを自分の中に作ることになります。

不安という自分の内側から生じる感情はそのまま不安として感じてみてください。
すると、不安が暴れだすことなく、等身大の不安として感じることができます。

2-1-2.自分の中の罪悪感を探す

次に、自分がやる気を出さなかったら悪いなという気持ちがありますか?
もし、誰かに悪いと感じるのであれば、それはあなたの中にやる気を出さないことへの罪悪感があるということです。

この罪悪感はいらないものなので、捨ててしまってください。

自分だけやりたくないことをやらないとき、自分だけがおいしい思いをするとき、自分だけ幸せになるときに罪悪感を感じることがあります。
そして、その罪悪感のために、その先にある欲しいものに手を伸ばすことを躊躇してしまいます。

しかし、この罪悪感を感じる前提には、
「相手もやりたくないことをやっている」「相手はいつも割に合っていない」「相手は不幸だ」という決め付けがあります。

目の前の人はやりたいことをしていて、満たされている幸せな人です。
その幸せな人を不幸という色眼鏡で見ているだけであり、相手が不幸に見えるのは自分の不幸を投影しているのです。
「自分が不幸だから相手も不幸なはずだ」「自分が苦しいから相手も苦しいはずだ」と無意識に感じているということです。

だから、自分がまず先に幸せになってみてください。
やる気が起きないときにやる気がない態度をしたり、実際にやらないという行動を取ったりして、まず自分が満たされてみてください。
すると、相手も満たされていることに気づき、罪悪感は自分の頭の中だけで繰り広げられていたことに気づきます。

2-2.やる気がでない正体を探る

ここではやる気がでない原因を探り、やりたくないことをピンポイントに特定していきます。

2-2-1.キャパオーバーのサイン

やる気が出ないのは、自分のキャパ(許容範囲)を超えて何かをやろうとしているからかも知れません。
カウンセリングの現場でも、頑張ることが当たり前になっている人は「私はそんなに頑張っていません」とよく口にされます。

つまり、「頑張っている」の基準値が高くなっているということです。
その高い基準値が自分のできる範囲を超えてしまっていると、「よく分からないけどやる気がでない」状態になります。
キャパオーバーしているので、自分の中に余力が全然残っていないということです。

この状態で「まだ頑張らなくては」と思うことは、とても苦しいことです。
うつ病についても同様で、体はすでにボロボロなのに気持ちは「頑張らなくては」「こんなんじゃダメだ」と自分を責めていることによって、
こころのブレーカーが落ち、強制終了の状態となっています。

詳しい内容については、うつ病の仕組みと治し方(リンク)をご参照ください。

ですので、「もしかしたら自分のキャパは小さかったのかも」と疑ってみてください。
そして、頑張る手を一度緩めてみてください。
すると、自然とこれがやってみたいという気持ちが湧いてくるので、今度はその気持ちに従ってやりたいと思ったことをやってみてください。

2-2-2.何をやりたくないのか

「やりたくないこと」や「やる気が出ないこと」はやらなくてもいいのですが、
具体的に何のどんなところが嫌なのか明確になっているでしょうか?

たとえば、仕事がやりたくないと思った場合、具体的に仕事のどんなところが嫌だと感じますか?

  • 上司Aさんとの人間関係
  • ルーティンワークの仕事
  • 仕事ができなくて抱く劣等感

嫌なところを細分化することによって、アプローチ方法も変わってきます。
ぜひ、自分が何を苦痛に感じているか自分の心の中を探ってみてください。

ちなみに、人間関係が嫌な場合はカテゴリ:人間関係
ルーティンワークの仕事が嫌な場合は誰かに任せてみることはできないか?
仕事が出来ない劣等感はコンプレックスが気にならなくなる方法
などを参考にしてみてください。

3.やる気が出ない、でもこんなときはやってみて

上記までで、やる気が出ないことを何とかしたい気持ちを深堀ってきました。
ぜひ、やる気を出さなきゃと自分を駆り立てる力を緩め、やる気がないときはその気持ちに従って欲しいと思います。

しかし、「やる気がでない」ときでも、以下のようなときはぜひ勇気を出してやってみてください。

  • やってみたいけど怖いとき
  • 失敗しそうで一歩踏み出せないとき

何かやりたいことがあっても、失敗する怖さや恥をかく怖さがあると、「何となくやりたくない」という気持ちになることがあります。
しかし、それは「やりたくない」でも「やる気がない」でもなく、
ただ、その先の結果を怖がっているということであり、実は怖さを感じているだけなのです。

そんなときは、ぜひ一歩踏み出して失敗して恥をかいてみてください。
すると、人生がより充実する方向に動き出していきます。
やる気が湧かないことなのか失敗する怖さを感じているのか、自分の心に聞いてみてください。

4.まとめ

今回は、やる気が出ない状態との付き合い方と、やる気を出さなければという気持ちの深堀りをしていきました。

やる気がないことが問題なのではなく、
やる気が出ないということは休みのサインだったり、方向転換の時期だったりするということです。

そして、自分の気持ちに従って休むことで、自然とやる気は湧いていきます。
「こうすべき」「こうしなければ」という理性ではなく、「こうしたい」「これは嫌だ」という感情に耳を傾けてみてください。
すると、自然とものごとがうまい方向に流れていきます。

“感情”というテーマを記事にした感情がない理由と無感情の状態から感情を取り戻す方法もぜひ参考にしてみてください。