仕事を休むことができない本当の理由

有給休暇を取りたいけど、なかなか取りづらい。
上司や同僚の目があるし。
仕事を休むうまい理由なんてないかな。

仕事を休むのが当然だと周りが思う理由を探すのもひとつの手ですが、
なぜ、仕事を休むことが難しいのか、心理的な理由を見つけ、
その心理的な障壁を排除することで、簡単に休めるようになります。

「休暇を取る」というと大した話ではないように感じると思いますが、
自分の行動が他人の目によって制限され、NOと言えずにずっと我慢していると、
人生に充実感や自由がなくなり、不満や被害者意識が膨らんでいきます。

自分の優先順位を変え、満たされた気持ちで生活するための、基本的な考え方を紹介していきます。

1.仕事の休みが取れない表面上の理由

休みを取ることができない理由は色々あると思います。

  • 仕事が忙しくて休めない
  • 自分が休んでいる間、頼れる人がいない
  • 周りの目が気になる
  • 自分の居場所がなくなる

しかし、これらは表面上の理由であり、実は奥に隠された心理的な理由があるのです。

2.仕事の休みが取れない心理的な理由

では、仕事の休みが取れない心理的な理由とはどんなものなのでしょうか。

2-1.承認欲求があるから

一生懸命働くと認められると考えている場合、
休むということは周りから認めてもらえないことを意味することになり、休みを取るのが躊躇われます。

2-2.罪悪感があるから

自分だけ休むことが悪いと感じている場合、休みづらくなります。

罪の意識を感じるくらいなら、周囲と同じように仕事をしよう、周りを助けようという意識が働きます。

2-3.自分を必要な存在であると思いたいから

「自分がいないと仕事が回らない」と思っている場合、
自分が必要な存在であると自分が思いたいという可能性があります。

つまり、自分が休んだときに、日々の業務が回るということは、
「自分が必要でない」ということを証明することになり、休むことを無意識に避けるようになります。

このパターンについては、自分だけがわかる領域を持っていたり、簡素化できる仕事を敢えて難しくやったり等、
自分の重要性が保たれるように仕事をしていることがあります。

2-4.頑張っている様子を見せておかないと失敗したときに言い訳ができないから

もし、自分がミスしたときに、それまでの休みが多いと言い訳ができず、つらい状況に追い込まれると考え、
なるべく休まず、頑張っていた様子を周囲に見せようとします。

「一生懸命頑張ったけどできなかった」という言い訳をするために、事前に頑張った事実を作っておく、ということです。

3.仕事の休みを取るにはどうしたらよいか

休みを取れない心理的な理由に対する解決案を順に説明していきます。

3-1.承認欲求がある場合

人から認められることを諦めてください。

人からの承認をいつも求めるということは、常に誰かの目に縛られているということです。
それは、自分の人生ではなく、他人の人生を生きていることにもつながります。

すると、本当の自分がわからなくなり、
本当の自分を自分で認めることができなくなるため、自信を失っていくのです。

大事なことは、作った自分を他人に承認してもらうことではなく、
自分の本当の気持ちを自分自身が承認することなのです

また、他人から認めるためには、まず自分が自分を認める必要があります。
「他人に認められたら、自分を認めることができる」ではないのです。

自分を大事にするからこそ、他人もあなたを大事にしてくれるのです。

まず自分ありきです。
仕事を休むというのは、自分を大事にするわかりやすい形ではないでしょうか。

3-2.罪悪感がある場合

自分らしく、自由に生きるためには、罪悪感は必要のないものです。
罪の意識を感じた場合、自分が罪の意識を感じていることを認め、
そして、その罪悪感に従う必要はないと割り切って行動してみてください。

他人のことを常に考えるというような社会的風潮がありますが、行き過ぎると、自分の行動を制限し、息苦しくなります。
休みを取ることに罪の意識を感じるのであれば、行き過ぎていると解釈してもいいのではないでしょうか?

他人のことも大事ですが、優先順位の第一位は自分です。
社会的風潮や親の教えを最優先にして、自分の人生を放棄する必要はないのです。

他人には優しく、自分にはもっと優しく。
自分を優先して初めて、本当の感謝や周りの優しさに気づくのです。
他人に優しくしたければ、まず自分に優しくすることです。

もし、今、人生に閉塞感や虚脱感があるのであれば、「こうするべき」を優先しすぎて自分がわからなくなっています。
その場合には、ぜひ優先順位を変えてみることをお勧めします。

また、罪悪感が大きすぎて苦しい場合は、自責の念から開放される方法を読んでみてください。

3-3.必要な存在であると思いたい場合

「自分にしかできない仕事をしているから、自分は必要な存在だ」と考えている場合、
それは、条件付きの必要性になります。

もし、他の人がその仕事を出来てしまったら、自分は不必要な存在になるため、
そうならないために必死に自分の仕事を守るし、不必要な存在にならないか恐怖と戦い続けなければなりません。

自分しかできない仕事の有無が、自分の価値を左右してしまうのです。

では、条件付きの必要性から、無条件の必要性を感じるためにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、条件を敢えてクリアしなければよいのです。

今までは、「自分にしかできない仕事があるから、存在価値がある」という暗示にかかっていましたが、
「自分にしかできない仕事がない」を体験することによって、
「自分の存在価値は自分にしかできない仕事があったから」ではないのだと気づき、この暗示が解除されるのです

すると、条件付だった必要性が、無条件の必要性となるのです。

それを体験する意味で、仕事を休み、今抱えている自分だけ仕事を周りの人に任せてみてください。
あなたの居場所はなくなることはなく、今までの仕事を手放すことで、次のステージの仕事がやってくるのです。

3-4.頑張っている様子を見せておかないと失敗したときに言い訳ができない場合

自分を守るためや将来のことを考えて、今の行動を決めることは多いかもしれませんが、
「未来の不安はそのときに考える」を実践してみてください。

将来のことを考えて今の行動を決めるということは、ずっと今を犠牲にし、将来を優先するということです。

しかし、将来のときが来たとしても、さらに先の将来のことを考えて、その時を犠牲にすることと思います。
つまり、将来のことを優先するということは、人生全てを犠牲にし続けるということなのです。

自分の人生を大事にするということは、「今、この瞬間を大事にする」ということなのです

なので、将来の失敗に対する言い訳を作るよりも、今、したいことがあるならば休みを取ってやってみてほしいのです。

4.まとめ

休みが取れない心理的な理由と、それに対する考え方について説明しました。

世間一般の考え方とは異なるため、すぐには腑に落ちないかもしれません。
しかし、今回、説明した考え方は、楽に自由に自分らしく生きるためのベースとなる考え方です。

今までの考え方で息苦しさや窮屈さを感じるのであれば、
息苦しさや窮屈さから開放されるには別の考え方が必要になります。

世間の常識で生きることもよいのですが、
世間の常識とは異なる別の世界がある、新しい生き方があるのです。

ぜひ、今までの常識と、そのにわかに信じがたい世界を疑ってみてください。