カウンセリングに行ってみたいけど、どのカウンセラーに相談したらいいかわからないことはありますよね。
このブログでは、カウンセラーの選び方について説明していきます。
カウンセラーと共依存関係になったり、いつまでも悩みから抜け出せずに時間ばかりが経過したり、悩みから抜け出す行動とその理由が明確にならなかったり、と、悩みを泥沼化させることなく解消していく参考にしてもらえたらと思います。
1.そもそも悩みとは
カウンセラーの選び方を説明する前に、そもそも悩みとは何なのかという話をしていきます。
ここが明確になっていないとカウンセラーを選ぶと言っても持っている資格や今までカウセリングをしてきた数などで判断するしかなくなくなるので、ぜひ悩みの本質を理解してくださいね。
では、そもそも悩みとは何なのか。
一言で言うと「心の偏り」です。
本来、自分はどう生きてもいいし、360°何を選んでもいいわけです。
しかし、親のしつけや社会の教え、罪悪感や劣等感、誰かに愛されたい気持ち、認められたい欲求など(他にも数多く存在します)によって、自分の考え方や言動を制限します。
「自分はこうあらなければならない」「人に嫌われてはいけない」「失敗したくない恥をかきたくない」という“正解”やルールを自分に課すのです。
そして、この”正解”から外れると問題視をし自分を責めたり、自分を縛るルールよって息苦しく感じたりします。
また、言動を制限することで満たされない気持ちが心の中で膨らんでいくのです。
これは欝病やパニック障害と名前がついているものでも、自分に自信がないなどその方の性格に関することでも同じです。
(「こうあるべき」通りでない自分を責めて頑張るけれど自分の理想に届かなくてまた自分を責めて頑張る。
その際限のない無限のループによって心身が限界を迎えた状態が欝です。
パニック障害も「ちゃんとしていなければならない」「人に迷惑をかけてはいけない」という自分のルールから外れることを恐れ、自分に過度にプレッシャーをかけてプレッシャーの限界を迎えた状態です。)
だから、自分を苦しめる”正解”やルールを外して行けばよく、そのルールを外すために考え方の癖や過去の出来事(トラウマ、わかってほしい気持ち)にアプローチしていくのです。
「悩み」というと多岐に渡り壮大な気がするかもしれませんが、その仕組みは極めてシンプルです。
ただ、自分の”正解”やルールは自分にとって当たり前すぎて、その違和感に気づかないし何が自分が苦しめる”正解”でルールなのか気づきません。
だから、カウンセラーという存在が必要になります。
クライアントを苦しくしている”正解”やルールがどこにあるのか、そして、それを外せない(外したくない)理由がどこにあるのかを見つけて解消していきます。
それがカウンセラーの仕事です。
2.カウンセラーの選び方
2-1.カウンセラー自身のルールが外れているか
だから、カウンセラー自身が自分のこうするべきという”正解”やルールをどれだけ外しているかということが大事になります。
それは決しておかしな言動をしたり奇行に走ったりするということではなく、その”正解”やルールに従ってもいいし、そこから外れてもいいということを頭ではなく自分の感覚として知っていて自分の言動を自由に選べるということです。
このルールが外れていないとクライアントの方のルールに気づきません。
例えば、人に嫌われてはいけないというルールがあるカウンセラーはクライアントの「人に嫌われてはいけない」というルールに気づかないのです。
だから、「嫌われないこと」を前提に嫌われない方法を探すことになります。
しかし、私たちは目の前の出来事にうまく対処する方法を伝えるコンサルタントとは違います。
今までうまく対処してきて心のモヤモヤが生まれ、うまく対処できなくて自分を責めているわけです。
今までと同じ方向に進んでも心の状態は変わりません。
その土台である「嫌われてはいけない」というルールに目を向けるわけです。
そして、そのルールが生まれた経緯や当時の傷ついた出来事を解消しながら、嫌われてはいけないというルールを外します。
「嫌われたら嫌な気持ちはするけれど、それでも大丈夫だった」ということがわかった瞬間に目の前の問題は問題ではなくなり、心の内側から満たされていくのを感じます。
だから、クライアントの不要なルールを見つけていくために、カウンセラー自身が自分のルールを外していることが大事になります。
2-2.クライアントが大丈夫なことを信じられているか
次に、「クライアントが大丈夫なことをカウンセラーが信じられているか」が二つ目のポイントとなります。
ここで言う”大丈夫なことを信じられる”とは、きっと目の前のクライアントは悩みから自分で抜け出せる力があるということを信じているということであり、また、今、悩んでいたとしても「クライアントはそのままでも大丈夫だ」と信じているということです。
パッと読んだだけでは誤解がありそうですね。説明しますね。
前述のルールと少しリンクするのですが、カウンセラーに「目の前の相手を何とかしなければいけない」というルールや考え方があると、クライアントの悩みを解消することに躍起になります。
そして、その言動はクライアントに「あなたは変わらなければならない」「今のままではダメだ」という影のメッセージを伝えることになります。
この影で伝わっている相手へのメッセージは非常に重要になります。
いくら言葉で「あなたはそのままでいい」「自分を認めていい」と伝えたところで、カウンセラーが相手を変えるための言動をしていたとしたら、伝わるメッセージは「あなたは変わらなくてはならない」「今のままではダメだ」というメッセージになります。
伝わるメッセージはその言葉ではないのです。
その人の背中(影のメッセージ)から伝わります。
その人の行動、やろうとしていることで暗に伝わるメッセージこそが大事なのです。
だから、クライアントが大丈夫なことや「そのままでいい」ことを信じられているか、そして「大丈夫」「そのままでいい」という前提に立った言動をしているかが重要になってきます。
前述の通り、自分の生き方も自分自身も360°何を選んでもいいわけです。
そこに気づいた瞬間に悩みは終わります。
それを伝えているはずなのに、「変わらなくてはいけない」「今のままではダメだ」という否定のメッセージが暗に伝えられていたら混乱しますよね。
2-3.なぜ悩んでいるかその本質が分かりどうしたら悩みが終わっていくのかを知っているか
最後は少し当たり前な話のように感じるかもしれませんが、実際当たり前じゃないので説明しますね。
カウンセラーを選ぶ三つ目のポイントは、クライアントがなぜ悩んでいるのか本質的な理由が分かり、そして、どうしたら悩みが終わっていくのかを知っているかということです。
「自分が嫌いなのは自己肯定感が低いからです」というのは一切、その悩みの本質的な理由ではありません。
この説明は要は「自分が嫌いなのは自分が嫌いだからです」と言っているのと同じです。
そして、「だから自己肯定感を上げていきましょう」という言葉に意味はありません。
「自分が嫌いなのは自分が嫌いだからで自分を好きになりましょう」と言っているに過ぎないからです。
そうではなく、「そもそも自分が嫌いなことで何が生きづらいのか」という視点が必要で、仮に、「自分を責めてしまって苦しい」というのであれば、具体的に何を責めているのか特定して、その嫌っている部分がどこなのかを探します。
そして、その嫌っている部分を受け入れていけばいいのだけど、受け入れたくない理由がどこにあるのか、過去の出来事にあるかもしれないし、こんな損をするかもしれないと感じているかもしれない。
その理由を丁寧にヒアリングしながら、クライアントの方の世界を一つづつ理解していく。
過去の出来事にあるのであれば過去の傷を消化していくし、損をしたくないのであれば反証を探したりあえて実際に損することをすすめる笑
(損しても大丈夫だと体験を通して気づくと強いです)
そして、自分を受け入れたくない障壁を下げていき、勇気を伴いながら自分を受け入れることによって自然と自分を責めなていない自分に気づき、この世界がとても生きやすく変わります。
結果として、自己肯定感が上がっているというわけです。
だから、自己肯定感は結果であり目指すものではありません。
心の世界では、便利な言葉が溢れています。
「自己肯定感」をはじめ、「トラウマ」「過去の生い立ち」、「アダルトチルドレン」「愛着障害」などなど。
こういう言葉を使えば、それっぽく聞こえます。
- 過去に親から虐待されたから自己肯定感が低いです
- アダルトチルドレンだから自分の子どもを愛せないのです
- 愛着障害だから人に依存してしまうのです
しかし、それっぽく聞こえることと悩みが解消することは全く関係ないんですよね。
過去の親の虐待がなければ悩まなかったのかもしれませんが、過去は変えられません。
アダルトチルドレンや愛着障害を治ったら目の前の問題は起こらないかもしれませんが、アダルトチルドレンや愛着障害は”結果的に”変わっているものであり(結果的に変わらなくても悩みは解消します)、そこを問題視して変えようとするとどんどん方向性がおかしくなってきます。
雨の日に洋服が濡れるのは雨が降っているせいですが、雨を止めることが悩みの解決ではありません。
過去の生い立ちが辛かったから過去を癒すのでも、愛着障害だから治すのでも、カウンセリングは傾聴をするものだから傾聴するのでもないのです。
そもそもの本質的な理由を見つけて、それが必要だからそれをするわけです。
必要ではないことに躍起になっても悩みは終わっていきません。
要は、クライアントがなぜ悩んでいるのか本質的な理由が分かり、そして、どうしたら悩みが終わっていくのかを知っているかが大事です。
3.カウンセラーの見分け方
カウンセラーの選び方は以上です。
ただ、選び方が分かってもまだカウンセリングを受けていない段階で、カウンセラーを見分けることは難しいと思います。
ですので、この章でカウンセラーをどう見分けていったらいいのかを説明します。
まず、ブログやメルマガなどそのカウンセラーが発信しているものがあれば、その発信から情報を得ることができます。
発信を見ながらそのカウンセラーが幸せそうかを読み取ってみてください。
幸せかどうかは、楽しいイベントや遊びをしているかということではなく、心が平穏かどうかということです。
また、偏りのない配信をしているかというのも大事になります。
前述の通り、クライアントを変えることや”病気”や”障害”と呼ばれるものを治すことに躍起になっていないか。
「世の中はおかしい」と「こうすべき」を振り回していないか。
自分の嫌っているところを受け入れたり、「こうすべき」というルールを捨てたりすることによって世の中は平和で、ある種世の中に対して無頓着な感覚になってくるものです。
世の中に怒りを持っているということは、まだそのカウンセラーの中に消化していない過去や心の偏りがあるのかもしれません。
と、「偏りのなさ」を見たらいいと説明しましたが、どれだけ頑張っても我々は偏りを全て捨てることはできません。
心の偏りは全て無くなるものではないし、無くすことがよいというわけでもありません。
苦しい時、生きづらい時に自分の偏りを見つけて外して行ったらいいのですが、逆に偏りはあってもいいのです。
それがフラットであり自然であり、楽なスタンスです。
だから、カウンセラーの配信を見るときにも「心の偏りがないことに偏っていないか」も参考になるポイントになります。
また、楽に生きることや幸せに生きるとは、喜怒哀楽の「怒」や「哀」がないということではありません。
良いこともあるし悪いこともある、それに伴って喜怒哀楽があります。
その喜怒哀楽全方向を味わうということが生きるということです。
楽に幸せというのは、その喜怒哀楽に”何か”が強く紐づいていないという状態です。
嫌なことが起きた時に、「やっぱり自分は嫌われている」「どうせ自分は認められない」などが紐づいていると、ただの悲しみに尾ひれはひれが付きます。
その尾ひれはひれという妄想が苦しいわけであり、苦しさを助長します。
しかし、それは「怒」や「哀」がないというわけではないのです。
ですから、「怒」や「哀」も含めて喜怒哀楽を配信しているカウンセラーが魅力的ですね。
喜怒哀楽も楽しみ自然体かも見てみてください。
そして、もし、ブログ等配信をしておらずカウンセリングの場でしか会えない場合は、一度カウンセリングをしてもらった後に「自分が悩んでいるのはなぜか」「どうやって悩みが解消していき、それがなぜなのか」聞いてみてください。
カウンセリングの手法として、傾聴と言ってクライアントの方の話をただただ聴いていくというものがあります。
クライアントの方の話を聴くというというのはカウンセリングのベースとして当たり前に必要で、傾聴を否定するつもりはありません。
しかし、「なぜ傾聴するのか」「傾聴してもらうと今後自分はどうなっていくから楽になるのか」をカウンセラーが明確に捉えていないと、傾聴はただお話を聞いているだけであり、別にカウンセラーに聞いてもらう必要はないのではないでしょうか。
手法があるからその手法に従うわけではありません。
目的があるからその手法を使うわけです。
ですので、ぜひ、その目的と道筋を明確に把握しているか確認してみてくださいね。
4.まとめ
今回はカウンセラーの選び方について説明しました。
色々書いてきましたが、一言で説明すると「そのカウンセラーが自然体で幸せそうか」が一番大きなポイントです。
自分を幸せにできない人が他人を幸せにできるはずもありません。
ですので、ぜひ、心のことに向き合い自分を楽に幸せにしてきたカウンセラーを見つけてもらえたらと思います。
自分も苦しい時期があったからこそ相手の気持ちが分かるし、そこから抜け出したからこそ相手の心の偏りに”違和感”を覚えます。
カウンセラーの財産はそこにあります。
持っている知識や技術はそこまで大事なものではありません。
逆に、必要な知識や技術は多くないのです。
そんなことよりも、自分の心と向き合い心の偏りを見つけてきたか。
勇気を出してルールを捨て、勇気を出して自分を幸せにして、勇気を出して現状から飛び出してきたか。
その生き方が財産でありその経験があるからこそ、クライアントの悩みの本質が分かっていくのです。
そんな素敵なカウンセラーを見つけて、満たされた幸せな時間を過ごしてもらえたらと思います。