自分がどれだけ頑張っても評価してくれない。
人の成果を自分の手柄にして自分のミスを人のせいにする。
自分にだけ当たりがきついし敵視されている。
「上司が嫌いだなぁ」
今回のテーマは「上司が嫌い」です。
本当であれば上司なんて気にせず、気持ちよく働いて気持ちよく帰りたい。
しかし、気にしないと思っていても目に入ってくれば感情は揺さぶられるし、
上司のおかしいところが許せない。
そんな時にどうしていったら、上司と適度な距離を保ち、
お互いに気持ちの良い距離感を保てるのか、
「上司が嫌い」という心の根本にアプローチしながら、その方法を解説していきます。
という私も会社員時代に嫌いな上司がいました。
上司からの要求は過多で何をしてもダメ出しをするような。
最初の頃は、それが普通の基準なんだ、確かに上司のいうことも一理あると、
必死に付いていこうとしたのですが、ある時気づいたのです。
これは「仕事」をしているのではなく、ただ上司に振り回されているだけだ、と。
最終的には、上司が別の上司に代わったこともあったのですが、
この元上司からの仕事は一切断ることに決めました笑
人を嫌ってもいいし人から嫌われてもいいことがわかった出来事でした。
また、例え会社員だと言っても、自由に働いていいし働けることがわかった貴重な体験になっています。
上司が嫌いな時の上司との距離の取り方をぜひ知って実践してもらいながら、
快適なお仕事ライフにしてもらえたらと思います。
1.「おかしい」を「何が悲しいか」に変換する
きっと、嫌いな上司はおかしいところがあって、
決して人格者じゃないし、常識から外れたところがたくさんあると思います。
ただ、それを「おかしい」と声高らかに叫んでも、あの上司は変わることはありません。
非常に残念なのですが。
そして、あなたが人のおかしさを正そうとすればするほど、
あなたの周りにおかしい人やおかしな行動をする人が集まっていきます。
集まってくるというより、そんな人の「おかしさ」がより強く気になるようになるという感じです。
だから、「心のこと」の大方針として、他人を変えるのではなく自分を変えていきます。
今回の話で言うと、おかしな上司を常識人に変えるのではなく、
「おかしなあの上司は嫌いだけど、まぁどうでもいいか」という状態を目指します。
それは決して、ずっと我慢するとか泣き寝入りをするとかではなく、
自分もオッケーだし相手もそれでオッケーという心の状態を作っていくということです。
この自分もオッケーだし相手もオッケーという状態を作っていくための、
最初の取っかかりとして、
その相手によって「自分は何が悲しいのか」という質問を自分にしてみてください。
- 自分のことを認めてくれなくて悲しい
- 感謝されていないようで悲しい
- 自分は仕事ができないと言われているようで悲しい
上記のように「おかしい」と相手にベクトルを向けてもそれ以上に事態は変わっていきません。
このベクトルを自分に向けてみることによって、楽に自由になるヒントが見つかっていくのです。
このヒントの読み解き方は3章から扱います。
2.嫌いなものは嫌いでいい
ここで少し脱線しますが、
自分にベクトルを向けると言っても、それは相手がおかしいんじゃなかったら自分がおかしいのだ、
自分に問題があるのだという話ではありません。
相手もオッケーで自分もオッケーなのです。
これは、心のことを学んだ人からの質問で感じることなのですが、
「自分の心に問題がある」とかそう言う話ではなく、
また、相手はオッケーだから相手を嫌いになってはいけないということでもありません。
嫌いな気持ちを感じる自分もオッケーで、
自分が嫌いなあの人はそれはそれでオッケーだということです。
例えば、頭ごなしに否定するあの人も、存在としてはそれはそれでオッケーです。
ただ、自分は嫌いだから距離を取るし、自分の美意識に反するから自分は頭ごなしに否定はしないということです。
誰も嫌いにならない釈迦や仏になろうとしないでくださいね。
3.他人に認められようとしなくていい
3-1.人からもらいたいものは自分の中で育てていく
第一章で自分にベクトルを向けて「何が悲しいのか」という質問に答えてもらいました。
認めてくれないことや感謝されないこと、仕事ができないと言われているような気がして悲しい、などなど。
そして、人はそれらが悲しいから他人から認めてもらおう、感謝されたい、仕事ができるようになろうとします。
しかし、これらを他人からもらおうとするところから悩みは始まるのです。
他人からもらおうとするということは、
つまり、自分にはそれがないと考えているか、自分にはそれらが必要だと感じているということです。
- 認めてもらえていないから、認められる存在になろう
- 感謝されて自分の存在意義を確認したい(確認する必要がある)
- 今、仕事ができないから仕事ができるようになろう
当たり前のように、「認めてもらっていない」「存在意義は確認しなければならない」
「仕事ができない」というように感じているかもしれませんが、
もしかしたら、既に認められていて、何もしなくても存在意義はあって、仕事ができるのかもしれません。
この客観的な事実と自分の認識のズレがあると、生きづらくなります。
上司はすでに認めてくれているのに、あなたが認められていないと感じていると、
この先いくら上司が認めてもあなたは相変わらず認められていないと感じて、認められることを求めるのです。
この認識のズレを修正してみてください。
- そうは思えないけど、もうすでに認められている
- 感謝や出来ることに関係なく、自分には存在意義や価値がある
- できないことは山ほどあるけど、自分は仕事ができる
乱暴な言い方ですが、実際に相手がどう思っているかや客観的にどうなのかは関係ありません。
というより、すべての人が主観で物事を判断していて、この世には主観しか存在しません。
あなたの「認められない」「存在意義」「仕事ができない」も主観的な勝手な判断です。
勝手な判断だからこそ、自分のことをいいように勝手に判断してもいいということです。
そして、この認識のズレを修正していくことで、自分が認められている側面・出来る側面、
何もしなくても有り難がられる出来事を目の当たりにしていきます。
人からもらいたいものを人からもらおうとするから、それをくれない人が嫌いになるし、
もらいたいものは既に自分に送られているのに、そんなことはないと認識しているから、
終わりのない悩みやイライラした気持ちを抱くことになります。
「人からもらいたいものは自分の中で育てていく」ということを覚えておいてください。
それは、そうやって自分を慰めることでも、無理だからと諦めることでもありません。
既にもらいたいものは与えられているし、自分は既にそういう存在だということに気づくという話です。
3-2.認められようとすることは人の下に潜り込むということ
だから、人から認められようとすることや感謝されること、
評価されることを目指さなくていいということです。
人に求める気持ちが強ければ強いほど、それが与えられていないことが許せなくなります。
白い砂浜に黒い石があることが許せなくなるし、黒い石があることに強い怒りを感じます。
また、グレーの石も黒く見えてくるかもしれません。
繰り返しになりますが、人から認められることや評価されることから離れてみてください。
人に認められようとするということは、その人の下に潜り込み、
上の存在である上司から認められたいと思っているということです。
きっと、あなたの会社の社長はその上司から認められようとはしないはずです。
社長は認めてもらう存在ではなく、相手を認めるか否か決める存在だからです。
認めてもらいたいと勝手に相手の下に潜り込まなくていいです。
その上司も社長も部下も後輩も全員が対等です。
わざわざ潜り込んで、相手に自分の存在を決めさせるような力を持たせなくていい。
自分の存在を決めるのはあくまで自分です。
これも覚えておいてくださいね。
3-3.本当に認められたい相手
そして、本当に認められたい相手は目の前の上司ではないかもしれません。
結論を書いてしまうと、本当に認められたい相手は両親なのかもしれません。
昔、両親に認めてもらえなかった、ありがとうを言ってもらえなかった、
できるね、すごいねと言ってもらえなかったから、
目の前の相手に認めてもらったり言ってもらったりすることで、
代替しようとしていることがよくあります。
江戸の敵を長崎で討つみたいな感じです。
ただ、直接の当人でない人に認められても、
昔の悲しさや辛さは癒えることなく、また、新たに認めてくれる人を見つけにさまよい始めるのです。
もし、確かに本当に認めてもらいたいのは両親だなという心当たりがある場合は、
両親との出来事で負った心の傷を癒してみてください。
インナーチャイルドという観点で心の傷を癒す方法を、
幸せになるためのインナーチャイルドの育て直し方にまとめているので参考にしてください。
4.嫌いという感情のもうひとつの側面
相手に認められたい、評価されたいという場合の説明は以上になります。
ここでは「嫌い」という感情のもうひとつの側面について説明します。
その側面とは、「嫌い」「嫌だ」と感じる相手に「自分のルールを違反しているからおかしい」と批判したいという面です。
自分は守っているのに、あいつは守っていないからおかしい。
そんな勝手が許されるはずがない、あいつだけズルいとイライラしているのかもしれません。
また、小さい頃に、自分の気持ちに従って怒られた経験から、
こういうときはこうした方がいいというルールを作った場合、
目の前の相手がそのルールを犯した時に、「(お母さんに)怒られるから怖い」という感情が湧きます。
この気持ちも、相手に対する嫌い・嫌だという気持ちに通じてきます。
要は、ルール違反をしている目の前の相手に対して、
「ルールに縛られていなくて羨ましい(ズルい)」「そんなことしたら怒られるよ、怖い」と感じているということです。
どちらにしても、その相手が嫌いという気持ちの解消法は同じで、
「おかしいと感じる相手と同じことをしてみる」ということです。
同じことをしてみて自分もその羨ましかった結果を得る。
怒られる・怖いと感じていることをしてみても、実際には怒られなかった。
それらを知ることで、目の前の人に対する嫌いな気持ちはなくなっていきます。
人は勝手なもので、自分がしていることは相手に対しても許せるのです。
もし、上司が自分のルール違反をしているなと感じる場合、
その上司の嫌なところを真似してみてください。
嫌いな人は、あなたに不快な思いをさせる存在ではなく、
「同じようにやったら楽で自由で、それがあなたらしいよ」ということを教えてくれる存在でもあります。
最初は自分の美意識が働き、嫌に感じるかもしれませんが、
実際やってみると案外それが自分らしくてしっくり馴染んできます。
嫌いな上司は実はあなたの本当の姿なのかもしれません。
5.まとめ
今回は、嫌いな上司と気持ち良い距離感を保つ方法を紹介しました。
距離感を保つと言っても、コミュニケーションでどうこうするという話ではなく、
「上司が嫌い」な気持ちの根本的なところにアプローチし、そこから変えていくというお話です。
認めてくれないという気持ちが、「自分は自分でいいのだから認めてもらわなくてもいいか」と、
おかしい上司も「実は本当の自分の姿だったし本当の自分で生きたほうが幸せだ」と、
気づいてもらえると、上司の見方が180°変わっていきます。
上司は、自分の存在やコアなところを左右する存在ではなく、
ただの一人の人間になるということです。
そして、そう捉えられるようになって、
もし、嫌いだと感じるのであれば、それは嫌いなんでしょう。
そんな感情も味わいながら、仕事を楽しんでもらえたらと思います。
また、上司が嫌いというか怖くて苦手という場合は、
人が怖いと感じる理由と人が怖い気持ちを手放す方法も読んでみてください。