他人にイライラする理由とイライラを自然と解消する逆転の発想

何であいつはだらだら働いているんだ。
態度や口調が生意気で気に入らない。
どいつもこいつも何て自分勝手なんだ。

「あー、イライラする!!」

日々の生活をする中でイライラすることもあると思います。
そのイライラに振り回されることはとても不快なものかもしれません。

この記事では、イライラという感情の付き合い方と、
そもそも私たちは何でイライラを感じるのかについて解説していきます。
あの深いな感情がどこから来るのか理解するだけで不思議と心が落ち着くものです。

また、イライラを感じる理由を理解することで、イライラが自然と解消する方法も説明します。
ぜひ、イライラという不快な感情を無理に抑え込んでしまうのではなく、
自分の価値観を広げ、「それもありだ」と穏やかな気持ちを感じてもらえたらと思います。

1.イライラを否定しない

まず、自分の中から湧き上がるイライラの感情を否定しないでください。

自分の中から湧いてくる感情はどんな感情も必要な感情です。
ですので、「イライラしてはいけない」と自分で押さえ込まないでください。

さらに、自分がイライラして旦那さんや子どもにあたった場合も、
そんな自分を責めずに、イライラして他人にあたったなぁと事実をただの事実として捉えてみてください。

イライラしてもいいし、時に誰かにあたってしまうこともある。
そんな自分を否定せず、オッケーだと受け止めてみてください。

2.イライラする理由

次に、イライラする理由について解説していきます。
イライラする理由は以下の二つです。

2-1.我慢・頑張りをしすぎている

一つ目の理由は、我慢や頑張りをしすぎているからです。
自分が我慢をすればするほど、自分が頑張れば頑張る程イライラの感情が湧き上がってきます。

イライラするときに、「のに」という言葉が頭をよぎることはないでしょうか?

  • 私はこんなにやっている「のに」、認められない
  • 私はちゃんとやっている「のに」、旦那は手伝ってくれない
  • 私は愚痴を言わない「のに」、後輩は口を開けば愚痴を言う

この「~のに」という言葉が出てきたときは、我慢のしすぎ・頑張りすぎのサインです。
自分がやればやるほど、無意識に相手からの見返りや結果を期待します。
見返りのハードルが上がって行くのです。

そして、返ってきたものが自分の期待値というハードル以下の場合、
「こんなにやっている『のに』十分に返してもらっていない」という不満になるのです。

2-2.自分のルールを破っている

二つ目の理由は、自分が当たり前に守っているルールを相手が破るからです。

人は、今に至る過程の中で、「こうするべき」という自分のルールを作り、そのルールを守りながら生きています。

  • 電車の中では静かにするべき
  • 仕事はちゃんとするべき
  • 自慢話はするべきではない

こうした自分ルールを破る人を見たときにイライラします。
それは、自分のルールを破る人に「怖さ」と「羨ましさ」を感じるからです。

少し説明します。
先ほど、「今に至る過程で『こうするべき』という自分ルールを作る」と言いましたが、
それは、親のしつけやトライアンドエラーの結果を通して身につけたものです。

電車では静かにしなさいという親のしつけによって、
「こうするべき」を身に付け、そしてそれを破ることで親から叱られるという「怖さ」を感じています。

また、大きくなってから何か嫌なことが起きた時に、その原因を探します。
「友達から嫌われた」出来ごとがあったとして、
「自分の自慢話をしたからだ」「調子に乗ったからだ」とその法則を見つけようとするのです。

そして、この「自慢話をすると嫌われる」「調子に乗ると嫌われる」という法則が、
「自慢話をすべきではない」「調子に乗るべきではない」という「こうするべき」になります。
逆に、「こうするべき」を破ることは、「嫌われる」などの「怖い」ことに結びつく行為なのです。

だから、目の前で自分の「こうするべき」を破る人を見たときに、
心の深いところで「怖さ」を感じ、排除したいものだと感じるのです。

「羨ましさ」については、私たちは「こうするべき」という枠の中に自分を閉じ込めています。
「本当はこうしたいけれど、してはいけない」という制限を自分にかけているのです。
その枠がない人を見たときに、自分の「本当はこうしたい」を実現しているため、羨ましく感じるのです。

「本当は自分もやってみたいけど、やっちゃいけないことだ」
「でも、あの人は自由にやっている」
「ずるい、羨ましい。何であいつばっかり」とイライラにつながっていきます。

こうして、「こうするべき」という自分ルールを破っている人にイライラという感情を感じます。

3.「イライラ」を深ぼってみる

では、あなたがイライラしていることは何でしょうか?
ここで少し考えてみてください。

  • 大した仕事もしていないのに、大きな顔をしている人にイライラする
  • 家事・育児の手伝いをしない旦那にイライラする
  • 愚痴ばかり言う人にイライラする

そして、そこから導き出される「こうするべき」というあなたのルールは何でしょうか?
また、あなたは何を我慢し頑張っているのでしょうか?

<こうするべき>

  • やるべきことをやらなければ、大きな顔をしてはいけない
  • 仕事はちゃんとやるべきだ
  • 旦那も家事や育児に参加するべきだ
  • 愚痴を言ってはいけない

<我慢や頑張り>

  • 仕事をちゃんとやろうと頑張っている
  • 家事や育児を頑張っている
  • 自分の時間を我慢している
  • 弱音を吐くことを我慢している

さらに、上記の「こうするべき」や「我慢・頑張り」をやっている理由は何でしょうか?
「こうするべき」を破り、「我慢や頑張り」をしなかったときにどんな嫌なことが起こると思いますか?

  • 周りの人に認められない
  • 相手に嫌われてしまう
  • 役たたずに思われる
  • ちゃんとしていない人だと思われる
  • 仕事の結果が出ずに解雇される
  • 家の中がぐちゃぐちゃになる
  • 離婚することになる
  • 子どもがちゃんと育たない

4.イライラを自然と解消する

4-1.自己認識を変える

上記の質問に答えて行くだけで様々なことがわかっていきます。

そして、最後のどんな嫌なことが起こるかについて、
「こう思われる」系の答えからあなたが自分のことをどう思っているかがわかります。

  • 周りの人に認められない
  • 相手に嫌われてしまう
  • 役たたずに思われる
  • ちゃんとしていない人だと思われる

どういうことかというと、あなたはありのままの自分は、
認められず、嫌われ、役に立たずに、ちゃんとしていないと思っているということです。
(これを自己認識といいます)

だから、認められるため、嫌われないため、役に立つ人間になるため、ちゃんとした人になるために、
「こうするべき」を守り、我慢し頑張っているのです。

しかし、この「認めらない」「嫌われる」「役に立たたない」「ちゃんとしていない」は勘違いであり思い込みです。
この自分に対する認識を書き換えてしまってください。

すでに認められていて、
ありのままで可愛がられ、
誰かの何かの役に十分たっていて、
人として欠けているところはないと捉え直すということです。

すると、「こうするべき」を守る理由も我慢する理由も無理に頑張る理由もなくなります。

4-2.起こるであろう怖いことを受け入れる

また、3.で答えてもらった「どんな嫌なことが起こるか」という質問について、
「将来起こりそうな出来ごと」系の答えからあなたの中の法則がわかります。

  • 大した仕事をしないと解雇される
  • 家事をしないと家の中がぐちゃぐちゃになる
  • 家事・育児をちゃんとしないと離婚の危機になる
  • 育児をちゃんとしないと将来ダメな人になる

この「○○すると××になる」という構文は暗示としての効果があります。
つまり、あなたは「○○すると××になる」という暗示にかかっているということです。

  • 大した仕事をしない人が現に解雇されずに会社にいます
  • 自分が家事をしないと旦那さんが手伝ってくれるかもしれません
    (そもそもそんな綺麗じゃなくても・・・)
  • 家事・育児をちゃんとせず結婚生活をしている人はいくらでもいます
  • 育児をちゃんとしてもあなたの思ったように子どもは育ちません笑
    (そもそもダメは自分の価値観だけの話で何もダメではありません)

だから、起こりそうな怖いことはあくまで起こり「そう」だと自分が感じているだけです。
逆に、「起こりそうな怖いことが起きてもいい」と受け入れてしまうことで、
「こうするべき」や我慢・頑張りに縛られる必要がなくなります。

5.問題を簡単に解消する方法

今まで、目の前の人に対してイライラして問題視してきたかもしれません。
そして、自分の価値観や「こうするべき」に合うように他人をコントロールしようとしたかもしれません。

しかし、目の前の自分勝手で自由なやつは変わることはありません。
その飄々とした顔を見て、さらにイライラが募るのではないでしょうか?

問題の解決は、他人を自分の価値観の中に押し込めることではありません。
自分の価値観という枠の中に、外にいる相手を入れることはできないのです。

そうではなく、外にいる相手のところまで自分の価値観を広げてしまえばいいのです。
自分のオッケーの領域を広げることで、今まで問題だと思ってきたとこが問題ではなくなります。

その方法は、相手のことを無理に許容するという方向性ではありません。
自分も相手と同じように自分勝手に自由に振舞ってみるということです。

「こうするべき」を自分で破っていくということです。
我慢せず、頑張らずにどんどん力を抜いていくということです。
すると、自然と自分のオッケーな枠が広がり、相手のことが気にならなくなります。

ぜひ、勇気を出して今まで禁止してきたことに飛び込んでみてください。
その先に驚く程、穏やかで優しい気持ちに包まれた世界が待っています。

6.まとめ

今回は、イライラする理由とイライラを自然と解消する方法について説明しました。
イライラの仕組みとイライラを解消する方向性について理解してもらえたのではないでしょうか?

しかし、冒頭でも説明しましたが、
イライラという感情を悪いものだと考え、無理にイライラを抑えようとしないでくださいね。

あくまで、自然でいいのです。
イライラすることも、実は相手が羨ましくて「こうするべき」を破りたいけどそうできないことも、
否定して責めることではありません。

自然に出来るとこから面白がってやってもらえたらと思います。
イライラや自分勝手について、自分勝手なあいつにイライラする理由と心の平穏を得る方法に、
別の視点でまとめてあるので参考にしてみてください。